About Todaii Japanese
Copyright belongs to eUp Technology JSC
Copyright@2025
About Todaii Japanese
Copyright belongs to eUp Technology JSC
Copyright@2025

アメリカのトランプ政権は貿易赤字が大きい国や地域を対象にした「相互関税」を課す措置を日本時間の9日午後1時すぎに発動しました。日本には24%の関税が課されることになります。
先週すでに発動された自動車に対する25%の追加関税と合わせて影響は国内の幅広い産業に及ぶとみられ、その衝撃によって日本がマイナス成長に陥るおそれも指摘されています。
※「相互関税」の発動による日本国内の9日の動きを随時更新でお伝えします。
トランプ政権は、アメリカにとっての貿易赤字の大きさなどをもとに、日本を含むおよそ60の国や地域を対象にした「相互関税」を日本時間の9日午後1時すぎに発動しました。
今月5日に発動し、すべての国や地域を対象にした一律で10%の関税を引き上げる形となり、日本には24%の関税が課されることになります。
先週すでに発動された自動車に対する25%の追加関税と合わせた影響について、民間のシンクタンクや専門家からは日本のGDP=国内総生産が0.3%から0.8%程度押し下げられるという試算もでています。
今回の関税措置の影響は国内の幅広い産業に及ぶとみられ、日本がマイナス成長に陥るおそれも指摘されているほか、その衝撃の大きさを「過去のリーマンショックやコロナショックに匹敵するような大きなものだ」と見込む専門家もいます。
財務省の貿易統計によりますと、日本からアメリカへの去年1年間の輸出総額は21兆2947億円で国別で最も多くなっています。
品目別の輸出額は、今月3日から追加関税が発動された「自動車」が6兆264億円と全体の3割近くを占め最も多くなっているほか、先月、追加関税が発動された「鉄鋼」は3026億円となっています。
一方、自動車や鉄鋼以外の輸出額は、多い順に「建設用・鉱山用機械」が8953億円、「科学光学機器」が5895億円、「半導体等製造装置」が5298億円、「重電機器」が4943億円となっています。
また、「電気計測機器」が4195億円、「医薬品」が4114億円、「ポンプ・遠心分離機」が4024億円などとなっています。
このほか、食品や農林水産物のアメリカへの輸出もホタテや牛肉などが伸び、去年1年間では、2429億円となっています。
これまでアメリカから課されていた関税は品目によって異なりますが、建設用・鉱山用機械に含まれる、「ブルドーザー」や「エキスカベーター」と呼ばれる機械は、関税が課されていませんでした。
また、重電機器に含まれる、「電動機」や「発電機」は、関税が課されていなかったもののほか、2%から6%台の関税が課されていたものなどがあります。
このほか、食品や農水産物では、魚の切り身などは、関税が課されていないものが多かったほか、日本酒は、1リットルあたり3セントの関税が課されていました。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、仮に相手国が報復関税を発動するなど貿易摩擦が激しくなった場合の単純計算として日本のGDPは3年間に1.16%押し下げられる可能性があるとしています。
世界のGDPは0.91%、アメリカのGDPは2.4%、それぞれ下押しになるとしています。
木内氏は「相互関税が大きく修正されずに維持される場合、ことしの日本経済はほぼゼロ成長が見込まれるほか、米中の貿易摩擦の激化や報復関税の動きが相次ぐなど影響が拡大した場合、マイナス成長に陥る可能性もある」と分析していました。
Q.日本への影響は。
好循環の流れを本格化させたい日本経済に大きな打撃となり、専門家からは「その成長力が帳消しになるほどのダメージだ」「過去のリーマンショックなどに匹敵するのではないか」といった見方も出ています。
先週の自動車に続き、幅広い品目に高い関税が課されることになり地域の中小企業などからも、影響を懸念する声が上がっています。
また輸出企業にとどまらず、その取引先も含めた設備投資や賃上げに水を差す、といった懸念も広がっています。
