AI活用が米国学生の学習態度と人間関係に及ぼす影響
米国における最新の調査結果によれば、10代の学生の過半数が学校の課題にAIチャットボットを利用していることが明らかになった。ピュー・リサーチ・センターの発表によると、ChatGPTやCopilot、Character.aiといったAIツールが学習活動に広く浸透しており、54%の生徒がこれらを課題の遂行に活用しているという。特に、調査や数学の問題解決にAIを用いる学生が約40%、自身の文章の編集に利用する者が約35%に上る。
また、約10人に1人の割合で、課題の大部分をAIに依存している実態も浮き彫りとなった。
しかしながら、こうしたAI活用の拡大は、教育現場において深刻な課題を提起している。実際、約60%の学生が同級生によるAIを用いた不正行為が頻繁に行われていると認識しており、AI利用経験が豊富な生徒ほど、その傾向を強く感じていることが判明した。教育関係者の間でも、AIの普及が生徒の批判的思考力や調査能力の低下を招きかねないとの懸念が広がっている。センター・フォー・デモクラシー・アンド・テクノロジー(CDT)の調査によれば、最大70%の教員がAIによる学力低下を危惧しているのみならず、生徒・保護者・教員の半数が、AIの導入によって教師との関係性が希薄化したと感じているという。
さらに、ブルッキングス研究所のセンター・フォー・ユニバーサル・エデュケーションによる研究は、AIが生徒の認知的・社会的・情緒的発達に深刻な脅威を及ぼす可能性を指摘しており、特に挫折から立ち直る力の低下が顕著であるとされている。また、CDTの別の調査では、高校生の約20%が自分または知人がAIとの恋愛関係を経験したと答え、約半数がAIを伴侶的存在として利用したことがあると報告している。
一方で、教員自身もAI技術を積極的に導入しつつある。CDTの調査では、85%の教員が何らかの形でAIを職務に活用しており、カリキュラムや教材作成、生徒の参加促進、専門能力開発、採点など多岐にわたる分野でその恩恵を受けている。
約70%の教員は、AIの導入が指導方法の改善につながったと評価し、さらに55%が生徒と直接関わる時間の確保に寄与したと述べている。
このように、AI活用の進展は学習効率の向上や教員の業務負担軽減といった利点をもたらす一方で、学生の主体的な学習態度や人間関係の希薄化、さらには人格形成への影響など、教育現場に新たな課題を投げかけているのである。AIという技術革新が教育の質を高める一方、従来の学びの在り方や人間関係の重要性を再考する契機となっているのではないか。