일본어 뉴스: 大阪医療破綻の危機「限界を超えている」66％の病院が回答

コロナ患者かんじゃの治療ちりょうにあたる大阪おおさか府内ふないの主おもな50の病院びょういんに今いまの医療いりょう提供ていきょう体制たいせいについてNHKがアンケート形式けいしきで聞きいたところ、回答かいとうを寄よせたうち、66％の病院びょういんが「現在げんざいの状況じょうきょうは病院びょういんの持もつ機能きのうの限界げんかいを超こえている」と答こたえ、医療いりょう提供ていきょう体制たいせいが破綻はたんの危機ききに直面ちょくめんしている実態じったいが改あらためて浮き彫うきぼりになりました。

また、88％の病院びょういんが「一般いっぱん診療しんりょうに影響えいきょうが出でている」と答こたえ、地域ちいき医療いりょうの現場げんばにも大おおきな影響えいきょうが出でている実態じったいが裏付うらづけられました。

大阪おおさか府ふでは、新型しんがたコロナの急速きゅうそくな感染かんせん拡大かくだいで、重症じゅうしょう病床びょうしょうに入院にゅういんできない患者かんじゃが中等ちゅうとう症しょうの病床びょうしょうで治療ちりょうを受うけざるを得えなくなったり、入院にゅういんを待まっている患者かんじゃが自宅じたくなどで死亡しぼうする例れいが相次あいつぐなど、医療いりょう提供ていきょう体制たいせいは破綻はたんの危機ききに直面ちょくめんしています。

NHKは、医療いりょう現場げんばの実態じったいを知しるため、大阪おおさか府内ふないでコロナ患者かんじゃを受け入うけいれる主おもな50の病院びょういんに今月こんげつ7日にちから13日にちにかけてアンケート形式けいしきで取材しゅざいし、このうち64％にあたる32の病院びょういんから回答かいとうを得えました。

この中なかで、率りつにして66％、21の病院びょういんが「直近ちょっきんの1週間しゅうかんでコロナ患者かんじゃの入院にゅういん要請ようせいを断ことわったことがある」と答こたえました。

また、このうち76％、21病院びょういんのうち16の病院びょういんが「コロナ患者かんじゃの治療ちりょうに支障ししょうが出でている」と答こたえました。

理由りゆうについて聞きくと、複数ふくすうの病院びょういんが「重症じゅうしょう患者かんじゃに医師いしや看護かんご師しのマンパワーをとられ、中等ちゅうとう症しょう患者かんじゃに十分じゅうぶんな対応たいおうができなかった」と答こたえたほか「中等ちゅうとう症しょう患者かんじゃに対応たいおうする設備せつびしかないまま、重症じゅうしょうの患者かんじゃを受け入うけいれるには、できる治療ちりょうに限界げんかいがあった」と答こたえたところもあり、重症じゅうしょう患者かんじゃの急増きゅうぞうで中等ちゅうとう症しょう患者かんじゃの治療ちりょうに深刻しんこくな影響えいきょうが及およんでいる実態じったいが浮き彫うきぼりになりました。

さらに回答かいとうを寄よせた88％、28の病院びょういんが「コロナ以外いがいの一般いっぱんの医療いりょうに支障ししょうが出でている」と答こたえました。

具体ぐたい的てきには、複数ふくすうの病院びょういんが「急いそがない手術しゅじゅつや入院にゅういんを延期えんきしてもらった」と答こたえたほか「通常つうじょうなら集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつで治療ちりょうするコロナ以外いがいの患者かんじゃを、通常つうじょうの病床びょうしょうに入いれざるをえない」といった回答かいとうもあり、必要ひつような医療いりょうを届とどけることができず地域ちいき医療いりょうに深刻しんこくな影響えいきょうが及およんでいると訴うったえました。

そして、率りつにして66％、21の病院びょういんが「現在げんざいの状況じょうきょうは病院びょういんの持もつ機能きのうの限界げんかいを超こえている」と答こたえ、医療いりょう提供ていきょう体制たいせいが破綻はたんの危機ききに直面ちょくめんしている実態じったいが改あらためて浮き彫うきぼりになりました。

現場げんばからは「患者かんじゃが重症じゅうしょうになっても行き場いきばがない」とか「専門せんもん的てきな治療ちりょうが必要ひつような患者かんじゃへの対応たいおうができない状況じょうきょうで、自分じぶんたちが果はたすべき地域ちいき医療いりょうへの貢献こうけんが全まったく崩壊ほうかいしている」といった悲痛ひつうな声こえが上あがっていました。

病院びょういん「命いのちの選択せんたくに近ちかいようなことが行おこなわれている」

大阪おおさか市内しないで、主おもに中等ちゅうとう症しょうの新型しんがたコロナウイルスの患者かんじゃを受け入うけいれている病院びょういんはNHKの取材しゅざいに対にたいし「受け入うけいれが想定そうていされていない重症じゅうしょう患者かんじゃが次々つぎつぎと運び込はこびこまれ、ほかの病棟びょうとうから看護かんご師しなどの応援おうえんを呼よんで対応たいおうしても、コロナ患者かんじゃも一般いっぱんの患者かんじゃも断ことわらざるをえないケースが出でている。不ふ本意ほんいだが、命いのちの選択せんたくに近ちかいようなことが行おこなわれている状況じょうきょうだ」と話はなし、病院びょういんの持もつ機能きのうを超こえる状況じょうきょうに陥おちいっていると訴うったえました。

