また、記者団から「中国は敵なのか競争相手なのか」と質問されたのに対し「気候変動などの分野では中国と協力する必要があるが、経済と貿易では競争相手だ。特に人権の分野では、中国に直接対抗していく必要がある」と述べました。
そのうえで「G7が強く団結したことは、共通の価値観と国際的な権利の尊重に基づいて取り組み続けることが世界にとってよいことだと示している」として成果を強調しました。
また、中国が海洋進出を強めていることについて、マクロン大統領は「日本は明らかにより強い圧力に直面している」と述べ、インド太平洋地域での各国の主権を守るため、オーストラリアやインドも含めた関係国と協力する考えを示しました。
一方で、ドラギ首相は「地球温暖化やパンデミック後の世界の復興について、中国と協力していく必要がある」と述べて、地球規模の課題で中国との協力は欠かせないという考えを示しました。
ただ、宣言の中で、台湾海峡や東シナ海、南シナ海、それに新疆ウイグル自治区や香港の問題などが明記されたことに、今後、強く反発するものとみられます。 中国への対抗策がサミットの焦点の1つとなることを中国政府は一貫して強く批判してきました。 サミット開幕に先立つ今月10日の記者会見で中国外務省の汪文斌報道官は「『対抗』を唱えることは誤った道を歩むことであり、徒党を組んで集団で政治を行うやり方は人々の支持を得られず、活路を見いだせない」と述べ、G7各国を強くけん制していました。 中国はサミット開幕を前に外交トップと産業政策の担当閣僚がアメリカ側と相次いで電話で会談していました。 今月11日にアメリカのブリンケン国務長官と電話会談した中国の外交を統括する楊潔※チ政治局委員は「小さなグループの利益に基づく集団政治による偽の多国間主義や、多国間主義の名を借りた単独主義はあってはならない」と述べ、G7の動きを強く批判していました。 一方、これを前に今月10日、アメリカのレモンド商務長官と電話会談した中国の王文涛商務相は「貿易や投資の発展を促進して双方の違いを適切に処理することで合意した」としていて、対話の継続を確認したとしています。 中国としては、G7各国の動きを批判しつつも、アメリカ側との電話会談などを通じて対話の窓口を維持することで、決定的な対立は避けたいという思惑もあるものとみられます。 ※楊潔※チの「チ」は、「竹」冠に「がんだれ」、その中に「虎」
フランス大統領「G7は中国に敵対するクラブではない」
イタリア首相「地球温暖化など中国と協力」
台湾「具体的な行動 心から感謝」
中国は今後 強く反発か