さらに今回は、中国や東南アジア、EUにも高い関税が課されることから、こうした国や地域の景気が冷え込み、日本企業への打撃がいっそう大きくなるおそれもあります。
Q.日本企業、政府の今後の対応は。
企業の中には関税の影響を抑えるため、アメリカでの生産を増やすといった対応を検討するところも出てきていますが、多くは有効な手立てを見つけられていません。
日本政府は関税の引き下げを求め、アメリカとの交渉を始めることにしていて、日本側は赤澤経済再生担当大臣がアメリカ側は、ベッセント財務長官とUSTRのグリア代表が担当します。
このうち、グリア代表は農産物のさらなる市場開放や、工業製品に関する規制緩和について、協議したいという意向を示しています。
またトランプ大統領はアメリカの自動車が、日本にほとんど輸出されていない状況を、問題視する発言をしていて、日本政府としては、アメリカ側の要求を慎重に見極め、交渉に臨みたい考えです。
今回、経済界からは「自由貿易体制を維持できるかの岐路だ」といった声も聞かれます。
日本の成長を支えてきた自由貿易が転換点を迎える中、活路を見いだせるのか、政府の交渉力が問われると思います。
ホタテ輸出 北海道の水産加工会社 “需要の落ち込み懸念”
アメリカ向けの冷凍ホタテの販売に力を入れてきた北海道紋別市にある水産加工会社は、中国による日本産水産物の輸入停止措置を受けてアメリカなどに冷凍ホタテの販路を拡大し、去年は生産量の2割ほどにあたるおよそ200トンを商社を通じてアメリカに輸出しました。
アメリカへの冷凍ホタテの輸出額は年間8億円にのぼり、最大の輸出相手国になりました。
この会社の加工場ではアメリカのトランプ政権が貿易赤字が大きい国や地域を対象にした「相互関税」を課す措置を発動した9日も出荷に向けてホタテの殻をむく作業が行われていました。
会社ではホタテに新たな関税が課されることでアメリカでの販売価格が上昇し需要が落ち込むことを懸念しています。
水産加工会社「丸ウロコ三和水産」の山崎和也社長は「関税がプラスされることで価格が上がってしまうため、アメリカ側は『ちょっと高いから数量をしぼる』ということになると思う。ホタテの水揚げ量が増える5月以降に向け、アメリカへの輸出についての商談を進めてきたが、やり直しが必要だと思う」と話していました。
会社では今後、商社を通じて日本国内に加えて東南アジアなどアメリカ以外の販路拡大を模索するほか、中国による日本産水産物の輸入再開に向けた動向についても情報収集を進めたいとしています。
自動車向けの精密機器などを製造している長野県飯田市のメーカーは、生産拠点があるベトナムにも高い関税が課されたことからアメリカ以外の市場を開拓することにしています。
飯田市に本社がある「多摩川精機」は電気自動車向けのセンサーや小型ジェット機の駆動装置などを製造していて、アメリカへの輸出が売り上げのおよそ1割を占めています。
トランプ政権の「相互関税」について松尾忠則社長は「『相互関税』として24%、自動車は25%の追加関税にこれまでの2.5%を加えた27.5%の高い関税がかけられたことは最悪のシナリオになった」と話していました。
この会社は先月、電気自動車向けのセンサーを製造する工場をベトナムに建て、ことし7月からアメリカなどに向けて生産を始める計画でしたが、今回ベトナムには46%の「相互関税」が課されたことから対応を検討しています。
松尾社長は「北米には関税が比較的低い日本国内から製品を輸出する。北米市場を小さくする中で、東南アジアやインド、それにヨーロッパなどで、お客様を見つけることもしなくてはならない。ピンチをチャンスに変えていきたい」と話し、アメリカ以外の市場を開拓する考えを示しました。
海外でも知られる石川県の伝統工芸、「山中漆器」の産地でも関税の引き上げによる影響を懸念する声が上がっています。
石川県加賀市にある山中温泉の周辺で作られている「山中漆器」は軽さと丈夫さで知られ、樹脂製の容器に塗料を施す現代的な製品もあり、アメリカにも輸出されています。
市内にある老舗の漆器メーカーでは、2012年からアメリカ向けに弁当箱を輸出しています。
電子レンジや食器洗い機にも対応できる高価格帯の製品で、現地での健康志向の高まりや食費の高騰などを背景に売り上げを伸ばし去年は2万個近くをアメリカに輸出しました。
今では売り上げの1割ほどを海外への輸出が占め、その多くはアメリカだということです。
