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京都大学病院などの研究グループは、免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ(ニボルマブ)」を、一般的に使用される化学療法と放射線療法に併用することで、食道がんの治療効果が大きく向上することが医師主導の臨床試験の結果、明らかになったと発表しました。
研究チームによると、今後はこの治療法の効果をさらに検証しながら、手術に近い治療成績を目指し、どの患者が特に恩恵を受けやすいのかをより明確にしていく方針です。
日本では、食道がん患者の約90%が扁平上皮がんとされ、体力や年齢などにおいて一定の条件を満たす場合、手術による切除が標準治療とされます。
しかし、高齢者や体力が低下している患者、または何らかの理由で食道を温存したい患者には、化学療法と放射線療法の化学放射線療法と呼ばれる非手術治療が選択されることも少なくありません。
ただ、この非手術治療は再発のリスクが高く、5年生存率は約37%にとどまるなど、十分とは言えない治療成績でした。
今回の研究では、41人の食道扁平上皮がん患者を対象に、一般的に行われている化学放射線療法にオプジーボを追加した場合にどの程度、治療効果の向上が見込まれるのかを調べました。
その結果、画像検査や組織検査でもがん細胞がひとつも確認されない完全奏効となった人は、患者全体の73%(30人)となりました。
また、免疫薬では重い副作用として知られる肺炎が確認された患者は約5%(2人)と従来に比べて少なく、安全性の面でも比較的良好に推移したとしています。
この成果について、中村直也特定教授は「今回の小規模試験だけをもってこの治療法の有効性を断言することはできないが、さらなる検証が進めば、手術自体を回避・縮小しつつ、同等の治療効果を得られる可能性をもっており、手術が困難な患者の希望となるだけでなく、がんに対する免疫薬の可能性を一層高める足がかりとなる研究成果だ」と評価しています。