ニューヨーク州会計監査官であるトーマス・ディナポリ氏は、米国時間3月26日、ウォール街における従業員へのボーナス支給総額が過去最高となる492億ドル(約7兆8500億円)に達したと発表した。これは、活発な取引活動および証券会社の利益が前年比30%増加したことが主な要因とされている。実際、今回のボーナス総額は前年を9%上回り、平均支給額も24万6900ドル(約3940万円)と、6%の増加が見られた。
ディナポリ氏は、米国内外での不安定な情勢にもかかわらず、ウォール街が昨年を通じて好調な業績を維持した点を強調し、証券業界の利益増加がニューヨーク州や市の予算、特に税収にとって極めて重要であることを指摘した。しかし、インフレ調整後の実質値で見ると、2006年の537億ドル(約8兆5700億円)が今回の記録を依然として上回っている。
また、2025年における証券業界の雇用者数は19万8200人と、前年から微減したものの、ニューヨーク州は全米証券業界の雇用の17.9%を占め、依然として国内最大のシェアを維持している。
さらに、今回のボーナス増加により、米国全体の所得税収は前年比で1億9900万ドル(約318億円)、ニューヨーク市の所得税収は9100万ドル(約145億円)増加する見通しである。ただし、州知事が示した予算案ではウォール街のボーナスが25.9%増加すると見込まれていたため、実際の税収はその想定を下回る可能性がある。
一方で、ディナポリ氏は今後の見通しについて慎重な姿勢を示しており、雇用の伸びが鈍化していることや、地政学的リスクが金融市場や経済全体に及ぼす影響について懸念を表明した。
2025年のボーナス増加は、2024年の記録的な利益増大に続くものであり、証券業界の雇用者数も2024年には過去30年間で最高水準を記録していた。
2025年の株式市場は、S&P500種株価指数が16%、ナスダック総合指数が19%、ダウ平均株価が13%と、いずれも3年連続で2桁の上昇率を示して取引を終えた。ドナルド・トランプ大統領による関税導入など経済的障壁が存在したものの、ハイテク株やAI関連銘柄への投資家の信頼感が株価上昇を後押ししたと言える。