Actualités japonaises: 新型コロナ「超過死亡」顕著な増加見られず【Q＆Aで詳しく】

新型しんがたコロナに感染かんせんして亡なくなった人ひとの数かずが毎日まいにち発表はっぴょうされなくなったことを受うけ、国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょなどが死亡しぼう者しゃ数すうの傾向けいこうについて「超過ちょうか死亡しぼう」という手法しゅほうで統計とうけい的てきに分析ぶんせきした先月せんげつのデータがまとまりました。

この「超過ちょうか死亡しぼう」。去年きょねんは増ふえたとされています。

どんなデータで、何なにが分わかるのか、まとめました。

5類るい移行いこう後ご増加ぞうかは見みられず

「超過ちょうか死亡しぼう」は、過去かこのデータから統計とうけい学がく的てきに推計すいけいされる死亡しぼう者しゃ数すうを実際じっさいの死亡しぼう者しゃ数すうがどれだけ上回うわまわったかを調しらべる手法しゅほうで、国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょなどは全国ぜんこく各地かくちの19の自治体じちたいから提供ていきょうされた死亡しぼう者しゃ数すうのデータを用もちいて分析ぶんせきしました。

先月せんげつ15日にちから28日にちまでの2週間しゅうかんについて、超過ちょうか死亡しぼうが出でているか1週間しゅうかんごとに調しらべたところ、全国ぜんこくでも地方ちほうごとでも、過去かこ5年間ねんかんのデータから推計すいけいされる死亡しぼう者しゃ数すうと比くらべて顕著けんちょに増ふえた時期じきはなかったことが分わかりました。

超過ちょうか死亡しぼうは去年きょねん、新型しんがたコロナの感染かんせんが拡大かくだいした時期じきに顕著けんちょに増ふえたことが報告ほうこくされていますが、5月つきは前半ぜんはんも増ふえておらず、5類るいへの移行いこう後ご、新型しんがたコロナで亡なくなる人ひとはいたものの、大幅おおはばな増加ぞうかはみられなかったということです。

分析ぶんせきにあたった専門せんもん家かは継続けいぞく的てきに分析ぶんせきすることで死亡しぼう者しゃ数すうの増加ぞうかなどの異変いへんを速すみやかに察知さっちし、対策たいさくにつなげることが大切たいせつだとしています。

そもそも「超過ちょうか死亡しぼう」って何なに？

A．亡なくなった人ひとの数かずが、例年れいねんと比くらべて増ふえていないか、統計とうけい的てきに見みる手法しゅほうです。

下したのグラフはコロナの感染かんせんが国内こくないで最初さいしょに確認かくにんされた2020年ねん1月つきからことし3月つきまでの「超過ちょうか死亡しぼう」の週しゅうごとの推移すいいを示しめしたデータです。赤あかい棒グラフぼうぐらふの週しゅうに、超過ちょうか死亡しぼうが起おきています。

例年れいねん冬ふゆには亡なくなる人ひとが多おおいなど、季節きせつによって変動へんどうはありますが、年間ねんかんに亡なくなる人ひとの数かずは、過去かこのデータから統計とうけい的てきに推定すいていすることができます。もし、「実際じっさいの死亡しぼう者しゃ数すう」が「過去かこのデータから推定すいていされる死亡しぼう者しゃ数すう＝例年れいねんに亡なくなる人ひとの数かず」を上回うわまわっていると、死亡しぼう者しゃ数すうが増ふえた何なんらかの要因よういんがあるのだと考かんがえられます。これが「超過ちょうか死亡しぼう」の考え方かんがえかたです。

たとえば、ある年としの冬ふゆに、例年れいねんより亡なくなる人ひとが多おおい、超過ちょうか死亡しぼうが起おきていて、そのときに感染かんせん症しょうの流行りゅうこうがあったら、その感染かんせん症しょうによって社会しゃかい全体ぜんたいとして亡なくなる人ひとが多おおくなったのではないかと類推るいすいできます。

東京とうきょう大学だいがくの橋爪はしづめ真弘まさひろ教授きょうじゅは、国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょなどとともに超過ちょうか死亡しぼうの分析ぶんせきを行おこなってきました。

