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JLPT N1 – Reading Exercise 78
ある心理学者しんりがくしゃは、人間にんげんの記憶きおくがどのような条件じょうけんで再生さいせいされやすくなるのかについて語かたり、長期間ちょうきかん昏睡状態こんすいじょうたいにあった少女しょうじょの事例じれいを紹介しょうかいした。(中略)少女しょうじょは重おもい病気びょうきで長期間ちょうきかん意識いしきを失うしなっていたため、医師いしは家族かぞくに対たいし、たとえ目覚めざめても言葉ことばを話はなしたり、以前いぜんのように生活せいかつすることは難むずかしいだろうと説明せつめいした。「1」その上うえで治療ちりょうを続つづけたわけだが、回復かいふくの過程かていで少女しょうじょにできる限かぎりの語かたりかけを続つづけるよう、家族かぞくに勧すすめたという。たとえ反応はんのうがなくても、毎日まいにち声こえをかけ、昔むかしの思おもい出でを語かたり、優やさしく名前なまえを呼よび続つづけるようにと指示しじしたのである。家族かぞくは誠実せいじつにこの指示しじを守まもり、日々ひび少女しょうじょに語かたりかけ続つづけた。「___2___」、本来ほんらいなら言語障害げんごしょうがいが残のこるはずの少女しょうじょは、徐々じょじょに言葉ことばを取とり戻もどし、退院たいいんする頃ころには普通ふつうに会話かいわができるまでに回復かいふくしたのである。「少女しょうじょが家族かぞくと会話かいわを交かわしながら退院たいいんする日ひは、「3」まさに奇跡的きせきてきでありました」と心理学者しんりがくしゃは感慨深かんがいぶかげに語かたったが、この事例じれいから彼かれが導みちびき出だした仮説かせつは、人間にんげんの記憶きおくや言語能力げんごのうりょくは「誰だれかに語かたりかけられる」という体験たいけんを通とおして、活性化かっせいかされるということであった。語かたりかけられるということは、すなわち存在そんざいを認みとめられることであり、愛情あいじょうを受うけることに他ほかならない。つまり、愛あいし愛あいされる関係かんけいの中なかでこそ、人間にんげんの記憶きおくや能力のうりょくは最大限さいだいげんに発揮はっきされるのである。
JLPT N1 – Reading Exercise 79
JLPT N1 – Reading Exercise 80
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