あわ金持おかねもちになったおとこ

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N4 Aug 31, 2025 07:08 669
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むかし伊豆いず三浜みはまというところに、まずしいおとこがいました。おとこ一生懸命いっしょうけんめいはたらきましたが、はたけからはなにもとれませんでした。
あるよるおとこ不思議ふしぎゆめました。ひろれた土地とちしろうまがいて、金色きんいろあわべていました。ましたおとこは、ゆめてきた場所ばしょが、蛇野じゃのはらそっくりなことにがつきました。
つぎ蛇野じゃのはらってみると、ゆめしろうまが、きんあわべていました。ああ、ありがたい。ここたがやしなさいという神様かみさま気持きもちにちがいない。おとこは、蛇野じゃのはられた土地とちたがやして、しろうまべていたきんあわえました。あきなると、あわよくそだって、蛇野じゃのはらは、きんのようなあわいっぱいになりました。おとこは、すぐに「あわ長者ちょうじゃ」とばれる金持おかねもちになりました。
それからなんねんたったあるとしのことです。むら大変たいへん飢饉ききんになって、ものがなくなったむらひとたちは、あわ長者ちょうじゃいえに、あわけてくださいといにました。ところが長者ちょうじゃは「このあわわたしのものだ。1つぶもやらない」とって、むらひとたちをかえしました。
それからのこと、ものがなくてこまったむらひとたちが、長者ちょうじゃているあいだに、長者ちょうじゃいえかべってあったあわはじめました。長者ちょうじゃかべあわられないように、かべなんかいどろってしまいました。むらひとたちはこまって、むらきました。
そのよる長者ちょうじゃぐっすりねむっていると、カリカリというおとが、くらほうからこえてきました。ました長者ちょうじゃは、くらってびっくりしました。くらなかで、なんぜんなんまんというネズミがカリカリとあわべていました。ネズミたちはくらあわ全部ぜんぶべると、1つのかたまりになってそとして、やがてしろうまわって、そらのぼっていきました。
「あ、あのうまは、むかしわたしゆめ神様かみさまうまだ!」長者ちょうじゃやっとおもしました。まずしくて、1にちじゅうおなかがすいていたときのことを。わたし神様かみさまによって長者ちょうじゃにしてもらったのに、まずしいひとあわの1つぶけてあげなかった。それで神様かみさまおこったんだ。神様かみさまゆるしてください。
それから、おとこまた農家のうかになって、はたけたがやはじめたそうです。
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