そして「両国はともに国家の主権や領土の保全、安全保障のルールを順守することに関心を持っている」とした上で中国の国際社会での影響力を利用して和平に向けた土台作りが進むことに期待を示しました。
一方で「これまでのところ、キーウの政権はウクライナ危機の政治的かつ外交的な解決を拒否している。ワシントンに支配されている操り人形たちが平和への呼びかけに応じることはほとんどない」として、ゼレンスキー政権を非難しました。
一方でカービー調整官は「会談が有意義な平和への一歩や提案につながるかどうかは現時点ではわからない」と述べて注視していく考えを示しました。 そのうえで「われわれは平和につながるいかなる取り組みも歓迎する。その平和は持続的で信頼できるものでなくてはならず、ゼレンスキー大統領やウクライナ国民が賛同するものでないかぎりそうはならないと思う」と強調しました。
ロシア外務省「中国側の対応を評価」
米ホワイトハウス 歓迎も注視する考え示す
中国外務省によりますと、電話会談で習近平国家主席は「中国はウクライナと協力し、できるだけ早い停戦や平和の回復のために努力する」と述べ、仲介役として建設的な役割を果たす姿勢を強調しました。
その上で、中国政府の特別代表をウクライナなどに派遣する考えを示しました。
これに対し、ゼレンスキー大統領はみずからのSNSで、会談が1時間にわたったことを明らかにし「ウクライナにとって公正で持続可能な平和を確立するためどのように協力できるか協議した」と述べました。
そして「平和は国際法の原則と国連憲章の尊重に基づき公正で持続可能でなければならない。領土を妥協する平和はありえない」と述べ、ロシアが掌握している東部や、一方的に併合した南部のクリミアを譲ることはないと強調しました。
両首脳による会談はおととし7月以来で、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻後は、初めてです。
習主席は先月ロシアを訪問し、プーチン大統領と首脳会談を行うなど和平交渉の仲介に意欲を示していて、具体的な成果につなげられるかが焦点です。