それによりますと
▼イギリスで最初に確認された変異ウイルスは「アルファ」、
▼南アフリカで確認されたものは 「ベータ」、
▼ブラジルで広がったものは「ガンマ」、
そして
▼インドで確認されたもののうち、最も拡大しているものは「デルタ」となっています。
WHOによりますと、このうち、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の報告があった国や地域は、今月8日の時点で74と、前の週に比べて12増えました。
前の1週間に確認された人数を10人上回っています。
都の「健康安全研究センター」は、今月6日までの1週間で新規陽性者の一部から抽出した検体を調べるスクリーニング検査で、合わせて38件の検体を分析しました。 その結果、31.6%にあたる12件で、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」が検出されたということです。 12件のうち11件は、8日から確認されている中学校で起きたクラスターです。中学生やその家族の感染が相次いで確認されています。 このほか、50%にあたる19件は、イギリスで見つかった変異ウイルス「アルファ株」が、また、残りの7件は従来のウイルスがそれぞれ検出されたということです。
また、都は都内でのウイルスが、「アルファ株」にほぼ置き換わったとして、「アルファ株」かどうかを調べていたスクリーニング検査を「デルタ株」へ切り替える方針を明らかにしました。
北海道大学の伊藤公人教授と京都大学の西浦博教授らのグループが行った分析の結果が9日の厚生労働省の専門家会議で示されました。 グループでは新型コロナウイルスの国際的なデータベースを使って、日本国内から登録された変異ウイルスの数の変化を分析。その結果、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の国内での感染力は、従来のウイルスと比べて「1.78倍」になるおそれがあることが分かったということです。 また、これまでのデータからの試算ではあるものの、この変異ウイルスが日本国内で新型コロナウイルス全体に占める割合は、来月中旬には全体の半数を超えるという予測になったということです。
▼発症を防ぐ効果が下がる影響は、 ファイザーのワクチンとアストラゼネカのワクチンでは「ほとんどない」としているほか、 ▼ウイルスの働きを抑える中和抗体の量についても、 ファイザーのワクチンとモデルナのワクチンでは一定程度下がるものの、十分な量があるとしています。
イギリスで確認された変異ウイルス「アルファ株」に対して ▽ファイザーのワクチンを2回接種したあとでは93%、 ▽アストラゼネカのワクチンを2回接種したあとでは66% だったのに対して、 インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」に対しては、 ▽ファイザーのワクチンは88% ▽アストラゼネカのワクチンは60%で、 「2回の接種で十分な効果が得られる」としています。
東京都の検査「デルタ株」3割余
感染力は従来のウイルスの1.78倍
“一気に医療提供体制ひっ迫も”
ワクチンは効くのか