昔、ある村に「千枚田」という田んぼがありました。そのまん中に四角い田んぼがあり、その前に庄蔵という人が住んでいました。庄蔵の家の横には小さな塚があったので、みんなはその場所を「横塚」と呼びました。
村には、「横塚には大判や小判が埋まっている」という噂がありました。でも、横塚を掘るためには庄蔵の家の前を通らなければならず、村人は近づくことができませんでした。
ある日、村人が畑から帰るとき、庄蔵が小判を磨いているのを見ました。その夜、村人たちは集まって、どうやって横塚の小判を掘るか考えました。「家の前を通れないなら、地下から掘ろう」と言いました。
次の日、村人たちは地下からや空から掘ろうとしましたが、うまくいきませんでした。それを見た庄蔵は、「そんなことをしなくても、家の前を通ればいいのに」と言いました。村人たちは家の前を通って横塚を掘り始めました。
すると、瓶に入ったたくさんの小判を見つけました。村人たちはそれを持って町に行きましたが、店の人に「これは偽物ですよ」と言われました。実は、庄蔵は前に塚を掘って、偽物の小判を埋めていたのです。
庄蔵も本物の小判を見たことがありませんでした。結局、庄蔵もその小判を使わずに亡くなりました。今でも村では、横塚の下に小判があると言われています。