東京とうきょう大学だいがく橋爪はしづめ真弘まさひろ教授きょうじゅ

「超過ちょうか死亡しぼうは、社会しゃかいで何なんらかの事象じしょうが起おきたとき、その全体ぜんたい的てきな影響えいきょうを死亡しぼう者しゃ数すうという指標しひょうで測はかるものです。新型しんがたコロナでは、新型しんがたコロナで直接的ちょくせつてきに亡なくなった人ひと以外いがいにも、間接かんせつ的てきに亡なくなった人ひとが少すくなからずいます。医療いりょう機関きかんを受診じゅしんしにくくなったり、家いえの外そとに出でて運動うんどうしなくなって体調たいちょうを崩くずしたりといった形かたちで健康けんこう状態じょうたいを悪化あっかさせて亡なくなるようなケースです。超過ちょうか死亡しぼうは、それらを合あわせて社会しゃかいにどのくらいの影響えいきょうがあったのかを知しる指標しひょうで、例年れいねんと比くらべてどの程度ていど死亡しぼうが増ふえたのか減へったのかということを、おおまかに捉とらえることができます」

いま公表こうひょうされている超過ちょうか死亡しぼうは何なにを元もとに出だしている？

A．全国ぜんこく各地かくちの協力きょうりょくが得えられた自治体じちたいでの過去かこ5年ねんの死亡しぼう者しゃ数すうをもとに、ことしの死亡しぼう者しゃ数すうは何なん人にんになるかという推計すいけい値ちを統計とうけい的てきに割り出わりだします。

日本にっぽんは年々ねんねん高齢こうれい化かが進すすんでいて、死亡しぼう者しゃ数すうは年々ねんねん増ふえると考かんがえられています。そのため、過去かこの死亡しぼう者しゃ数すうを平均へいきんするだけでは予測よそくの人数にんずうとしては低ひくくなるため、高齢こうれい化かの影響えいきょうを加味かみするなどして統計とうけい的てきに割り出わりだしています。

そして、推計すいけいの死亡しぼう者しゃ数すうをその自治体じちたいでの実際じっさいの死亡しぼう者しゃ数すうのデータと比くらべています。

5月つき以降いこう、超過ちょうか死亡しぼうがみられないのはなぜ？

A．超過ちょうか死亡しぼうの分析ぶんせきを行おこなっている東京とうきょう大学だいがくの橋爪はしづめ真弘まさひろ教授きょうじゅによりますと超過ちょうか死亡しぼうとして現あらわれるほど多おおくの人ひとは亡なくなっていない可能かのう性せいや、ほかの理由りゆうで亡なくなる死亡しぼう者しゃ数すうが減へった可能かのう性せいが考かんがえられるということです。

新型しんがたコロナで亡なくなる人ひとがいた一方いっぽう、感染かんせん対策たいさくの徹底てっていでほかの感染かんせん症しょうで亡なくなる人ひとが減少げんしょうしたため、超過ちょうか死亡しぼうとしては現あらわれていないという可能かのう性せいもあります。

東京とうきょう大学だいがく橋爪はしづめ真弘まさひろ教授きょうじゅ

「超過ちょうか死亡しぼうが出でていないからといって、新型しんがたコロナで亡なくなった人ひとがいないわけではありません。超過ちょうか死亡しぼうとして現あらわれるほど、例年れいねんと比くらべて多おおくの人ひとが亡なくなっているということではないという解釈かいしゃくになります」

超過ちょうか死亡しぼうが多おおく見みられた場合ばあい、その理由りゆう、死因しいんは特定とくていできる？

A．超過ちょうか死亡しぼうのデータだけを見みて、増ふえた理由りゆうを特定とくていすることはできません。

専門せんもん家かは、社会しゃかいの状況じょうきょうを踏ふまえて常識じょうしき的てきに解釈かいしゃくする必要ひつようがあると指摘してきしています。

橋爪はしづめ教授きょうじゅによりますと、たとえば夏場なつばに非常ひじょうに暑あつい日ひが続つづいて、熱中ねっちゅう症しょうで亡なくなる人ひとが例年れいねんよりも増ふえた場合ばあいには、超過ちょうか死亡しぼうが見みられます。

ただ、今後こんご、新型しんがたコロナと季節きせつ性せいインフルエンザが同時どうじに流行りゅうこうして多おおくの人ひとが亡なくなった場合ばあい、コロナとインフルエンザのどちらの影響えいきょうが大おおきかったのか、超過ちょうか死亡しぼうのデータだけで判断はんだんするのは難むずかしいということです。