このメーカーの代表のもとには4月に入って現地の代理店から値上げの検討を依頼するメールが届きました。
「今後の影響がはっきりしない」としつつも、関税が引き上げられた分をどの程度価格に反映させるのか検討するよう求める内容だったといいます。
しかし、値上げに踏み切れば売り上げに影響するおそれがあるため、メーカーは情報収集を進めながら慎重に対応を検討することにしています。
漆器メーカー「竹中」の竹中俊介代表は「アメリカが関税を大幅に引き上げれば、値上げせざるを得ません。ただ、アメリカ国内の景気が悪化し、買い控えの動きが広がるとも言われていて、どうすればいいのか答えが見つかっていません」と話していました。
アメリカ向けの輸出に力を入れている北九州市の納豆メーカーは、JETRO=日本貿易振興機構のアドバイスも受けながら今後の対応を検討しています。
北九州市に本社がある昭和6年創業の「芳野商店」は福岡県産の大豆にこだわった納豆を製造しています。
現在、タイやアメリカなど15の国と地域に商品を輸出していて、なかでもアメリカは日本食ブームもあって年間9万セットを販売する主力市場になっています。
こうしたなか会社の芳野信社長は、8日、ジェトロ北九州の西尾瑛里子所長と今後の対応などについて意見を交わしました。
このなかで西尾所長からは、引き続きアメリカでの商談会などを通じて販売の促進を支援するほか、アメリカ以外の国や地域への販路拡大も後押ししていく考えが伝えられました。
ジェトロ北九州の西尾所長は、「あまり理解されていないが、関税は輸入した側、つまりアメリカの輸入者が支払うので、今この瞬間に慌てるのではなく冷静になってほしい。相談窓口も設置したので企業と一緒になって次の戦略を考えていきたい」と話していました。
また芳野社長は「関税が急に上がる話は晴天のへきれきだ。自分たちがあがいたところでどうなるものでもないので、販路を広げて販売が減少した分を補っていきたい」と話しています。
相談窓口には企業からの問い合わせが急増しています。
日本政府は、アメリカのトランプ政権が関税措置を次々と打ち出す中、ことし2月にJETRO=日本貿易振興機構に専用の相談窓口を立ち上げました。
アメリカが相互関税の詳細を発表した日本時間の今月3日からは問い合わせが急増し、8日までの4営業日だけで全体の半数近くを占めるおよそ400件が寄せられたということです。
問い合わせの内容は、自社の製品が関税措置の対象になるのかや対象になる場合には関税率はどのくらいかに集中しているということです。
相談を寄せる企業はアメリカへの輸出量が多い自動車関連が多いものの、相互関税の対象がすべての品目となっているため、これまで問い合わせが少なかった食品やアパレル、おもちゃなど幅広い業種に広がっているとしています。
自動車メーカー各社は対応を迫られています。
このうち、トヨタ自動車は当面、現地での販売価格は値上げせず国内の生産規模と雇用も守る方針で「当面は現在のオペレーションを維持する」としています。
ただ、会社の幹部は「努力にも限界があるので違う方法も考えないといけない」と述べていて業績への影響を緩和する方策が課題となります。
また、日産自動車はアメリカで高級車ブランドの2車種の受注を停止することを明らかにしました。
この2車種はメキシコからアメリカに輸出していますが、会社によりますと、アメリカなどで調達する部品の割合が少なく関税の影響を受けるためだとしています。
一方、会社はアメリカの工場ではSUV=多目的スポーツ車を生産するラインで減産を計画していましたが、今回の関税措置を受けて生産体制を維持することにしました。
このほか、マツダはアメリカの工場で生産余力があることから現地で需要が高まっているハイブリッド車の販売を強化し、現地生産の割合を増やしたいとしています。
追加関税による負担の増加は、日本の自動車メーカー各社の利益を押し下げる要因となりますが、各社ともただちに販売価格を値上げすることには慎重な姿勢で現地での増産や生産コストの削減などの対策を検討することにしています。
アメリカ財務長官 日本側との協議見通し「楽観的に見ている」
トランプ大統領はみずからが発表した関税措置をめぐる日本との閣僚級協議の担当にベッセント財務長官とUSTR=通商代表部のグリア代表を指名しました。
このうちベッセント長官は8日、首都ワシントンにある日本大使館が主催した文化イベントで挨拶し、7日にトランプ大統領と石破総理大臣が行った電話会談について「良い話し合いができた」との認識を示しました。
