昔、ある村に太郎という男の子がいました。太郎はいつも空を見て、何もしないで一日をすごしていました。もう大人の仕事を手伝う年でしたが、太郎は家でゴロゴロしていました。
ある晴れた日、お母さんは太郎に「山へ行って草をかってきて」と言いました。太郎はしかたなく山へ行きました。山の上からは海がよく見えました。海は光って、とてもきれいでした。太郎は草かりのことをわすれて、ずっと海を見ていました。
秋の風が気持ちよくて、太郎は山の上でねむってしまいました。すると、「チャリン、チャリン」と音が聞こえました。太郎が目をさますと、ネズミたちが小判を背負って山をのぼってきました。ネズミたちは小判を野原に並べました。そして、また山をおりていきました。野原には小判がたくさんありました。
小判は海の光りで赤や青、金色にかわりました。太郎はその小判をずっと見ていました。日がくれると、ネズミたちがまた来て、小判を持って帰りました。太郎も家に帰りました。
その夜、家の戸をたたく音がしました。お父さんとお母さんが出ると、昼間のネズミがいました。ネズミは「今日はありがとう」と言って、小判を何枚かおいて帰りました。その後も、太郎は前と同じようにのんびりくらしていました。