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古代こだいエジプトのピラミッド建設けんせつと水圧すいあつリフト仮説かせつ
古代こだいエジプトのピラミッド建設けんせつと水圧すいあつリフト仮説かせつ

古代エジプトの巨大な建造物であるピラミッドがいかにして築かれたのか、この謎に挑むエジプト学者たちは、4000年以上たった今なお、その真相に迫るために激しい議論を続けている。

最新の研究によれば、ピラミッド建設には、水圧リフトという装置が使用された可能性が指摘されている。

この仮説は、エンジニアと地質学者からなる研究チームによって提唱されたものであり、ため池の水を利用して浮力を起こし、重い石を宙に浮かせて積み上げていったというものだ。

紀元前27世紀ごろ、ジェセル王のために建設された階段ピラミッドは、当時最も高い構造物であり、その高さは62メートルにも及ぶ。

しかし、どのようにして数百キロの重石を積み上げたのか、その方法は長らく謎とされてきた。

2024年8月に米科学誌プロスワンに掲載された研究論文によると、階段ピラミッドには複雑な水処理システムが組み込まれていた可能性があるとされる。

このシステムにより垂直シャフトが水力エレベーターとして機能し、浮力によって石を持ち上げることができたのではないかという。

研究チームは、古気候学や考古学的データを用いて、当時のサッカラ台地周辺には小川が流れ込み、階段ピラミッドを囲む堀やトンネルに水が貯められていたと考察している。

また、過去の研究によれば、サハラ砂漠が現在ほど乾燥していなかった時代には比較的雨が多かったことがわかっている。

そのため、サハラが砂漠化する以前は、もっと湿潤な環境が存在していた可能性が高い。

しかし、ピラミッド建設当時の雨量が十分であったのかについては、研究者の間で意見が分かれている。

階段ピラミッドを囲む巨大な水路「乾いた堀」に水が貯められていたとするなら、その水量は相当なものでなければならない。

ケンブリッジ大学のバンバリー博士は、洪水や鉄砲水が一時的に大量の水を供給した可能性に言及しているものの、こうした現象が恒常的に起きていたわけではないと指摘する。

同様に、ワルシャワの考古学研究所所長ウェルク氏も、当時の降雨量はそれほど多くなかったとの見解を示している。

研究論文の執筆者たちも、この水圧リフトシステムが常時稼働していたとは考えにくいとしている。

その一方で、洪水の発生時にはピラミッド建設に十分な水を得られたのではないかと推測しているが、それを証明するにはさらなる調査が必要である。

こうした議論は、古代エジプト文明の高度な技術を再評価する契機にもなっている。

ピラミッド建設に関する解釈は今後も更新され続けるだろうが、人類史に残る建築の偉業を支えた知恵と工夫には、改めて感嘆せざるを得ない。