避難ひなん準備じゅんび情報じょうほうを「避難ひなん準備じゅんび高齢こうれいしゃとう避難ひなん開始かいし」に変更へんこう

Easy Japanese news
Dec 26, 2016 16:12
Furigana
日本報紙
ことし8月はちがつ台風たいふういちぜろごうによる大雨おおあめで、災害さいがいじゃくしゃ避難ひなんびかける「避難ひなん準備じゅんび情報じょうほう」の意味いみまさしくつたわらなかったことをけて、くには、「避難ひなん準備じゅんび情報じょうほう」の名称めいしょうを「避難ひなん準備じゅんび高齢こうれいしゃとう避難ひなん開始かいし」に変更へんこうすることなどをめました。ことし8月はちがつ台風たいふういちぜろごうによる大雨おおあめで、岩手いわてけん岩泉いわいずみまちでは、高齢こうれいしゃなどに避難ひなんびかける「避難ひなん準備じゅんび情報じょうほう」がまちから発表はっぴょうされていましたが、情報じょうほう意味いみまさしくつたわらず、高齢こうれいしゃグループホームで避難ひなんおこなわれないなかかわ氾濫はんらんし、入所にゅうしょしていたお年寄としよきゅうにん死亡しぼうしました。

これをけてくにろくにち高齢こうれいしゃ障害しょうがいしゃなどが避難ひなん開始かいしするタイミングであることを強調きょうちょうするため、「避難ひなん準備じゅんび情報じょうほう」を「避難ひなん準備じゅんび高齢こうれいしゃとう避難ひなん開始かいし」に変更へんこうしました。また、ただちに避難ひなんするよう自治体じちたい指示しじする「避難ひなん指示しじ」については、「避難ひなん指示しじ緊急きんきゅう)」に変更へんこうしました。自治体じちたいが、すみやかに避難ひなんするよううながす「避難ひなん勧告かんこく」に変更へんこうはありません。

避難ひなんに関にかんする情報じょうほう在り方ありかた議論ぎろんしてきたくに検討けんとうかいでは、これまで名称めいしょう変更へんこうについて積極せっきょくてき意見いけんすくなく、ろくにちにまとめられた提言ていげんでは、もし名称めいしょう変更へんこうする場合ばあいには実務じつむめんでの運用うんよう考慮こうりょし、できるだけみじかくすることや、避難ひなん準備じゅんび単語たんごのこすべきなどしていました。

あらたな名称めいしょうは、ろくにち全国ぜんこく都道とどう府県ふけん通知つうちされ、今後こんご自治体じちたい発表はっぴょうする情報じょうほうとして使つかわれることになります。記者きしゃ会見かいけんした松本まつもと防災ぼうさい担当たんとう大臣だいじんは、「高齢こうれいしゃなどが避難ひなん開始かいしする段階だんかいであることを明確めいかくにするため変更へんこうめた。来年らいねん出水しゅっすいまでに浸透しんとうするよう周知しゅうちはかりたい」とはなしています。

名称めいしょう変更へんこうう余曲折うよきょくせつ

避難ひなん準備じゅんび情報じょうほう」をめぐっては、これまでも高齢こうれいしゃ障害しょうがいしゃなどの災害さいがいじゃくしゃだけでなく、一般いっぱん住民じゅうみんけた情報じょうほうでもあることを強調きょうちょうすべきだとして、名称めいしょう検討けんとうおこなわれてきました。

避難ひなん準備じゅんび情報じょうほう」は、平成へいせいいちろくねん各地かくち相次あいついだごうによって、おおくの高齢こうれいしゃなどの避難ひなんおくれて犠牲ぎせいになったことから、専門せんもんによるくに検討けんとうかい議論ぎろんけて、翌年よくねん導入どうにゅうされました。当初とうしょは「よう援護えんごしゃ避難ひなん勧告かんこく」という名称めいしょう検討けんとうされましたが、くに検討けんとうかいでは、高齢こうれいしゃ障害しょうがいしゃなどの災害さいがいじゃくしゃ避難ひなん行動こうどう開始かいしと、一般いっぱん住民じゅうみん避難ひなん準備じゅんび開始かいしするというふたつの意味いみがあるとして、「避難ひなん準備じゅんびよう援護えんごしゃ避難ひなん情報じょうほう」という名称めいしょうになりました。

