極めて接戦となっている選挙戦の最終盤で行われた発言だけにホワイトハウスがその趣旨を説明するなど、対応に追われています。
トランプ前大統領を支持するコメディアンが自治領のプエルトリコについて「ごみの島」などと発言したことを巡り、アメリカのバイデン大統領は、29日、オンラインイベントの中で非難しましたが、続けて「唯一のごみはトランプ氏の支持者たちだ」と表現したとアメリカの一部メディアが伝えました。
ホワイトハウスの報道官はバイデン大統領が「ごみ」と呼んだのは、トランプ氏の支持者ではなく、支持者の発言のことだとしていますが、30日の記者会見でも発言の趣旨を説明するなど対応に追われています。
ハリス副大統領も30日、記者団に対し「私は誰に投票したかで人を批判することには強く反対する。私に投票するかどうかにかかわらず、すべてのアメリカ人のための大統領になる」と強調しました。
一方、トランプ氏は29日、選挙集会中にバイデン大統領の発言に関する報道について知らされると、2016年の大統領選挙で民主党の候補だったヒラリー・クリントン氏がトランプ氏の支持者を「嘆かわしい人たち」と発言したことと結び付け、「ごみとは、さらにひどい」と批判し、トランプ氏の支持者の間ではトランプ氏に同調して反発が広がっています。
来週5日に迫ったアメリカ大統領選挙は、極めて接戦となっていて選挙戦の最終盤で双方による非難合戦が激しさを増しています。
トランプ氏 ごみ収集車に乗ってバイデン大統領を非難
バイデン大統領の発言について共和党のトランプ前大統領は、30日、激戦州のひとつ、中西部ウィスコンシン州で、報道陣を前に、トランプ氏の選挙キャンペーンのロゴをあしらったごみ収集車に乗り込み「このごみ収集車はどうだ?バイデン大統領とハリス副大統領に敬意を表したものだ」と皮肉を述べました。
そしてみずからが考える支持者の数を念頭に「2億5000万の人々はごみではない」とバイデン大統領の発言をあらためて非難しました。
またバイデン大統領の発言について、「ハリス副大統領も恥じるべきだ。彼女はバイデン大統領にそんなことをさせるべきではなかった」と述べて、ハリス副大統領にも批判の矛先を向けました。