昔の日本には、鏡がありませんでした。鏡のない村で起こった話です。
太郎作さんは、亡くなったお父さんに会いたいと思っていました。お殿様は、太郎作さんに鏡をプレゼントしました。鏡を見た太郎作さんは、鏡に映った自分の顔が、お父さんに似ていると思いました。太郎作さんは、鏡を家の倉庫に隠して、いつもこっそり見ていました。
ある日、奥さんが倉庫で鏡を見つけました。鏡を見ると、女の人がいました。奥さんは、太郎作さんが倉庫に女の人を隠していると思って、怒りました。
太郎作さんと奥さんがけんかをしていると、尼さんが来ました。尼さんが鏡を見ると、尼さんの顔が映りました。尼さんは「中には女の人がいるけれど、尼になっているから、心配しなくていい」と言いました。
この村の人たちは、鏡を知りませんでした。