むかし、琵琶湖の近くの村に、源哲という和尚さんが来ました。村の人たちはあいさつにお寺へ行きましたが、和尚さんが屋根の上でお酒を飲んでいるのを見て、びっくりして帰りました。
その夜、横山の子狸たちが人間の子どもに変身して、お寺に来ました。子狸たちは和尚さんに声をかけて、読み書きを教えてもらうことになりました。しばらくして、七尾山の子狸たちも来るようになり、村の子どもたちもこっそり勉強しに来ました。
ある日、村の子どもたちはお礼に魚を和尚さんにあげました。子狸たちもお礼をしようと思い、雨の日に和尚さんのかわりにお酒を買いに行くことにしました。
しかし、酒屋の主人は雨の日だけ来る子どもたちをあやしいと思い、ある夜、こっそり後をつけました。お寺に入ったとき、子どもたちにしっぽがあるのを見て、びっくりして傘でたたきました。子狸たちは正体を見せて、泣きながら山へ帰りました。
和尚さんは子狸たちがかわいそうだと思い、涙を流しました。村の子どもたちは狸たちを思い出して歌を歌いました。「雨がふる夜に、豆狸がお酒を買いに行く。源哲さんにお酒をあげるために。」