ディカプリオ氏、映画館文化の存続に対する未曾有の危機感を表明――ストリーミング時代の映画業界をめぐって
レオナルド・ディカプリオ氏は、映画館で映画を鑑賞するという体験の未来について、これまで以上に深刻な危機に直面しているとの強い懸念を示した。
ストリーミングサービスの急速な普及を背景に、映画業界の構造そのものが大きく変化しつつあり、劇場が抱える課題は過去に例を見ないほど深刻化しているという認識を明らかにしている。
米デッドライン誌の取材において、ディカプリオ氏は「今年は映画史における極めて重要な転換期であるように感じる」と述べるとともに、観客を再び劇場に呼び戻すことが一層困難になっている現状を指摘した。
その一方で、昨年話題となった「バービー×オッペンハイマー現象」に代表されるように、劇場が盛り上がる瞬間が依然として存在することも認めている。しかしながら、オリジナル作品や独自性の高い物語が、今後ストリーミング配信に押しやられてしまう可能性について、強い危機感を表明した。
さらに、今後の劇場公開作品は最新技術を駆使した大作が中心となり、独創的な作品がスクリーンから姿を消すのではないかという懸念も示している。ディカプリオ氏は「そのような未来にはなってほしくない」と語り、オリジナル作品が映画館で上映され続けることの重要性を訴えた。
もっとも、映画を取り巻く環境が大きく変容しつつあるのは否定できず、「潮目が変わっている今、これからは観客が『劇場で観る価値がある』と感じるほど独自性に富んだ作品でなければ、映画館に足を運んでもらうことは難しくなるだろう」との見解を示した。ディカプリオ氏の発言は、映画館文化の存続に対する切実な問題提起であり、業界全体が今後どのように対応していくのかが問われている。