アメリカのマティス
国防長官は
韓国のハン・ミング(
韓民求)
国防相と
会談し、
核とミサイルの開発を
進める
北朝鮮について、「あらゆる
攻撃は
撃退され、いかなる
核兵器の
使用も
圧倒的な
反撃にあうことになるだろう」と
述べて
強く
けん制しました。
初めての
外国訪問として
韓国を
訪れているアメリカのマティス
国防長官は、
3日午前、
韓国国防省でハン・ミング
国防相と
会談しました。
会談の冒頭、マティス長官は、「アメリカと同盟国に対するあらゆる攻撃は撃退され、いかなる核兵器の使用も圧倒的で実戦的な反撃に遭うことになるだろう」と述べて、核とミサイルの開発を進める北朝鮮を強くけん制しました。また、ハン国防相は「きょうの会談自体が北に対する最も強力な警告になる」と述べました。
韓国側の発表によりますと、会談でマティス長官はアメリカが核の傘を含むあらゆる抑止力で韓国の防衛に役割を果たすことを改めて確認したということです。そのうえで、双方は両国間の同盟関係を発展させ連携を強化していくとして、アメリカ軍の最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」の韓国への年内の配備を予定どおり進めることで一致したということです。
マティス長官は、3日午後、日本を訪れ、安倍総理大臣を表敬するほか、4日には稲田防衛大臣との初めての日米防衛相会談に臨み、核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮や、海洋進出の動きを強める中国への対応など、安全保障上の課題について意見を交わしたいとしています。
北朝鮮は米韓合同軍事演習中止を要求
アメリカと韓国の国防相会談を前に、北朝鮮は3日、国営メディアを通じて米韓の定例の合同軍事演習を中止するよう要求し、けん制しました。
これは、朝鮮労働党の機関紙、労働新聞などが「朝鮮平和擁護全国民族委員会」という団体の報道官談話として伝えたものです。この中で、アメリカのマティス国防長官が韓国を訪問していることに触れたうえで、最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」の韓国配備について、「朝鮮半島情勢を核戦争の瀬戸際に追いやっている」と非難しました。
そのうえで、アメリカと韓国に対し、定例の合同軍事演習を中止するように要求し、「演習を中止しないかぎり、核強国、軍事大国としてすべての行動措置を多段階にわたって見せつけ、核武力を中心とする自衛的国防力と先制攻撃能力をさらに強化していく」として米韓両国をけん制しました。
中国はTHAAD配備に改めて反対
アメリカのマティス国防長官と韓国のハン・ミング国防相との会談で、最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」の韓国への配備を予定どおり進めることで一致したことについて、中国外務省の陸慷報道官は3日の記者会見で、「この措置が、朝鮮半島の核問題の解決や、半島の平和や安定に役立つとは思えない。配備に向けたプロセスを停止し誤った道をさらに歩み続けないよう求める」と述べ、「THAAD」の配備に、改めて反対しました。
中国政府としては、「THAAD」の高性能レーダーが、北朝鮮にとどまらず中国軍の動向の監視にも使われるおそれがあるとして警戒を強めており、陸報道官は「『THAAD』の配備は、中国を含めた国々の戦略的な安全上の利益を損なうだろう」と強調しています。