東京とうきょう大学だいがく橋爪はしづめ真弘まさひろ教授きょうじゅ

「超過ちょうか死亡しぼうの原因げんいんはあくまでも類推るいすいすることになります。社会しゃかいの中なかで、超過ちょうか死亡しぼうを説明せつめいできるような、つまり死亡しぼう者しゃ数すうが多おおくなるような事象じしょうが発生はっせいしていたかどうかという情報じょうほうと合あわせて、原因げんいんを類推るいすいすることになります」

去年きょねんは大幅おおはばな超過ちょうか死亡しぼうが見みられたが、その理由りゆうは

A．国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょは、国くにの「人口じんこう動態どうたい統計とうけい」をもとに、超過ちょうか死亡しぼうのデータを分析ぶんせきしていてウェブサイトで公開こうかいしています。

そのデータで見みると、2021年ねんや2022年ねんに超過ちょうか死亡しぼうが見みられます。

2021年ねんに超過ちょうか死亡しぼうがみられた時期じきは新型しんがたコロナの変異へんいウイルスで、重症じゅうしょう化か率りつが高たかまったアルファ株かぶやデルタ株かぶが広ひろがっていて、多おおくの人ひとが感染かんせんし、死亡しぼう者しゃ数すうも多おおくなっていました。

また、2022年ねんも感染かんせん力りょくがそれまでの変異へんいウイルスより格段かくだんに強つよいオミクロン株かぶによる感染かんせんが広ひろがりました。

重症じゅうしょう化かする人ひとの割合わりあいは低ひくかったものの、感染かんせん者しゃ数すうはそれまでとは桁違けたちがいとなり、トータルとしての死亡しぼう者しゃ数すうはそれまでよりも多おおくなりました。

多おおくの専門せんもん家かは、当時とうじの状況じょうきょうから新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだいによる影響えいきょうが大おおきいと見みていますが、超過ちょうか死亡しぼうが多おおくなった理由りゆうを特定とくていするにはさらに幅広はばひろい検討けんとうが必要ひつようだと指摘してきしています。

東京とうきょう大学だいがく橋爪はしづめ真弘まさひろ教授きょうじゅ

「新型しんがたコロナの患者かんじゃ数すうや死亡しぼう者しゃ数すうが増ふえているときに、それと同おなじように超過ちょうか死亡しぼうが多おおく見みられていて、ほかに死亡しぼう者しゃ数すうが多おおくなるような事象じしょうがなければ、新型しんがたコロナの流行りゅうこうによるものだと解釈かいしゃくするのが自然しぜんです。しかし、超過ちょうか死亡しぼうは新型しんがたコロナだけで説明せつめいできるものではないので、社会しゃかいで起おきているいろいろな事象じしょうをあわせて解釈かいしゃくする必要ひつようがあります。たとえば、新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだい当初とうしょ、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんやいろいろな行動こうどう制限せいげんがある中なかで、高齢こうれい者しゃが外出がいしゅつを控ひかえたり病院びょういんの受診じゅしんを控ひかえたりして体力たいりょくが弱よわまり、2021年ねん以降いこうに死亡しぼう者しゃ数すうが増ふえた可能かのう性せいもあります」

ワクチン接種せっしゅは超過ちょうか死亡しぼうと関係かんけいはない？

A．超過ちょうか死亡しぼうのデータからは、増ふえた理由りゆうは直接ちょくせつはわかりません。

ただ、ワクチンについては接種せっしゅしたあとに亡なくなる人ひとが増ふえていないかどうかは詳くわしく解析かいせきされ、副ふく反応はんのうを検討けんとうする厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か部会ぶかいは接種せっしゅに影響えいきょうを与あたえる重大じゅうだいな懸念けねんは認みとめられていないとしています。

また、アメリカのCDC＝疾病しっぺい対策たいさくセンターも安全あんぜんで有効ゆうこうだとしています。

理論りろん疫学えきがくが専門せんもんの京都大きょうとだい学がくの西浦にしうら博ひろし教授きょうじゅのグループは2022年ねん8月つき、国際こくさい的てきな医学いがく雑誌ざっしランセットの関連かんれん誌しにワクチンの効果こうかについての研究けんきゅう論文ろんぶんを発表はっぴょうしています。

