ことし10月、ガザ地区を実効支配するハマスの戦闘員がイスラエル側に越境して奇襲攻撃を行い、これに報復する形でイスラエル軍が軍事作戦を開始してから、7日で2か月です。
戦闘は11月24日から7日間休止されたものの、12月1日、再開され、イスラエル軍はハマスの壊滅を目指すとしてガザ地区での地上侵攻を進めています。
イスラエル軍の報道官は6日、「北部ジャバリアや南部ハンユニスなどで防衛線を突破した。テロリストたちは地下のトンネルから出てイスラエル軍と接近戦を繰り広げている」と述べました。
そのうえで、南部ハンユニスの地下にハマスのガザ地区の指導者 ヤヒヤ・シンワル氏が潜んでいるとして、「われわれの仕事はシンワルを見つけ、殺すことだ」と述べ、ハマスの壊滅に向けてシンワル氏など幹部の発見を急ぐ考えを示しました。
一方、ガザの保健当局は、戦闘開始以降の2か月間でガザ地区で1万6248人が死亡し、このうち12月1日の戦闘再開以降の死者は1240人にのぼるとしていて、犠牲者の増加に歯止めがかからなくなっています。
南部のラファには、ハンユニスなどから避難する住民が増え続けています。
UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関によりますと、ガザ地区では人口の8割を超えるおよそ190万人が避難を余儀なくされていて、人道状況の悪化がさらに深刻になっています。
イスラエル首相府は12月6日、ガザ地区南部への最低限の燃料の搬入を認めると明らかにし、人道状況に配慮する姿勢も見せていますが、イスラエル側はハマスの壊滅を目指すとして地上侵攻を続ける構えで、事態の打開に向けた道筋は見えない状況です。