馬場医師がこれまでに対応した1009人の症状などを分析したところ、最も多かった症状は、「けん怠感とだるさ」で、オミクロン株に感染した患者の半数以上が訴えていました。
一方、後遺症が出てから回復までの期間はオミクロン株の患者の場合、半数以上が「5か月以上」で、中には1年以上、苦しむ人もいました。 乗り物に酔うようになったり物忘れなど記憶の障害に悩むなど日常生活に影響が出るケースも少なくないということです。 また馬場医師は、「後遺症があることが新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの大きな違いだ」と指摘していますが、人によってさまざまな症状がある一方でそうした実情が広く知られておらず、周囲に理解されずに苦しむ患者も少なくないということです。
5類への移行後は感染対策は個人の判断に委ねられますが、ウイルスの性質が変わっていないことや、流行は今後も続くと見込まれることから、厚生労働省は後遺症への対応を強化する方針です。 具体的には、全国各地で後遺症の診療にあたる医療機関のリストを今週中にもとりまとめて厚生労働省のホームページなどで見ることができるようにするほか、後遺症の患者を診療した医療機関に支払われる診療報酬を5月8日から加算することにしています。 また、新型コロナの後遺症については原因や治療法などわかっていないことも多いため、国内外の最新の研究成果が診療に反映されるよう、医療機関向けに随時、情報を提供していく方針です。
▽疲労感・倦怠感、▽関節痛、▽筋肉痛、▽せき、▽たん、▽息切れ、▽胸の痛み、▽脱毛、▽記憶障害、▽集中力低下、▽頭痛、▽抑うつ、▽嗅覚障害、▽味覚障害、▽どうき、▽下痢、▽腹痛、▽睡眠障害、▽筋力低下。 後遺症については原因などわかっていないことが多く、国内外で調査や研究が続けられています。
患者を受け入れる病院での一般の医療との両立です。 5類への移行後、厚生労働省はコロナ患者を受け入れる「コロナ病床」を段階的に廃止しながらすべての病院で入院患者を受け入れる体制を目指しているからです。
しかし、医師や看護師が専用病棟に集中しほかの病棟でコロナ以外の患者の入院を断るなどの影響があったことや、オミクロン株では重症度が低下した一方で、入院中の高齢の患者が基礎疾患を悪化させるなどして亡くなるケースが多かっため、去年3月に、専用の病棟を廃止しました。 その後は、一般の医療と両立するため、腎臓内科や循環器内科などの病棟ごとにコロナ患者も受け入れられる病室を整備し、それぞれの専門医が診療にあたる体制をとっています。 この結果、コロナ以外の患者の入院を断るケースは少なくなったといいます。
厚労省 「後遺症」対応強化へ
新型コロナの後遺症の代表的な症状
5類移行後の別の課題 一般医療との両立
かかりつけ医など地域の医療機関で診療する体制を整備することなどがねらいです。
一方、患者を受け入れている医療機関では、後遺症に悩む人たちへの家族や周囲の理解と支援が大切だと指摘しています。
「後遺症」 周囲に理解されずに…