Japanese News: 伊方原発３号機停止求める仮処分申し立て退ける松山地裁

愛媛えひめ県けんにある伊方いかた原子力げんしりょく発電はつでん所しょ３さん号機ごうきの運転うんてんを停止ていしするよう県内けんないの住民じゅうみんが求もとめた仮かり処分しょぶんの申し立もうしたてについて、松山まつやま地方ちほう裁判所さいばんしょは「原発げんぱつの新あたらしい規制きせい基準きじゅんが不ふ合理ごうりとは言いえない」として退しりぞける決定けっていを出だしました。愛媛えひめ県けんにある四国しこく電力でんりょくの伊方いかた原発げんぱつ３さん号機ごうきについて、県内けんないの住民じゅうみん１いち１いち人にんは去年きょねん５月ごがつ、「重大じゅうだいな事故じこが起おきるおそれがある」として、運転うんてんの停止ていしを求もとめる仮かり処分しょぶんを松山まつやま地方ちほう裁判所さいばんしょに申し立もうしたてました。

伊方いかた原発げんぱつの周辺しゅうへんには複数ふくすうの活かつ断層だんそうがあり、四国しこく電力でんりょくは、九州きゅうしゅう、四国しこく、近畿きんきにかけて伸のびる断層だんそうが長ながさおよそ４よん８はち０ぜろキロにわたって連動れんどうした場合ばあいなどを想定そうていして原発げんぱつでの最大さいだいの揺ゆれを算定さんていした結果けっか、「原発げんぱつの安全あんぜん性せいは確保かくほされている」としたのに対にたいし、住民じゅうみん側がわは「想定そうていされた揺ゆれは過小かしょう評価ひょうかされている」などと主張しゅちょうしていました。

２に１いち日にちの決定けっていで、松山まつやま地方ちほう裁判所さいばんしょの久保井くぼい恵子けいこ裁判さいばん長ちょうは「四国しこく電力でんりょくが揺ゆれを算定さんていする際さいに使つかった計算けいさん式しきには合理ごうり性せいが認みとめられ、地震じしんの規模きぼが小ちいさいとは言いえない。原発げんぱつの新あたらしい規制きせい基準きじゅんの内容ないようが不ふ合理ごうりとは言いえず、原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいの判断はんだんに誤あやまりはない」として、住民じゅうみんの申し立もうしたてを退しりぞけました。

伊方いかた原発げんぱつ３さん号機ごうきは、原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいの新あたらしい規制きせい基準きじゅんのもとで去年きょねん８月はちがつに再さい稼働かどうしています。

伊方いかた原発げんぱつ３さん号機ごうきをめぐっては、広島ひろしま地方ちほう裁判所さいばんしょが、ことし３月さんがつ、運転うんてんを停止ていしするよう求もとめた別べつの住民じゅうみんの仮かり処分しょぶんの申し立もうしたてを退しりぞけていて、今回こんかいも同おなじ判断はんだんが示しめされたことになります。

住民じゅうみん側がわ弁護士べんごし「即時そくじ抗告こうこく検討けんとうの方向ほうこうで考かんがえたい」

決定けっていのあと、報道ほうどう各社かくしゃの取材しゅざいに応おうじた住民じゅうみん側がわの弁護べんご団だんの河合かわい弘之ひろゆき弁護士べんごしは「残念ざんねんな決定けっていだ。しかし、私わたしたちは原発げんぱつを止とめる戦たたかいをやめるわけにはいかない。高等こうとう裁判所さいばんしょへの即時そくじ抗告こうこくを検討けんとうする方向ほうこうで考かんがえていきたい」と話はなしていました。

また、仮かり処分しょぶんを申し立もうしたてた住民じゅうみんの１いち人にん、和田わだ宰おさむさんは「全まったくもって許ゆるせない事態じたいだ。原発げんぱつを止とめることは、正義せいぎの戦たたかいであり、これからも全力ぜんりょくを挙あげて伊方いかた原発げんぱつを止とめるために頑張がんばりたい」と話はなしていました。

四国しこく電力でんりょく「安全あんぜん・安定あんてい運転うんてんに努つとめる」

決定けっていのあと、四国しこく電力でんりょく原子力げんしりょく部ぶの瀧川たつかわ重しげる理り登とう副ふく部長ぶちょうは、報道ほうどう各社かくしゃの取材しゅざいに対にたいし、「当社とうしゃのこれまでの主張しゅちょうが裁判所さいばんしょで認みとめられたということで、まことにありがたい。われわれとしては、引き続ひきつづき、伊方いかた発電はつでん所しょの安全あんぜん・安定あんてい運転うんてんにしっかりと努つとめてまいりたいと考かんがえております」と述のべました。

愛媛えひめ県知事けんちじ「安全あんぜん運転うんてんに努つとめてほしい」

今回こんかいの決定けっていについて、愛媛えひめ県けんの中村なかむら知事ちじは「司法しほうの判断はんだんに関かかわるものであるが、四国しこく電力でんりょくには今後こんごとも、決けっして事故じこを起おこさないという心構こころがまえのもと、慎重しんちょうかつ細心さいしんの注意ちゅういを払はらいながら、安全あんぜん運転うんてんに努つとめていただきたい」とするコメントを発表はっぴょうしました。