食料品店に並ぶ加工食品のうち、アボカドオイル使用を謳う製品のほぼ全てに、より安価な代替油が混入している実態が、米国時間7月15日にカリフォルニア大学デービス校(UCデービス)の研究者らによって発表された。研究者らは、サプライチェーンのどの段階においても品質検証・保証体制が欠如していることが原因であり、結果として消費者は割高な対価を支払いながらも、表示と中身の乖離した製品を購入させられていると指摘している。
この研究は7月11日、学術文献データベースScience Direct(サイエンスダイレクト)上で公開された。それによると、検査対象となったアボカドオイル表示製品54品のうち、実に48品からキャノーラ油や大豆油といった安価な油が検出されたという。
研究チームは、アボカドオイルのみを使用していると表示されたポテトチップス、サラダドレッシング、マヨネーズを対象に検査を実施し、表示の大半が誤解を招くものであると結論づけた。具体的には、サラダドレッシングは検査した全6品が純度検査に不合格となり、チップスの93%、マヨネーズの71%からも他の油が検出された。
検査手法は、まずオンライン小売店やカリフォルニア州内の店舗で購入した製品に含まれる油の脂肪酸やステロールといった天然の化学成分を分析し、本物のアボカドオイルの成分と比較することで、安価な植物油で薄められた疑いの強いサンプルを特定するというものだ。
研究チームは、オリーブオイル表示の加工食品20品にも同様の検査を実施したが、不合格はわずか1品にとどまった。この結果の著しい差は、オリーブオイルが数十年にわたり規制当局の監視を受けてきたのに対し、アボカドオイルはまだ監視の対象になっていないためだと、研究チームは指摘している。
同研究を主導したUCデービス食品科学教授のセリーナ・ワン氏は、ブランド側が混ぜ物をされた油を使用していることに気づいていない可能性も指摘している。これは、ほとんどの食品会社が油を第三者のブローカー経由か、複数の異なるサプライヤーから調達しており、厳格な検査をしない限り、混ぜ物を発見できないためだという。
一方でワン氏は、サプライヤー側については、安価な植物油を意図的に混ぜたうえで純粋なアボカドオイルとして販売している可能性が高いとみている。
「消費者は、アボカドオイルやオリーブオイルを使った製品に、ますます割高な対価を支払うようになっています。消費者には支払った対価に見合うものを受け取る権利があります。そして食品メーカーの側も、サプライヤーから仕入れる原材料が本物だと確信できるようであるべきです」と、ワン氏は声明で述べている。
アボカドオイル製品は、安価な油を使った同種の製品に比べ、500%超という割高な価格で販売されている。例えば、ウォルマートのウェブサイトでは、従来型のマヨネーズは1オンス(約28グラム)あたり約10セント(約16円)であるのに対し、チョーズン・フーズとプライマルキッチンのアボカドオイル・マヨネーズは、それぞれ1オンスあたり67セント(約109円)、65セント(約105円)で販売されている。
健康志向の高まりと「より体に良い」パッケージ食品の流行を追い風に、アボカドオイルは過去10年で一般的な調理用食材となった。オリーブオイルやココナッツオイル、地中海式食事法が人気を集めてきた流れと同様だ。アボカドオイルはもともと飽和脂肪酸が少なく、一般的な植物油より「クリーンな」油だと受け止められているため、企業は「アボカドオイル使用」と銘打つだけで、製品をより健康的でプレミアムな選択肢として売り出すことが可能だ。
こうしたブームがアボカドオイルの需要を押し上げたが、需要の拡大に純度に関する業界基準の整備が追いつかず、UCデービスの研究が指摘するような偽装の温床が生まれた。その結果、今日では生産者が少量のアボカドオイルに安価なキャノーラ油やサフラワー油を混ぜるだけで、マーケティングは何も変えずに、簡単に利益を膨らませることができてしまうのだ。
今回発表された調査結果は、UCデービスが長年積み重ねてきた一連の報告の延長線上にある。同校が2020年に発表した研究では、市販の瓶詰めアボカドオイルの82%が劣化して品質が落ちているか、他の油と混ぜられていることが判明した。さらにその後の研究でも、プライベートブランドのアボカドオイルの70%が劣化または偽装されていたことが分かっている。