研究けんきゅうグループはワクチンの接種せっしゅ率りつや、感染かんせん者しゃ数すう、死亡しぼう者しゃ数すうといったデータ、それに感染かんせん者しゃや亡なくなった人ひとがワクチンを接種せっしゅしていたかどうかといった情報じょうほうをもとに、数理すうりモデルを使つかってワクチンの効果こうかを分析ぶんせきしました。

それによりますと、国内こくないでは、2021年ねん3月つきから11月つきにかけて、新型しんがたコロナによる死亡しぼう者しゃ数すうはおよそ2万まん8000人にんに上のぼる可能かのう性せいがあったいう推計すいけいになりました。

ワクチン接種せっしゅが広ひろがったことで死亡しぼう者しゃ数すうをおよそ1万まん8600人にん減へらすことができたと推計すいけいされるとしていて、実際じっさいにこの時期じきに亡なくなったのは9000人にん余あまりでした。

また、アメリカのCDCはワクチンを接種せっしゅした人ひとと接種せっしゅしなかった人ひととの間まで亡なくなる人ひとの数かずに違ちがいがないか、VSD＝ワクチン安全あんぜん性せいデータリンクというシステムを使つかって分析ぶんせきしています。

CDCは、2020年ねん12月つきから2021年ねん7月つきの間まに12歳さい以上いじょうでワクチンを接種せっしゅしたおよそ640万まん人にんと接種せっしゅしていなかったおよそ460万まん人にんについて、新型しんがたコロナ以外いがいの理由りゆうで死亡しぼうした割合わりあいを比くらべた結果けっかを公表こうひょうしています。

それによりますと、100人にんを1年間ねんかん追跡ついせきしたとして統計とうけい的てきに分析ぶんせきすると、新型しんがたコロナ以外いがいの理由りゆうで死亡しぼうする割合わりあいは▽ファイザーのワクチンを1回かい接種せっしゅしたあとでは「0.42」2回かい接種せっしゅしたあとでは「0.35」▽モデルナのワクチンを1回かい接種せっしゅしたあとでは「0.37」2回かい接種せっしゅしたあとでは「0.34」でした。

これに対にたいして、ワクチンを接種せっしゅしなかった人ひとの場合ばあいは「1.11」で、新型しんがたコロナ以外いがいの理由りゆうで死亡しぼうする割合わりあいはワクチンを接種せっしゅした人ひとの方ほうが低ひくくなっていました。

CDCは「ワクチンを接種せっしゅした人ひとで死亡しぼうするリスクの上昇じょうしょうはない」としています。

京都大きょうとだい学がく西浦にしうら博ひろし教授きょうじゅ

「ワクチンの接種せっしゅ者しゃと未み接種せっしゅ者しゃを比くらべると、未み接種せっしゅ者しゃの方ほうが死亡しぼうリスクが高たかくなっている状況じょうきょうです。ワクチンの接種せっしゅが死亡しぼう率りつを高たかめるように働はたらいたという根拠こんきょはどこにも無ないと思おもいます。いま利用りようされているメッセンジャーRNAワクチンの有効ゆうこう性せいは相当そうとう高たかいものと評価ひょうかされていて、一方いっぽうで、安全あんぜん性せいについては直接ちょくせつ的てきに超過ちょうか死亡しぼうに結むすびつくようなものではないと考かんがえられています。これまでの推定すいていから分わかっていることとしては、ワクチン接種せっしゅは効果こうか的てきに機能きのうしていて、超過ちょうか死亡しぼうは新型しんがたコロナによって生しょうじていると考かんがえるのが自然しぜんだろうと思おもいます」

国くにが超過ちょうか死亡しぼうを把握はあくする目的もくてきは？

A．新型しんがたコロナに感染かんせんして亡なくなった人ひとについては、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは感染かんせん症しょう法ほう上じょうの分類ぶんるいが「5類るい」に移行いこうする前まえは▽医療いりょう機関きかんが自治体じちたいに報告ほうこくし、国くにが集計しゅうけいして毎日まいにち、公表こうひょうしてきたほか、▽出生しゅっしょう数すうや死亡しぼう数すうについての国くにの統計とうけい「人口じんこう動態どうたい統計とうけい」により、例年れいねんの水準すいじゅんと比くらべて死亡しぼう者しゃ数すうが増ふえていないかどうか推移すいいを把握はあくしてきました。

しかし、5類るいに移行いこうしたあとは自治体じちたいがこれまでのように感染かんせん者しゃを把握はあくできないことから毎日まいにちの死亡しぼう者しゃ数すうの公表こうひょうは終了しゅうりょうとなりました。

