あす衆議しゅうぎ院いんで政せい倫りん審しん 安倍あべ派は 下村しもむら氏しが出席しゅっせき 注目ちゅうもくの3つの焦点しょうてんは？

注目ちゅうもくされる3つの焦点しょうてんについて解説かいせつしていきます。

1.なぜキックバックは継続けいぞくされたのか？

これまでの議員ぎいんの説明せつめいなどによりますと、安倍あべ派はでは、おととし4月つきに当時とうじ会長かいちょうだった安倍あべ元もと総理そうり大臣だいじんが、派閥はばつから議員ぎいん側がわへのキックバックをとりやめる方針ほうしんを決きめたものの、7月つきに安倍あべ氏しが亡なくなりキックバックが続つづけられたことがわかっています。

その経緯けいいで重要じゅうようなポイントとされるのが、安倍あべ氏しが亡なくなった翌月よくげつ・8月つき上旬じょうじゅんに行おこなわれた派閥はばつ幹部かんぶらの協議きょうぎです。

当時とうじ、会長かいちょう代理だいりだった塩谷しおや・元もと文部もんぶ科学かがく大臣だいじんと下村しもむら・元もと政務せいむ調査ちょうさ会長かいちょう、事務じむ総長そうちょうだった西村にしむら・前ぜん経済けいざい産業さんぎょう大臣だいじん、参議院さんぎいん側がわを代表だいひょうして世よ耕こう・前ぜん参議院さんぎいん幹事かんじ長ちょう、それに今回こんかいの事件じけんで起訴きそされた派閥はばつの会計かいけい責任せきにん者しゃの5人にんが出席しゅっせきしました。

この協議きょうぎについて、先さきの衆議院しゅうぎいん政治せいじ倫理りんり審査しんさ会かいで塩谷しおや氏しは「多おおくの所属しょぞく議員ぎいんから『困こまっている』という意見いけんがあり、『ことしに限かぎって継続けいぞくするのはしかたがないのではないか』という話し合はなしあいがなされた。『継続けいぞくしていくしかないかな』という状況じょうきょうの中なかで終おわったと思おもう」と述のべました。

一方いっぽう、西村にしむら氏しは「ノルマ以上いじょうに売うった議員ぎいんから『返かえしてほしい』という声こえがあり、どう対応たいおうするかを共有きょうゆうしたが、結論けつろんは出でなかった」と説明せつめいしました。

また、先週せんしゅうの参議院さんぎいんの審査しんさ会かいで世よ耕こう氏しは「この時ときに何なにか確定かくてい的てきなことは決きまっていない。お金おかねの手当てあてをしなくてはいけないという方向ほうこう性せいは合意ごういできていたので、塩谷しおや氏しが言いう『継続けいぞくが決きまった』というのは、そういう趣旨しゅしではないか」と述のべました。

これについて立憲りっけん民主みんしゅ党とうなどは説明せつめいに食い違くいちがいがあり、さらなる実態じったい解明かいめいが必要ひつようだとしていて、協議きょうぎに出席しゅっせきした残のこる1人にんの議員ぎいん、下村しもむら氏しがどのような説明せつめいをするのかが焦点しょうてんとなります。

【発言はつげんが注目ちゅうもくされる下村しもむら博文ひろぶみ氏しとは】

下村しもむら博文ひろぶみ氏しは、衆議院しゅうぎいん東京とうきょう11区く選出せんしゅつの当選とうせん9回かい。これまでに文部もんぶ科学かがく大臣だいじんや自民党じみんとうの政務せいむ調査ちょうさ会長かいちょうなどを歴任れきにんしました。安倍あべ派はでは、2018年ねん1月つきから2019年ねん9月つきまで当時とうじの細田ほそだ会長かいちょうのもとで事務じむ総長そうちょうを、安倍あべ元もと総理そうり大臣だいじんが会長かいちょうに就任しゅうにんした2021年ねん11月つきから去年きょねん8月つきまで塩谷しおや・元もと文部もんぶ科学かがく大臣だいじんとともに会長かいちょう代理だいりを務つとめました。

所属しょぞく議員ぎいんへのキックバックの取り扱とりあつかいを話し合はなしあったおととし8月つきの幹部かんぶ協議きょうぎに出席しゅっせきした1人にんでもあります。ただ、かつて派閥はばつの会長かいちょうを務つとめた森もり・元もと総理そうり大臣だいじんや、「5人にん衆しゅう」と呼よばれる有力ゆうりょく議員ぎいんとは距離きょりがあるとされ、去年きょねん8月つきに発足ほっそくした新あらたな体制たいせいでは、派閥はばつの意思いし決定けっていにあたる常任じょうにん幹事かんじ会かいのメンバーにはなりませんでした。

2.違法いほう性せいの認識にんしきはあったのか？

おととし8月つきの協議きょうぎをめぐっては、下村しもむら氏しがことし1月つきの記者きしゃ会見かいけんで「還付かんぷ分ぶんは各かく議員ぎいん個人こじんの資金しきん集あつめパーティーに上乗うわのせし、収支しゅうし報告ほうこく書しょで合法ごうほう的てきな形かたちで出だすという案あんが示しめされた」と述のべています。

