JLPT N2 – Reading Exercise 87
仕事をしていると、上司や先輩から「これをやっておいて」と指示されることが多い。しかし、そのときに「なぜこの作業が必要なのか」と考える人と、何も考えずにただ言われた通りに動く人がいる。「なぜ?」という問いは、子どものころから自然に持つものだと思われがちだが、実際には大人になるにつれて、その問いを持たなくなる人も少なくない。
(中略)
「なぜ?」と考えることは、単なる疑問ではなく、よりよい方法を探す第一歩である。何も疑問を持たずに作業を続けていると、効率の悪いやり方や、意味のない手順にも気づかずに過ごしてしまう。逆に、「どうしてこの方法なのか」「もっと良い方法はないのか」と考えることで、仕事の質を高めたり、新しいアイデアを生み出したりすることができる。
私自身も、若いころは指示通りに動くだけの社員だった。しかし、あるとき「このやり方は本当に正しいのか?」と疑問を持ち、上司に理由を尋ねてみた。すると、上司も「実は昔からのやり方で、特に理由はない」と答えた。そこから、みんなで新しい方法を考え始め、仕事が大きく改善された経験がある。
「なぜ?」と考えることは、単なる反抗ではない。むしろ、自分の頭で考え、納得し、より良い結果を目指す姿勢である。すべてを当たり前だと思って受け入れているうちは、成長はない。「なぜ?」と問い続け、自分なりに考え抜くことこそが、社会人としての成長の始まりなのだ。
(注)考え抜く:徹底的に考えること