このあと、ベッセント長官は今後の日本側との協議の見通しについて、NHKなどの取材に対し「楽観的に見ている」と述べました。
また、日本側との閣僚級協議の時期については「まだ決まっていない」として、近くアメリカに駐在する山田重夫大使と調整する考えを示しました。
また、みずからが日本との協議の担当者に指名された理由については「私は日本と長い付き合いがあるということが理由の1つだ。私は日本との間のさまざまな課題について、事情をよく知っているからだ」と述べて、日本に詳しいことが指名に関係しているとの認識を示しました。
アメリカの関税措置をめぐり、石破総理大臣は石川県の馳知事と面会し「今後も丁寧に情報を共有し対応していきたい」と述べ、国内産業に及ぼす影響や企業への支援策などについて地方にも丁寧に情報を共有し対応に万全を期す考えを伝えました。
林官房長官は午後の記者会見で「アメリカ政府に対し、極めて遺憾だと伝えるとともに措置の見直しを強く申し入れている。引き続き、強く求めていくとともに国内産業への影響を勘案し、資金繰り支援など必要な対策に万全を期していく」と述べました。
また赤澤経済再生担当大臣とアメリカ側との交渉については「現時点で具体的に決まっているものはないが、必要に応じて適切なタイミングで協議などが行われることになる」と述べました。
岩屋外務大臣は衆議院外務委員会で「わが国の経済のみならず、最終的にはアメリカ経済にも大きなマイナスの影響が及び、自由貿易体制にも大きな影を落とす措置だ。アメリカも自由貿易によって相当にひ益してきたからこそ、今なお世界一の経済大国であるわけで、そこをしっかり踏まえたリーダーシップを発揮してもらえるように働きかけを強めていきたい」と述べました。
その上で「TPP=環太平洋パートナーシップ協定にアメリカが戻ってくることが望ましいというスタンスを堅持し、枠組みが充実・強化されるよう加盟国と連携しながら考えていきたい。わが国が結ぶ、さまざまな自由貿易の枠組みはこれからも拡充していかなければならない」と述べました。
アメリカとの交渉を担当する赤澤経済再生担当大臣は9日、衆議院内閣委員会で「アメリカ政府が関税措置を発動したことは極めて遺憾だ。内容を精査し、わが国への影響を十分に分析しながら見直しを強く求めていく」と述べました。
その上で「担当閣僚として何がわが国の国益に資するのか、あらゆる選択肢の中で何が最も効果的なのかを考え抜き最優先で取り組みたい」と強調しました。
また国内産業への支援をめぐり「広範囲に影響が及ぶ可能性があり産業や雇用を守るため支援に万全を期すことが極めて重要だ。影響の把握を速やかに行い追加の対応を検討していく」と述べました。
自民党の小野寺政務調査会長らは、9日午後、群馬県太田市にある自動車メーカー「SUBARU」の工場を訪れ、大崎篤・社長らと面会し、小野寺氏はアメリカが先週、輸入車に対し25%の追加関税を課す措置を発動したことなどに触れ「SUBARU製の自動車の7割がアメリカへの輸出やアメリカで現地生産されているということで、関税の影響を大きく受ける。きたんのない意見を伺い、政策を練り上げたい」と述べました。
このあと小野寺氏は、自動車向けの部品を供給する地元の経営者とも意見交換し、生産を維持するための対策などを求められたということです。
視察の後、小野寺氏は記者団に対し「相当の不安がものづくりの現場に広がっていると感じた。視察の途中に林官房長官から電話があり『全国で不安が広がっているので党としての考えを早めにまとめてもらいたい』と要請があった。必要な政策を党としてまとめていく」と述べました。
立憲民主党の重徳政務調査会長は記者会見で「広範にわたる関税で国内企業や雇用にどれくらい影響があるのかを見極めるのはなかなか難しいので、政府にはできるかぎり情報を共有してもらいたい。金融支援が喫緊の課題になることは容易に想定されるので急いで取り組みたい」と述べました。
一方、関税措置による景気後退が懸念される中、消費税率の引き下げを検討する必要性があるかと問われ「どれくらい影響があるのか見極めの時間も必要だと思う。その策に一足飛びにいく考えはない」と述べました。
アメリカのトランプ政権が発動した「相互関税」によって、日本には何%の関税が課されることになりますか?