JLPT N2 – Reading Exercise 51
人が寒さを感じたり、強い感情を持ったときに「鳥肌」が立つことがある。この現象を知らない人はいないだろう。私はこれまで、鳥肌は単に体が冷えたときや驚いたときに起こる偶然の反応で、特に意味はないと思っていた。しかし、「1」そうではないという記事を読んだ。鳥肌には進化的な役割があるというのだ。
この記事は、ある研究の結果をもとに書かれていた。「2」実験は次のように行われた。被験者に冷たい空気を当てたり、恐怖を感じる映像を見せたりして、鳥肌が立つかどうかを観察する。また、動物の皮膚の反応とも比較した。その結果、鳥肌は、かつて人間の祖先が体毛を逆立てることで体温を保ったり、敵を威嚇(いかく)したりするための仕組みだったことが分かった。現代人には目立った体毛はないが、その名残(なごり)として鳥肌が起こるのである。
さらに、鳥肌の有無によって寒さへの耐性や感情の表現に違いがあるかも調べられたが、現代では大きな差は見られなかった。以上のことから、研究者は、鳥肌は進化の過程で残った反応であり、今でも体の仕組みの一部として働いている可能性があると述べている。
しかし、本当にそうだろうか。もし体温保持や威嚇のためなら、もっと頻繁に鳥肌が立つはずではないだろうか。鳥肌の役割を知るためには、これからの研究を待つ必要がある。
(注1)鳥肌(とりはだ):寒さや強い感情で皮膚に小さなふくらみができる現象
(注2)威嚇(いかく):相手をおどしておそれさせること
(注3)名残(なごり):昔のものが今も少し残っていること