Báo tiếng Nhật: ８人死亡雪崩事故起きるまでの経緯詳細明らかに

栃木とちぎ県けん那須なす町まちで登山とざんの訓練くんれん中ちゅうに高校生こうこうせいらが雪崩なだれに巻き込まきこまれ、８はち人にんが死亡しぼうした事故じこから、２に７なな日にちで１いちか月かげつです。雪崩なだれ事故じこが起おきるまで、どのような経緯けいいがあったのか、県けんによる教員きょういんへの聞き取ききとり調査ちょうさや生徒せいとなどへの独自どくじの取材しゅざいで、詳細しょうさいが明あきらかになりました。先月せんげつ２に７なな日にちは、午前ごぜん中ちゅうに茶臼ちゃうす岳だけへの登山とざんを行おこなう予定よていでした。しかし、当日とうじつの午前ごぜん５ご時じごろ、教員きょういんらが起床きしょうした際さい、１いち５ごセンチほどの積雪せきせつを確認かくにん。午前ごぜん６ろく時じから６ろく時半じはんの間まに登山とざん経験けいけんが豊富ほうふな３さん人にんの教員きょういんが話し合はなしあって、登山とざんを中止ちゅうしし、代かわりに雪ゆきをかき分かきわけて進すすむラッセル訓練くんれんを行おこなうことを決きめました。

教員きょういんの１いち人にんは、安全あんぜんと判断はんだんした根拠こんきょとして、「風かぜが弱よわく、１いち５ごセンチほどの積雪せきせつで、樹林じゅりん帯たいの尾根おねなら雪崩なだれの危険きけんはないと思おもった」と話はなしています。

そして、午前ごぜん７なな時半じはんに集合しゅうごうし、訓練くんれんの実施じっしを決きめた教員きょういん３さん人にんがほかの教員きょういんに、ラッセル訓練くんれんへの変更へんこうや雪崩なだれの危険きけん箇所かしょなどを説明せつめいしました。訓練くんれんを周知しゅうちされたときの状況じょうきょうについて、複数ふくすうの生徒せいとや教員きょういんはＮＨＫえぬえいちけいの取材しゅざいに対にたいし、「朝あさの段階だんかいで積雪せきせつもかなりあり、本当ほんとうにやるのかという声こえも上あがっていた」と証言しょうげんしています。

そして、午前ごぜん８はち時じ前まえには５いつつの班はんに分わかれて訓練くんれんが始はじまりました。この際さい、教員きょういんは生徒せいとたちに雪崩なだれの危険きけん箇所かしょには近ちかづかないよう説明せつめいしたということです。

先頭せんとうの１いち班はんは、大田原おおたわら高校こうこうの生徒せいと１いち２に人にんと教員きょういん２に人にんの合あわせて１いち４よん人にんで、ゲレンデのふもとから尾根おねの方向ほうこうに登のぼり始はじめました。２に班はん以降いこうも続々ぞくぞくと出発しゅっぱつしました。１いち班はんは後続こうぞくの班はんと徐々じょじょに距離きょりを離はなし、３さん０ぜろ分ふんほどで尾根おねに到達とうたつし、一度いちど休憩きゅうけいをとりました。その際さい、引率いんそつ教員きょういんの１いち人にんは、雪崩なだれの危険きけん性せいを調しらべるため、生徒せいとらに雪ゆきを掘ほらせて、雪ゆきの層そうに緩ゆるみがないか状態じょうたいを確認かくにんさせたと、県けんの調査ちょうさに対にたいして答こたえています。

その後そのご、１いち班はんは樹林じゅりん帯たいを抜ぬけ、樹木じゅもくがまばらなところに到達とうたつします。教員きょういんの１いち人にんは「視界しかいは前方ぜんぽうからふもとまでよく見みえた。風かぜもほとんどなかった」と証言しょうげんしています。

教員きょういんの１いち人にんは県けんの調査ちょうさに対にたいし、斜面しゃめんが急きゅうになることなどから、引き返ひきかえすかどうか考かんがえたタイミングが２に回かいあったと答こたえています。このとき生徒せいとからは「天狗てんぐの岩いわ」と呼よばれる岩いわまで進すすみたいという声こえが上あがり、教員きょういんは雪ゆきの状態じょうたいや天候てんこうから大丈夫だいじょうぶだろうと判断はんだんし、岩いわまで行いって引き返ひきかえすことにしたということです。

その直後ちょくご、午前ごぜん８はち時半じはんごろに雪崩なだれが発生はっせい。１いち班はんから４よん班はんまでが巻き込まきこまれ、中なかには２にメートルほど雪ゆきに埋うまった生徒せいともいました。各かく班はんを引率いんそつしていた教員きょういんは、本部ほんぶとなっているふもとの旅館りょかんに無線むせんで何なん度ども呼よびかけましたが、応答おうとうがなく、５ご班はんの教員きょういんが旅館りょかんまで降おりて、警察けいさつに通報つうほうしました。

専門せんもん家か「あらかじめ引き返ひきかえすライン設定せっていを」

今回こんかいの事故じこで、犠牲ぎせい者しゃが出でた班はんを引率いんそつしていた教員きょういんの１いち人にんが「途中とちゅうで引き返ひきかえそうと考かんがえたが、天候てんこうの状況じょうきょうから進すすめると判断はんだんした」と県けんの調査ちょうさに対にたいして話はなしていることについて、登山とざんの際さいの安全あんぜん管理かんりに詳くわしい静岡しずおか大学だいがくの村越むらこし真しん教授きょうじゅは、「部ぶ活動かつどうは正規せいきの教育きょういく活動かつどうではないが、引率いんそつする以上いじょう、教員きょういんには子こどもの安全あんぜんを守まもる義務ぎむがあり、途中とちゅうでやめるべきだった」と指摘してきしています。

そのうえで、「雪崩なだれの危険きけんは斜面しゃめんの傾斜けいしゃや雪ゆきの量りょうからある程度あるていど判断はんだんできるので、あらかじめ『ここまでで引き返ひきかえす』というラインを設定せっていしておく必要ひつようがあったのではないか」としています。

さらに「現場げんばの教員きょういん１いち人にん１いち人にんの責任せきにんとすべきではなく、教育きょういく現場げんば全体ぜんたいで考かんがえていく必要ひつようがある」と述のべています。

また、学校がっこうの部ぶ活動かつどうでの登山とざんの在り方ありかたについては、「プロの登山とざん家かが引率いんそつするわけではない以上いじょう、教員きょういんや生徒せいとのスキルを見みながら、通常つうじょうの登山とざんよりもリスクに対にたいして慎重しんちょうに行おこなわれるべきだ。山やまの魅力みりょくとリスクが裏腹うらはらであることを教おしえながら進すすめる必要ひつようがある」と話はなしています。