
ベトナムからアメリカに帰国する途中、日本に立ち寄って観光するという女性は「個人で観光で入国できなかった期間はとても長く感じる。渋谷のスクランブル交差点に行って寿司やラーメンを食べたい」と話していました。
アメリカ、韓国、イギリスなど68の国や地域から観光などで訪れる短期滞在者のビザを免除する措置が再開されるほか、地方の空港や港でも順次、国際線の受け入れが再開される見通しです。 またすべての入国者に対し、発熱など感染が疑われる症状がなければ入国時の検査は行わず、入国後の自宅などでの待機も求めないことになります。 ただ、3回のワクチン接種を済ませたことの証明書か滞在先の出発前72時間以内に受けた検査の陰性証明の提示を求める措置は今後も継続されます。
一方、国内の観光需要の喚起策として、政府が新たに全国を対象に導入する「全国旅行支援」やスポーツ観戦や映画などのチケット価格を割り引く「イベント割」も始まりました。 このうち「全国旅行支援」は東京都では準備などで9日遅れて今月20日からの開始となります。 岸田総理大臣は先週の所信表明演説で、円安なども背景にコロナ禍前を上回る額の年間5兆円を超えるインバウンドの消費額達成を目指す考えを示していて、今後はそれに向けた取り組みも課題となります。
ベトナムから来た35歳のイギリス人の男性は「ずっと日本に来たいと思っていて、この2年間で願いがかなうのが遅くなったが、ようやく来ることができました。大阪と京都に1週間滞在し、ラーメンや刺身など本当の日本食を食べるのが楽しみです」と話していました。 韓国から来た24歳の女性は「ビザがいらなくなったのできょう来ました。5日間滞在し、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ったり、すしやすき焼きを食べるのが楽しみです」と話していました。
台湾の桃園国際空港では11日の早朝から早くも日本に行こうという多くの旅行客がチェックインカウンターに長い列を作っていました。
母親や女性の友人とともに大阪へ向かう30代の男性は「とてもうれしいです。水際対策緩和が発表され、すぐに航空券を買いました。何年も台湾から出ることができなかったので、母親と一緒に楽しみたいです」と話していました。 また、家族とともに九州を旅行するという20代の女性は、早朝の便に乗るため昨夜、空港に着いて一晩を過ごしたということで「日本に着いたらすぐにきょう1日の旅行のスケジュールが始まります。大変ですが苦労した分の値打ちはあります」と話していました。 一方、13日からは台湾でも水際対策が緩和されることから、旅行業界では日本から台湾を訪れる旅行客の増加についても期待が高まっています。
世界遺産の日光東照宮のすぐ近くにある「タートル・イン・日光」は外国人観光客に人気があるホテルで、利用客のおよそ90%が欧米や東南アジアなどから訪れる個人旅行の観光客だということです。 一時は新型コロナの感染拡大によって利用客数が激減し、売り上げが感染拡大前の10%から20%程度にまで落ち込みました。 しかし、11日から水際対策の緩和で外国人観光客の個人旅行も解禁されるなか、秋の紅葉シーズンを迎える今月下旬から来月にかけては予約が徐々に増えていて、すでに50件近くに達しているということです。 ホテルではすべての利用客が安心して過ごせるようにこまめにマスクを着用するよう呼びかけるなど感染対策も徹底していきたいとしています。
政府が示している「屋外ではマスク着用は原則不要」のルールについて、加藤厚生労働大臣は国民と共有できていないとして、さまざまな機会を通じて伝えていく考えを示しました。
加藤厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で「政府が発信している今の時点におけるマスク着用の考え方は必ずしも国民のみなさんと十分に共有できているとは言い難い状況だ」と述べました。 そのうえで「地元の人と話すと『マスクを外していると世間の目がある』という話も聞く。自分でマスクを着けたいという人はいいが、マスク着用の必要がない状況があることをいろいろな機会にしっかりとPRしていかなければいけない」と述べました。
羽田空港に乗り入れている京急電鉄ではこれまでも消毒などの感染対策を行うとともに日本語でマスク着用の呼びかけを行っていますが、今後、増加が見込まれる外国人観光客など向けに、英語や中国語、韓国語でも呼びかけを行うか対応を検討しています。 一方で、政府はマスク着用のルールを整理する方針を示していることから、京急電鉄では、今後の国の動向などを見ながら対応を決めたいとしています。
個人の外国人旅行客の入国が解禁に
関西空港 横断幕や記念品で歓迎
台湾の空港には日本への旅行客が
日光のホテルでは外国人観光客の予約増
マスクの着用ルールも整理へ
京急電鉄は多言語でのマスク着用呼びかけを検討