富士山の近くに住んでいた松五郎は、炭を焼いていました。炭を焼くと白い煙が上がりました。風がない日は、遠い京都からも見えました。
ある日、京都の皇女さまが煙を見て、占い師に聞きました。占い師は「あの煙を出している人が、皇女さまの結婚相手です」と言いました。
皇女さまは、松五郎に会いに行きました。しかし、松五郎は「明日見」という所に用事で出かけていて、会うことができませんでした。
皇女さまは、次の日も松五郎に会うことができませんでした。会った人が「明日見にござっしゃる」と言ったので、皇女さまは「明日見に来なさい」と言ったと間違えたからです。
次の日、やっと松五郎に会うことができました。皇女さまと松五郎は結婚しました。
皇女さまは病気で亡くなりました。松五郎は、皇女さまが好きだった冠を山に埋めました。春になって、山には冠の飾りのように美しい花が咲きました。