その後そのご大雨おおあめによる土砂どしゃ災害さいがいなどのさい情報じょうほう発表はっぴょうされないケースが相次あいつぎ、「よう援護えんごしゃ避難ひなん」という名称めいしょうが、災害さいがいじゃくしゃのためだけの情報じょうほうという誤解ごかいあたえ、自治体じちたい発表はっぴょうしない原因げんいんとなっているという専門せんもんからの指摘してきけて、おととし(平成へいせいろくねん)、名称めいしょうから「よう援護えんごしゃ避難ひなん」が削除さくじょされ、現在げんざいの「避難ひなん準備じゅんび情報じょうほう」になりました。

さらに、おととし8月はちがつ広島ひろしま土砂どしゃ災害さいがいけてひらかれた専門せんもんによる検討けんとうかいでは、「避難ひなん準備じゅんび情報じょうほう」が一般いっぱん住民じゅうみんに対にたいしても避難ひなん準備じゅんびうなが情報じょうほうであることや、土砂どしゃ災害さいがい危険きけんせいたか地域ちいき住民じゅうみん自発じはつてき避難ひなんうなが情報じょうほうであることを強調きょうちょうすべきだと指摘してきされ、内閣ないかく自治体じちたいけのガイドラインにもその内容ないよう明記めいきしました。

台風たいふういちぜろごう被害ひがいなどをけて、避難ひなん情報じょうほう在り方ありかた議論ぎろんしてきたくに検討けんとうかいでは、名称めいしょうについても議論ぎろんおこなわれ、内容ないようがわかりにくいめんがあるという指摘してきがある一方いっぽうで、「避難ひなん準備じゅんび情報じょうほう高齢こうれいしゃだけに限定げんていするのは違和感いわかんがある」といった意見いけんや「名称めいしょう変更へんこうだけでは本質ほんしつてき問題もんだい解決かいけつにつながらない」などの意見いけんて、名称めいしょう変更へんこう積極せっきょくてき意見いけんすくないのが現状げんじょうでした。

そのうえで、ろくにちにまとめられた提言ていげんでは、もし名称めいしょう変更へんこうする場合ばあいには実務じつむめんでの運用うんよう考慮こうりょし、名称めいしょうはできるだけみじかくすることや、「避難ひなん準備じゅんび」の単語たんごのこすべきなどしていました。

検討けんとうかい座長ざちょうつとめる東京とうきょう大学だいがく大学院だいがくいん田中たなかあつし教授きょうじゅは、「直前ちょくぜん災害さいがい引っ張ひっぱられて名称めいしょう変更へんこうするのは、継続けいぞくせいという観点かんてんからはこのましくないが、『避難ひなん準備じゅんび』という言葉ことばのこったてんはよかった。場所ばしょによって危険きけんせいちがいがあることなどもふくめたよい表現ひょうげんがないのが現状げんじょうで、そうしたなかでは、今回こんかい変更へんこうした名称めいしょう最善さいぜんのものとはえないが、ひとつの有力ゆうりょくこたえだとおもう」とはなしています。

NHKえぬえいちけいではどうつたえるか

今回こんかい名称めいしょう変更へんこうともなって、NHKえぬえいちけいでは「避難ひなん準備じゅんび高齢こうれいしゃとう避難ひなん開始かいし」について、自治体じちたいなどがこの情報じょうほう発表はっぴょうしたさいには「避難ひなん準備じゅんび情報じょうほうして高齢こうれいしゃからだ不自由ふじゆうひとなどに避難ひなんはじめるようびかけています」などとつたえます。

また、「避難ひなん指示しじ緊急きんきゅう)」については、「自治体じちたい避難ひなん指示しじしてただちに避難ひなんするよう指示しじしています」などとつたえます。

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