JLPT N2 – Reading Exercise 39

#172

Furigana

以下いかは、目標もくひょうに向むかう姿勢しせいについて、ある将棋しょうぎの{プロ}が書かいた文章ぶんしょうである。

勝かった将棋しょうぎと負まけた将棋しょうぎ。どちらかがより忘わすれられないかと問とわれれば……どちらもあまり覚おぼえていない。勝かった喜よろこび、負まけた悔くやしさともに体内たいないに残のこらない。必要ひつようでないと感かんじられることはどんどん忘わすれていってしまう性質せいしつなのだ。{もちろん}、何年なんねんの誰だれとの将棋しょうぎについて語かたらなければならないということがあれば、記憶きおくの糸口いとぐちさえ見みつかれば、いつか対戦たいせんしたそのとき手順てじゅんをスラ

スラと思おもい出だすことができる。しかし、通常つうじょうはそんなことはしない。それを思おもい返かえしたところで、先さきへとつながるものだとは思おもえないからだ。必要ひつようなのは、前まえに進すすんでいくこと、そのための歩あゆみを刻きざんでいくことだ。これからの道みちのりも長ながい。それを進すすんでいくために必要ひつようとされるのは、マラソン選手せんしゅのような意識いしきとでもいうのだろうか。一気にダッシュするのではなく、瞬間的しゅんかんてきに最高さいこう{スピード}を出だそうとするのでもなく、正確せいかくにラップを刻きざんでいくことだ。１いち{キロ}を４よん分ふんで走はしるとしたら、次つぎの１いち{キロ}も、そのまた次つぎの１いち{キロ}も……と、同おなじようにラップを刻きざむこと。それを意識的いしきてきに続つづけていくことだ。

それには、「長ながい距離きょりをずっと走はしり続つづけねばならない」と考かんがえるのではなく、すぐそこの、あの角かどまでを目標もくひょうに、そこまではとりあえず走はしってみようといった小ちいさな目標もくひょうを定さだめながら走はしるのがいいと思おもう。

ゴールまであとあと２００にひゃく{キロ}あると言いわれたら、たいていの人ひとはイヤになる。走はしるのをやめてしまうだろう。しかし、あとあと１いち{キロ}だけ、あとあと１いち{キロ}走はしれば……と思おもえば続つづけられる。この１いち{キロ}、今度こんどの１いち{キロ}……と繰くり返かえすうちに気きがついたら２００にひゃく{キロ}になっていることもあるだろう。そうなっていることを目指めざしたい。歩あるけない距離きょりは走はしれない、という話はなしを聞きいたこともある。なるほど、たしかにそうだと思おもった。歩あるけるかどうかは、{スピード}とか記録きろくとかの前まえにベースとなる最低限さいていげんの保証ほしょうだ。まずはその距離きょりを歩あるいてみる。そこで無理むりだと思おもうなら、走はしるなど到底とうていできないことだ。他ほかの誰だれかが隣となりを駆かけ抜ぬけていったとしても、自分じぶんには無理むりなことなのだ。だから、まずは歩あるいてみる。そして、歩あるけそうならば走はしってみる。急いそぐ必要ひつようはない。同おなじペースでラップを刻きざみながら行いけばいい。それは、無理むりをしないことだ。自然しぜんにできることを続つづけていくという健全けんぜんさなのだ。

（羽生はぶ善治よしはる『直感力ちょっかんりょく』による）

ラップを刻きざむ：ここでは、一定いっていの距離きょりを同おなじ{スピード}で走はしる

Vocabulary (39)

Romaji

勝つ

katsu

thắng

将棋

shogi

cờ shogi

負ける

makeru

thua

喜び

yorokobi

niềm vui

悔しさ

kuyashisa

sự tiếc nuối

体内

tainai

trong cơ thể

必要

hitsuyou

cần thiết

感じる

kanjiru

cảm thấy

忘れる

wasureru

quên

性質

seishitsu

tính chất

記憶

kioku

ký ức

糸口

itoguchi

manh mối

思い出す

omoidasu

nhớ lại

通常

tsuujou

thông thường

進む

susumu

tiến lên

歩み

ayumi

bước đi

刻む

kizamu

ghi dấu

道のり

michinori

con đường

必要とする

hitsuyou to suru

cần

意識

ishiki

ý thức

瞬間

shunkan

chốc lát

最高

saikou

tối đa

スピード

supiido

tốc độ

続ける

tsuzukeru

tiếp tục

距離

kyori

khoảng cách

走る

hashiru

chạy

目標

mokuhyou

mục tiêu

定める

sadameru

đặt ra

続けられる

tsuzukerareru

có thể tiếp tục

繰り返す

kurikaesu

lặp lại

目指す

mezasu

hướng tới

歩ける

arukeru

có thể đi bộ

話

hanashi

câu chuyện

聞く

kiku

nghe

保証

hoshou

bảo đảm

基礎

kiso

cơ sở

無理

muri

quá sức

自然

shizen

tự nhiên

健全

kenzen

lành mạnh

Try It Out!

Romaji

過去の対戦に対して、筆者はどのような態度をとっているか。

1. 思い返して次につなげる。

2. 負けた対戦は思い返さない。

3. 役に立つ対戦だけを思い返す。

4. 必要がなければ思い返さない。

Đối với các trận đấu trong quá khứ, tác giả có thái độ như thế nào? 1. Nhớ lại để kết nối với lần sau. 2. Không nhớ lại trận thua. 3. Chỉ nhớ lại những trận có ích. 4. Không nhớ lại nếu không cần thiết.

「長い距離をずっと走り続けねばならない」と考えるのではなくとあるが、その理由は何か。

1. 走ることが楽しく感じられるから

2. ゴールまで走り続けやすくなるから

3. 走っているときの不安がなくなるから

4. 同じペースで走り続けることができるから

Có câu "không nên nghĩ rằng phải chạy liên tục một quãng đường dài", lý do là gì? 1. Vì cảm thấy vui khi chạy. 2. Vì dễ dàng chạy liên tục đến đích. 3. Vì không còn lo lắng khi đang chạy. 4. Vì có thể chạy liên tục với cùng tốc độ.

この文章で筆者が最も言いたいことは何か。

1. できる範囲のことを続け、前に進んでいくことが大切だ。

2. できないことでも、必死に頑張ればいつか達成できる。

3. 目標は小さくても、それを見つけることで前進できる。

4. 目標を立てる前に、自身の能力を知ることが重要だ。

Điều mà tác giả muốn nói nhất trong đoạn văn này là gì? 1. Tiếp tục làm những điều trong khả năng và tiến về phía trước là quan trọng. 2. Dù không thể làm được, nếu cố gắng hết sức thì sẽ đạt được. 3. Dù mục tiêu nhỏ, nhưng tìm thấy nó sẽ giúp tiến lên. 4. Trước khi đặt mục tiêu, việc biết khả năng của bản thân là quan trọng.

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