去年2月から先月までに300万件を超える申請がありましたが、不正な受給も相次いでいて、NHKが各地の労働局に取材したところ、不正は未遂も含めると全国で少なくとも58件、2億6724万円にのぼることがわかりました。
実際には働いている従業員を書類上は休ませたことにしていたり事業を縮小したように見せかけたりする手口が目立つということです。
虚偽の申請を行って助成金を不正に受け取ると詐欺にあたり経営者が逮捕されるケースも出ています。
男性はブライダル関連の会社を経営し、およそ20人の社員を抱えていますが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で結婚式のキャンセルが相次ぎ、売り上げが前の年のおよそ10%以下にまで落ち込んだ時期があったといいます。 金融機関から緊急の融資も受けましたが会社の財務状況に不安があり、実際には働いていない人を雇用しているように装うなどして、およそ5000万円を不正に受け取ったということです。 男性は、「従業員の雇用を守り会社を継続させなければと考え不正を行ってしまった。内部で口裏を合わせれば、大丈夫だと思っていた」と話しています。 会社は、ことし2月に労働局から不正を指摘され、受け取った助成金は返還することにしています。 男性は「全国で申請の数も多いのでまさか自分の不正行為がばれるとは思わなかった。今になって本当に後悔している」と話していました。
法律事務所の代表の上原幹男弁護士は「新型コロナの影響が長引いていることもあり、会社の資金繰りが厳しく、とにかくなんとかしたいとして不正な申請を行うケースが増えている。各地の労働局が本格的な調査に乗り出しており不正の発覚はさらに増えるのではないか」と話しています。
不正の経営者「まさかばれるとは」
「不正してしまった」相談相次ぐ