日本新聞: ウクライナダム決壊約90キロ離れた地域まで浸水被害か

ウクライナダム決壊けっかい約やく90キロ離はなれた地域ちいきまで浸水しんすい被害ひがいか

Jun 10, 2023 15:06

Furigana

ウクライナ南部なんぶで起おきたダムの決壊けっかいによる洪水こうずいの被害ひがいや影響えいきょうについて、東京とうきょう大学だいがくの研究けんきゅう者しゃが衛星えいせい画像がぞうで分析ぶんせきしたところ、浸水しんすい被害ひがいはおよそ90キロ離はなれた地域ちいきまで広ひろがっていることが分わかりました。

ウクライナ南部なんぶのヘルソン州しゅうでは6日にち、ドニプロ川がわにあるカホウカ水力すいりょく発電はつでん所しょのダムが決壊けっかいして大だい規模きぼな洪水こうずいが発生はっせいしました。

衛星えいせい画像がぞうなどを使つかってウクライナの情勢じょうせいを分析ぶんせきしている東京とうきょう大学だいがく大学院だいがくいんの渡邉わたなべ英徳ひでのり教授きょうじゅが、8日にちまでに撮影さつえいされた衛星えいせい画像がぞうを確認かくにんしたところ、浸水しんすい被害ひがいはダムからおよそ90キロ離はなれたドニプロ川がわの河口かこう付近ふきんにまで広ひろがっていることが分わかりました。

ダムの下流かりゅうの沿岸えんがん部ぶでは、集落しゅうらくや集合しゅうごう住宅じゅうたくが建ち並たちならぶ地域ちいきなどが広ひろい範囲はんいで水没すいぼつし、時間じかんの経過けいかとともに水みずの色いろが濃こくなっていて、深ふかさが増ましていることが確認かくにんできます。

また、ダムの貯水池ちょすいちは水みずが干上ひあがって底そこの一部いちぶが見みえる状況じょうきょうとなり、水位すいいが急激きゅうげきに低下ていかしていることが分わかります。

さらにダムの上流じょうりゅうに位置いちし、ザポリージャ原子力げんしりょく発電はつでん所しょに冷却れいきゃく水すいを供給きょうきゅうする貯水池ちょすいちの衛星えいせい画像がぞうを見みると、決壊けっかいする前まえと比くらべて貯水池ちょすいちの内側うちがわや周辺しゅうへんで陸地りくちの部分ぶぶんが増ふえており、水位すいいが下さがっていることがうかがえます。

渡邉わたなべ教授きょうじゅは「ダムの下流かりゅう側がわではたくさんの集落しゅうらくや市街しがいが水没すいぼつし、救助きゅうじょや町まちの復興ふっこうが非常ひじょうに難むずかしい状況じょうきょうにある。ザポリージャ原発げんぱつでは、冷却れいきゃくするための水みずが枯渇こかつする危険きけん性せいが高たかまっている。国家こっかや地球ちきゅう規模きぼでリスクが高たかまっている状態じょうたいになっているので、一刻いっこくも早はやく戦争せんそうの終結しゅうけつが求もとめられる」と指摘してきしています。