JLPT N1 – Reading Exercise 76

#303
Furigana

「どうすれば、将棋しょうぎつよくなれますか?」とは、もっともよくかれる質問しつもんである。

じつは、この質問しつもんには肝心かんじん言葉ことばかくされている。それは「努力どりょくしないで」という言葉ことばである。つまり「どうすれば努力どりょくしないで将棋しょうぎつよくなれますか」ときたいのだ。ちいさいなどもが上手じょうず将棋しょうぎせば、大人おとなは「この才能さいのうをまっすぐにばしたい」とおもうものだ。しかし、才能さいのうという言葉ことばは、あるレベルまでいってからことで、それまでは継続的けいぞくてき努力どりょくによってのみ上達じょうたつ向上こうじょうがある。どもにはまず、継続的けいぞくてき努力どりょく可能かのうにする集中力しゅうちゅうりょくやしなうことが大切たいせつなのだ。

幼児ようじ小学生しょうがくせいころどもは、好奇心こうきしん旺盛おうせいで、どんなものでもきになれば夢中むちゅうになる。しかし、うつでもある。きてしまうと、おやがいくら熱心ねっしんになってはたろうが、太鼓たいこらそうが、そっぽをいてしまう。集中力しゅうちゅうりょくいている状態じょうたい無理強むりじいしても、やわらかい頭脳ずのうには何もんではいかないだろう。

谷川たにがわ 浩司こうじ集中力しゅうちゅうりょく」による)

Vocabulary (22)
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1
「集中力を養うことが大切なのだ」とあるが、それはなぜか。
1. 集中力さえつけば、継続的に努力しなくても才能がまっすぐ伸びていくから
2. 子どもに集中力があれば、親が無理強いしたことでも子どもはそっぽを向かないから
3. 子どもの才能が開花するまでは努力が必要であるが、努力するためには集中力が重要であるから
4. 子どもはふつう集中力がないので、まず集中力を養うことによって好奇心も旺盛になると考えられるから