むかしむかし、ある村にとても欲ばりでけちな長者がいました。
朝ご飯のとき、うめぼしを見てよだれをおかずにするほどでした。
その村には、うそをつくのがとても上手な男もいました。ある日、この男は馬を連れて長者の家に行きました。男はお金を馬のふんの中に入れて、「この馬は金のふんをします」とうそをついて、馬を高く売りました。
半年後、男はまた長者のところに来て、「まきがなくてもご飯がたけるなべです」とうそをついて、なべを売りました。長者はだまされて、とても怒りました。そこで、長者は男をつかまえて、たるの中に入れて、海にすてようとしました。
でも、長者は男がかわいそうだと思い、お寺に行っておいのりをすることにしました。その間に、男は通りかかったいわし売りをだまして、たるの中の人と入れかわりました。
長者はそのまま、たるを海にすてましたが、家に帰ると、男が何もなかったように門の前にいました。男は「浅い海ではいわししかとれません。もっと深いところなら、たいもひらめもとれますよ」と言いました。
長者はたいとひらめがほしくなり、自分でたるに入り、家来に深い海にすてさせました。