これを受うけ、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは死亡しぼうについての動向どうこうを迅速じんそくに把握はあくするため、協力きょうりょくを得えられた一部いちぶの自治体じちたいで死亡しぼうした人ひとの総数そうすうを1か月かげつ以内いないをめどに集計しゅうけいしたうえで「超過ちょうか死亡しぼう」の手法しゅほうで統計とうけい的てきに分析ぶんせきし、2週間しゅうかんごとに公表こうひょうしています。

超過ちょうか死亡しぼうとは別べつに、これまでと同様どうように「人口じんこう動態どうたい統計とうけい」をもとにした推移すいいの把握はあくも継続けいぞくすることにしていて、▽新型しんがたコロナに限かぎらない死亡しぼう者しゃ数すうの総数そうすうの把握はあくは2か月かげつ後ご、▽詳細しょうさいな死因しいん別べつの死亡しぼう者しゃ数すうは5か月かげつ後ごの公表こうひょうとなります。

さらに、新型しんがたコロナが直接ちょくせつの死因しいんではないものの、感染かんせんをきっかけに基礎きそ疾患しっかんが悪化あっかして亡なくなった人ひとなども含ふくめて、迅速じんそくに把握はあくする必要ひつようがあるとして、死亡しぼう診断しんだん書しょの中なかで死因しいんに影響えいきょうを与あたえたりした病気びょうきやけがを記入きにゅうする欄らんなどに新型しんがたコロナと書かかれているデータを収集しゅうしゅうし、2か月かげつ後ごをメドに公表こうひょうすることも検討けんとうしています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは「自治体じちたいや医療いりょう現場げんばへの負担ふたんがなるべく少すくない方法ほうほうで、できるだけ早はやく新型しんがたコロナウイルスの健康けんこうへの影響えいきょうを分析ぶんせきし、国民こくみんに情報じょうほう提供ていきょうをしていく」としています。

結局けっきょく、超過ちょうか死亡しぼうのデータはどう受け止うけとめればいいのか

A．専門せんもん家かは、超過ちょうか死亡しぼうのデータだけを見みて一喜一憂いっきいちゆうしないことが大切たいせつだとしています。超過ちょうか死亡しぼうのデータからは何なんらかの原因げんいんで多おおくの人ひとが亡なくなっているという異変いへんを察知さっちすることができます。

1医療いりょう機関きかんあたりの新型しんがたコロナの感染かんせん者しゃ数すうや入院にゅういん者しゃ数すうなど、ほかの指標しひょうと合あわせて、状況じょうきょうを把握はあくすることが大事だいじだと指摘してきしています。

たとえば、1医療いりょう機関きかんあたりの感染かんせん者しゃ数すうがそれほど大おおきく増ふえていなくても、入院にゅういん者しゃ数すうが増ふえたり、病床びょうしょうの使用しよう率りつが上あがったりしていれば、重症じゅうしょう化かしやすい高齢こうれい者しゃなどで感染かんせんが広ひろがっている可能かのう性せいがあり、要よう注意ちゅういと言いえます。

逆ぎゃくに、1医療いりょう機関きかんあたりの感染かんせん者しゃ数すうが増ふえていても、入院にゅういん者しゃ数すうが増ふえていなければ、まだ医療いりょう体制たいせいはひっ迫ひっぱくに至いたっていないと考かんがえることができるかもしれません。

専門せんもん家かは超過ちょうか死亡しぼうも全体ぜんたいの傾向けいこうを見みる際さいのデータの1つとしてとらえてほしいとしています。

東京とうきょう大学だいがく橋爪はしづめ真弘まさひろ教授きょうじゅ

「超過ちょうか死亡しぼうのデータは、大おおきな死亡しぼうを引き起ひきおこすような事象じしょうが社会しゃかいの中なかで発生はっせいしていないかどうかをモニタリングするツールだと思おもいます。あくまでもおおまかな指標しひょうなので、超過ちょうか死亡しぼうが現あらわれた場合ばあい、その原因げんいんとして何なにが考かんがえられるのか、ほかのいろいろな情報じょうほうを集あつめて解釈かいしゃくしていく必要ひつようがあります。すぐに対策たいさくに生いかすということは難むずかしいかもしれませんが、原因げんいんを類推るいすいして、その後そのごの対策たいさくにつなげていくことが大切たいせつです」