アメリカのトランプ大統領は7日に放送されたFOXビジネスネットワークのインタビューで、イランに対し、核開発をめぐる交渉に応じるよう呼びかける書簡を送ったと述べました。
これに対し、イラン側は書簡は受け取っていないとしています。
8日、最高指導者ハメネイ師は演説でアメリカを念頭に「彼らにとっての交渉とは新たな要求を押しつける手段にすぎない」と述べ、交渉に否定的な考えを改めて強調しました。
その上でハメネイ師は「彼らは核開発にとどまらず、新たな要求を続けるだろう」として、トランプ政権がイランのミサイル開発や、中東各国の武装組織に対するイランの支援についても、抑えこもうとしていることに警戒感を示しました。
トランプ大統領は敵対するイランへの制裁措置を強化しつつ「イランとディールができるかどうか見てみよう」と発言し、7日には「非常に近い将来、何かが起きる。うまくいけば『和平の協定』を結べるかもしれない」と述べるなど、核開発をめぐる交渉に意欲を示しています。
一方、イランは、圧力をかけながら交渉を迫るトランプ政権の姿勢に態度を硬化させていて、一層の関係悪化も懸念されます。
米報道官「イランが国民と国益を優先することを期待」
アメリカ、ホワイトハウスのNSC=国家安全保障会議の報道官は、ハメネイ師の発言を受けて声明を出し「トランプ大統領は、イランに関して軍事的な対応と取り引きの2つの対応があると明確に発言している。イランの体制がテロよりも国民と国益を優先することを期待する」として、大統領の呼びかけに応じるよう改めて促しました。