日本新聞: ラグビー福岡堅樹「後悔なく次の道に」現役最後の試合で優勝

ラグビー福岡ふくおか堅けん樹じゅ「後悔こうかいなく次つぎの道みちに」現役げんえき最後さいごの試合しあいで優勝ゆうしょう

May 23, 2021 20:05

Furigana

ラグビーの日本にっぽん選手権せんしゅけんの決勝けっしょう。

優勝ゆうしょうしたパナソニックの福岡ふくおか堅けん樹じゅ選手せんしゅは、医師いしの道みちを目指めざし、今こんシーズン限かぎりで引退いんたいするため、この試合しあいが現役げんえき最後さいごの試合しあいとなりました。試合しあい終了しゅうりょうの瞬間しゅんかん、グラウンド上じょうで1人にん、立ち尽たちつくし、パナソニックでの優勝ゆうしょうという目標もくひょうを達成たっせいし、感慨かんがいにふけっているようにも見みえました。

ラグビー日本にっぽん代表だいひょうとして活躍かつやくした福岡ふくおか選手せんしゅ。2019年ねんのワールドカップは50m5秒びょう8の俊足しゅんそくを強つよみに4つのトライを奪うばい、日本にっぽんの史上しじょう初はつのベスト8進出しんしゅつに大おおきく貢献こうけんしました。

大会たいかい後ごは7人にん制せいで争あらそわれる東京とうきょうオリンピック出場しゅつじょうを次つぎの目標もくひょうに掲かかげ、その後そのご、現役げんえきを引退いんたいして夢ゆめである医師いしへの道みちに進すすむという人生じんせい設計せっけいを描えがいていたが、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいで1年ねん延期えんきとなった東京とうきょうオリンピックを断念だんねんすることを決断けつだん。

23日にちの日本にっぽん選手権せんしゅけん決勝けっしょうが現役げんえき最後さいごの試合しあいとなりました。

この大だい一いち番ばんでも福岡ふくおか選手せんしゅは5試合しあい連続れんぞくとなるトライを決きめました。

そのトライの場面ばめんは前半ぜんはん30分ふん。

「スピードが乗のった状態じょうたいでボールをもらえたし、あの状況じょうきょうなら守備しゅびがいてもいけると思おもった」とわずか数すうメートルのスペースに切り込きりこみ、2人にんからタックルを受うけながらも最後さいごは飛び込とびこんで片手かたてでトライ。この試合しあい、最大さいだいとなる20点てんのリードにつなげました。

試合しあい後ごの会見かいけんで福岡ふくおか選手せんしゅは「ラグビー人生じんせいでやりたいことはやりきれた。引退いんたいするという実感じっかんはまだわかないが、もうラグビーをすることがないと思おもうとじわじわと来くるものがある。パナソニックで最後さいごに優勝ゆうしょうを勝ち取かちとることができて何なにひとつ後悔こうかいなく次つぎの道みちに進すすめる」とすがすがしい表情ひょうじょうで語かたりました。

2月つきの医学部いがくぶ受験じゅけんに向むけた予備校よびこうでの勉強べんきょうや、4月つきから始はじまった大学だいがくの授業じゅぎょうなどと並行へいこうして臨のぞんだ今こんシーズンは過酷かこくを極きわめました。

「今いままではラグビーが中心ちゅうしんだったが受験じゅけんもあってスケジュールは大おおきく変かわった。コンディション調整ちょうせいも難むずかしく、車くるまで移動いどうしてすぐ練習れんしゅうという日ひもあったし、両立りょうりつはとても大変たいへんだった」

厳きびしい環境かんきょうにも屈くっせず今こんシーズン、14個このトライをあげて優勝ゆうしょうに大おおきく貢献こうけんした福岡ふくおか選手せんしゅ。ラグビー界かいで輝かがやいた28歳さいは「患者かんじゃに心こころから向き合むきあって寄り添よりそえる医師いし」という新あらたな夢ゆめに向むかって歩あゆみ始はじめます。