大阪おおさか福島ふくしま区くの「地域ちいき医療いりょう機能きのう推進すいしん機構きこう大阪おおさか病院びょういん」は軽症けいしょう・中等ちゅうとう症しょうの患者かんじゃの病床びょうしょうを20設もうけ、今月こんげつ7日にちの時点じてんで18人にんの患者かんじゃが入院にゅういんし、それとは別べつに、6人にんの重症じゅうしょう患者かんじゃの治療ちりょうにあたっています。

大阪おおさか病院びょういんでは8床しょうあるICU＝集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつをこれまでは一般いっぱんの患者かんじゃ向むけに使用しようしていましたが、受け入うけいれる重症じゅうしょう患者かんじゃが増ふえ、さらに、入院にゅういん中ちゅうに重症じゅうしょう化かした患者かんじゃに対応たいおうする必要ひつようがあるとして、ICUの部屋へやを半分はんぶんに区切くぎり、先月せんげつ16日にちに仮設かせつでコロナ患者かんじゃ用ようのICUを設もうけました。

病院びょういん長ちょうの西田にしだ俊朗としろう医師いしは「重症じゅうしょう患者かんじゃを多数たすう受け入うけいれることが想定そうていされていないため、重症じゅうしょう患者かんじゃの容体ようだいを確認かくにんする設備せつびなどが十分じゅうぶんでない。ほかの病棟びょうとうから看護かんご師しなどの応援おうえんを呼よび、なんとか乗り切のりきっているような状況じょうきょうだ。この影響えいきょうで人手ひとでが足たりなくなり、コロナ患者かんじゃも一般いっぱんの患者かんじゃも断ことわらざるをえないケースが出でている」と話はなし、重症じゅうしょう患者かんじゃ用ようの十分じゅうぶんな設備せつびがないまま対応たいおうせざるをえない実態じったいを語かたりました。

こうした状況じょうきょうの中なかで、病院びょういんでは多おおいときでは1日にち10数すう件けんのコロナ患者かんじゃの受け入うけいれを断ことわらざるをえない状況じょうきょうになっていると証言しょうげんしました。

さらに、コロナ患者かんじゃへの対応たいおうに多おおくの人手ひとでをとられるため、一般いっぱんの医療いりょうにも大おおきな影響えいきょうが出でていて、今月こんげつ6日にちと7日にちに予定よていされていた緑内障りょくないしょうの手術しゅじゅつなど、比較的ひかくてき緊急きんきゅう度どが高たかいと判断はんだんしていた手術しゅじゅつのうち10件けんについて延期えんきせざるをえなくなったと説明せつめいしました。

西田にしだ病院びょういん長ちょうは、病院びょういんの持もつ機能きのうの限界げんかいを超こえていると指摘してきしたうえで「救急きゅうきゅうを断ことわらざるをえない状況じょうきょうにもなっていて、不ふ本意ほんいだが、命いのちの選択せんたくに近ちかいことが行おこなわれている状況じょうきょうだ。災害さいがいのようなパンデミックを抑おさえるため、みんなで力ちからを合あわせて感染かんせん者しゃを減へらしていくしかない」と述のべ、感染かんせんしないための行動こうどうをとってほしいと強つよく訴うったえました。

府ふ病院びょういん協会きょうかい「自転車じてんしゃ操業そうぎょう的てきになんとか急場きゅうばをしのいでいる」

NHKが行おこなったアンケートの結果けっかについて、大阪おおさか府内ふないの病院びょういんでつくる大阪おおさか府ふ病院びょういん協会きょうかいの佐々木ささき洋ひろし会長かいちょうは「結果けっかからも多おおくの病院びょういんで重症じゅうしょう患者かんじゃを診みるための設備せつびや医療いりょうスタッフの不足ふそくを痛感つうかんするが、すぐには補充ほじゅうできず、自転車じてんしゃ操業そうぎょう的てきになんとか急場きゅうばをしのいでいるのが現状げんじょうだ」と指摘してきしました。

そのうえで「今いまの大阪おおさかは、想定そうてい外がいの患者かんじゃ数すうに対応たいおうし切きれていない状況じょうきょうだ。通常つうじょう医療いりょうがかなり縮小しゅくしょうしていて、病気びょうきになっても十分じゅうぶんな治療ちりょうを受うけられない可能かのう性せいは大おおきい」と現状げんじょうを説明せつめいしました。

さらに佐々木ささき会長かいちょうは「医療いりょうのひっ迫ひっぱくした状況じょうきょうはすぐには解消かいしょうしない。行政ぎょうせいには、新規しんき感染かんせん者しゃを減へらす努力どりょくを継続けいぞくしてもらうとともに、感染かんせん力りょくが強つよい変異へんい株かぶに対にたいする感染かんせん予防よぼう対策たいさくを個人こじん個人こじんがきっちりと続つづけるしかない」と訴うったえていました。

そして、今いま、全国ぜんこく各地かくちで感染かんせん者しゃが拡大かくだいしていることについて「大阪おおさかで起おきているような医療いりょうのひっ迫ひっぱくは他たの地域ちいきでも十分じゅうぶん起おこり得える。大切たいせつなのは、感染かんせん者しゃ数すうが少すくないうちに最悪さいあくの事態じたいを想定そうていして医療いりょう提供ていきょう体制たいせいをどうするか十分じゅうぶんに議論ぎろんし準備じゅんびすることだ。まん延まんえんしてからでは手遅ておくれで、もう一刻いっこくの猶予ゆうよもないと思おもってほしい」と警鐘けいしょうを鳴ならしました。