JLPT N1 – Reading Exercise 118

#345
Furigana

どもが自室じしつじこもるのはおやかち独立どくりつした自分じぶんだけの精神的せいしんてき世界せかいちはじめたことのあらわれだろうから、わるいとばかりはえない。どもだって、自分じぶんおや完全かんぜん管理かんりされることをいつかきらうようになるもので、もしそうならないとすれば、また「1」べつ心配しんぱいしょうじるだろう。しかし、そうはっても、これは程度ていど問題もんだいで、どもが学校がっこうからかえってからるまで、食事しょくじときのぞいてずうっと自分じぶん部屋へやにいる、というのでは、家族間かぞくかん

のコミュニケーションも稀薄きはくになる。だから、どもがある年齢ねんれいたっして自室じしつじこもりがちになることを、ひとつの成長せいちょう過程かていとしてみとめるにしても、建築的けんちくてきに「2」それ

助長じょちょうするような空間くうかんのつくりかたけるべきだろう。

そういうかんがかたにしたがうと、ども部屋べやは、あんまり居心地いごこちくないほうがよいのではないか。居心地いごこちくない、というと語弊ごへいがあるが、すくなくてもすぎないほうがいい。もっと正確せいかくえば、ある内向的ないこうてきときごすには居心地いごこちがいいが、その気持きもちがふっとそといたときには、多少たしょうづまりにかんじられて、自然しぜん部屋へやそとへ、居間いま食堂しょくどうていきたくなるような部屋へやがいい。

渡辺わたなべ武信たけのぶまいかた思想しそう中央公論社ちゅうおうこうろんしゃによる)

Vocabulary (42)
Try It Out!
1
「1」別の心配とはどのようなことか。
1. 子どもが独立心を持ちすぎて、自分だけの世界に閉じこもる心配
2. 子どもに独立心が生まれず、親に依存する子どもになる心配
3. 親が子どもに対して影響力を持たなくなる心配
4. 親が子どもに完全に支配されることになる心配
2
「2」それとは何を指すか。
1. 子どもが自分の部屋に閉じこもらないようにすること
2. 成長過程に必要なコミュニケーションをとること
3. 子どもが自分の部屋に閉じこもりがちになること
4. 家族間のコミュニケーションが生まれること
3
筆者の子ども部屋についての考えはどれか。
1. 子ども部屋は、子どもの独立心を養うためには不要である。
2. 子ども部屋は、子どもがある年齢に達するまで必要である。
3. 子ども部屋は、子どもが管理されすぎない設計がいい。
4. 子ども部屋は、子どもにとって快適すぎない設計がいい。