日本には、力が強い人のことを「おぼう力がある」と言うところがあります。
秋田県には、昔、宇治川という力士がいました。宇治川は、もっと力が強くなりたいと思っていました。
ある夜、宇治川と友だちが道を歩いていると、子どもの声がしました。見ると、女の人が子どもを抱いていました。女の人は、髪を結う間、子どもを抱いていてほしいと言いました。友だちは喜んで子どもを抱きましたが、だんだん重くなって、我慢することができませんでした。友だちは、子どもを投げてしまって、亡くなりました。
宇治川は、友だちのために、もう一度女の人に会いたいと思いました。そして、1か月後の夜、女の人が現れました。宇治川は、重くなった子どもを一生懸命抱いていました。女の人が髪を結い終わると、宇治川は「おぼう力」をもらうことができました。
宇治川は、とても喜んで、いろいろな物を遠くに投げて、家に帰りました。