この「合法ごうほう的てきな形かたち」という発言はつげんについて、野党やとう側がわは安倍あべ派は幹部かんぶが違法いほう性せいを認識にんしきしていた可能かのう性せいを示しめしていると指摘してきしています。

また、下村しもむら氏しが言いう「案あん」を誰だれが示しめしたのかについても、世よ耕こう氏しが「記憶きおくにない」と述のべるなど明あきらかになっておらず、下村しもむら氏しの説明せつめいが注目ちゅうもくされます。

3.いつキックバックは始はじまったのか？

もう1つの焦点しょうてんは、キックバックが始はじまった経緯けいいや時期じきについてです。

これまで塩谷しおや氏しが「20数すう年ねん前まえから始はじまったのではないかと思おもうが明確めいかくな経緯けいいは承知しょうちしていない」と述のべ、世よ耕こう氏しは「少すくなくとも10数すう年ねん前まえには始はじまったと思おもうが、いつ始はじまったのか分わからない」と述のべています。

また西村にしむら氏しは「派閥はばつの歴代れきだい会長かいちょうと事務職じむしょくの事務じむ局長きょくちょうとの間まで長年ながねん慣行かんこう的てきに扱あつかってきたことで会長かいちょう以外いがいの幹部かんぶが関与かんよすることはなかった」などと語かたっています。

歴代れきだいの安倍あべ派はの会長かいちょうは、安倍あべ氏し、細田ほそだ氏し、町村ちょうそん氏しがすでに死去しきょしています。

町村ちょうそん氏しの前まえの安倍あべ派はの会長かいちょうで、派閥はばつへの強つよい影響えいきょう力りょくを持もっていた森もり・元もと総理そうり大臣だいじんが、関与かんよしていたかどうかについて、これまで出席しゅっせきした幹部かんぶらは、「自民党じみんとうのヒアリングで森もり氏しの関与かんよは認みとめられていない」などと述のべるにとどまっていて、こうした点てんについても下村しもむら氏しがどのような認識にんしきや考かんがえを述のべるのかが注目ちゅうもくされています。

専門せんもん家か「これまでは国民こくみんの疑念ぎねん深ふかまり消化しょうか不良ふりょう感かん」

政治せいじ過程かてい論ろんが専門せんもんの神奈川かながわ大学だいがくの大川おおかわ千寿せんじゅ教授きょうじゅは「これまでの審査しんさ会かいでは、政治せいじ資金しきんの問題もんだいについての国民こくみんの疑念ぎねんが解消かいしょうされるどころかむしろ深ふかまり、幅広はばひろい層そうに消化しょうか不良ふりょう感かんを生うんでいる」と指摘してきします。

その上うえで、下村しもむら氏しが出席しゅっせきする18日にちの審査しんさ会かいについて次つぎのように話はなしています。

「安倍あべ元もと総理そうり大臣だいじんがキックバックの中止ちゅうしを打ち出うちだしたのは、『透明とうめい性せいを高たかめるためだったのでは』と、安倍あべ派はの幹部かんぶらは弁明べんめいしているが、やはりそこに、当時とうじの幹部かんぶたちが、法的ほうてきな問題もんだいを認識にんしきしていたのではという疑念ぎねんが浮かび上うかびあがってくる。下村しもむら氏しがどこまで踏み込ふみこんだ発言はつげんをできるのか、するのかは見通みとおせないが、いずれにしても、これまでの幹部かんぶらの弁明べんめいが内容ないよう的てきに非常ひじょうに乏とぼしいことが大おおきく響ひびいて、自民党じみんとうにとっては厳きびしい展開てんかいになると予想よそうできるのではないか」

下村しもむら氏しの修正しゅうせいの内容ないようは

安倍あべ派はの事務じむ総長そうちょうを務つとめた下村しもむら博文ひろぶみ・元もと政務せいむ調査ちょうさ会長かいちょうは、自民党じみんとうが行おこなったアンケートで、2022年ねんまでの4年間ねんかんに不ふ記載きさいなどの金額きんがくが、あわせて476万まん円えんあったとしていて、年としごとの内訳うちわけは2019年ねんが36万まん円えん、2020年ねんが124万まん円えん、2021年ねんが188万まん円えん、2022年ねんが128万まん円えんとなっています。

自身じしんが代表だいひょうを務つとめる政治せいじ団体だんたい「自民党じみんとう東京とうきょう都と第だい十じゅう一いち選挙せんきょ区く支部しぶ」の2022年ねんまでの3年間ねんかんの政治せいじ資金しきん収支しゅうし報告ほうこく書しょに派閥はばつからの収入しゅうにゅう、あわせて440万まん円えんを記載きさいしていなかったとして1月つき31日にちに収支しゅうし報告ほうこく書しょを訂正ていせいしています。

下村しもむら氏しは自身じしんのホームページで、ノルマを超こえた派閥はばつのパーティー券けんの販売はんばい代金だいきんについて「専用せんよう口座こうざで管理かんりし、一切いっさい支出ししゅつしていない」とした上うえで、「寄付きふとして記載きさいされるべきものだったが、派閥はばつ事務じむ局きょくからの誤あやまった伝達でんたつもあり、記載きさいされないままとなっていた」などとしています。