中国ちゅうごく あす午前ごぜん１いち時じ 米べいに25％報復ほうふく関税かんぜいへ 混迷こんめい深ふかめる貿易ぼうえき摩擦まさつ

これに対抗たいこうして中国ちゅうごくも日本にっぽん時間じかんの１いち日にち午前ごぜん１いち時じに、アメリカからの600億おくドルの輸入ゆにゅう品ひんに上乗うわのせする関税かんぜいを最大さいだい25％に引き上ひきあげます。

米べい中ちゅうが関税かんぜいをかけ合かけあう応酬おうしゅうはこれにとどまらず、アメリカは中国ちゅうごくからのおよそ3000億おくドルの輸入ゆにゅう品ひんの関税かんぜいを上乗うわのせする手続てつづきを始はじめ、実行じっこうされれば中国ちゅうごくからのほぼすべての輸入ゆにゅう品ひんが対象たいしょうとなります。

米べい中ちゅう両国りょうこくは、トランプ政権せいけんが、ファーウェイとアメリカ企業きぎょうが許可きょかなく取り引とりひきするのを禁止きんししたことをめぐっても対立たいりつを深ふかめています。

トランプ大統領だいとうりょうは６月ろくがつに大阪おおさかで開ひらかれるＧじ-20サミットで習近平ちから国家こっか主席しゅせきと首脳しゅのう会談かいだんを開催かいさいすることに意欲いよくを示しめし、中国ちゅうごくに歩み寄あゆみよりを迫せまっています。

しかし中国ちゅうごく側がわは閣僚かくりょう級きゅうの交渉こうしょうが不調ふちょうに終おわって以降いこう、アメリカの圧力あつりょくに屈くっしないという姿勢しせいを鮮明せんめいにしています。

現時点げんじてんでは交渉こうしょうが再開さいかいされる見通みとおしもなく、摩擦まさつの解消かいしょうを全まったく展望てんぼうできない状況じょうきょうに陥おちいっています。

中国ちゅうごくは長期ちょうき戦せんを視野しやか

中国ちゅうごくは、アメリカに徹底てっていして対抗たいこうする構かまえを示しめしています。

中国ちゅうごくメディアも、中国ちゅうごくがトランプ政権せいけんに報復ほうふくするためアメリカ産さんの大豆だいずの関税かんぜいを引き上ひきあげたことで、農家のうかが大おおきな痛手いたでを被こうむっていることなど、貿易ぼうえき摩擦まさつでアメリカ経済けいざいがダメージを受うけていると盛さかんに伝つたえるようになりました。

その一方いっぽうで、中国ちゅうごく政府せいふの幹部かんぶのインタビューを続々ぞくぞくと取り上とりあげ「貿易ぼうえき摩擦まさつで中国ちゅうごく経済けいざいに多少たしょうの影響えいきょうはあるが経済けいざいの基盤きばんは揺ゆるぎない」などと強気つよきの見方みかたを伝つたえています。

さらに国営こくえいテレビ局てれびきょくが、1950年代ねんだいの朝鮮ちょうせん戦争せんそうでアメリカと戦たたかった際さいの「抗こう米べい」をテーマにした白黒しろくろ映画えいがを５月ごがつ16日にちから６ろく日にち連続れんぞくで放映ほうえいしました。

さらに今月こんげつ20日にちには中国ちゅうごく共産きょうさん党とうの歴史れきしの中なかで最もっとも苦くるしい時期じきとされる国民党こくみんとうとの内戦ないせん時代じだいに行いった「長ちょう征ただし」の出発しゅっぱつ地ち 江西えにし省しょうの記念きねん公園こうえんを習近平ちから国家こっか主席しゅせきが訪おとずれ「今いま、新あらたな長ちょう征せいが始はじまった。われわれは国内外こくないがいの重大じゅうだいな戦たたかいに勝利しょうりしなければならない」とスピーチしたことを国営こくえいテレビが繰り返くりかえし放送ほうそうしました。

今いまの状況じょうきょうを中国ちゅうごく共産党きょうさんとうが苦境くきょうにあった内戦ないせん時代じだいと重ね合かさねあわせ、貿易ぼうえき摩擦まさつの長期ちょうき化かを覚悟かくごするよう国民こくみんに呼よびかけたという見方みかたも出でています。

米べい 元もと貿易ぼうえき交渉こうしょう担当たんとう者しゃ「米べいのねらいは強制きょうせい力りょくある合意ごうい」

トランプ政権せいけんは中国ちゅうごくに何なにを求もとめているのか。

トランプ政権せいけんで４月しがつまで中国ちゅうごくとの貿易ぼうえき交渉こうしょうを担当たんとうしたウィレムズ前ぜん大統領だいとうりょう副ふく補佐ほさ官かんは、アメリカには、中国ちゅうごくが長年ながねんにわたって約束やくそくを守まもってこなかったという根強ねづよい不信ふしん感かんがあるといいます。

ウィレムズ氏しは「トランプ政権せいけんは中国ちゅうごくとディールしたいが、過去かこの失敗しっぱいを繰り返くりかえすつもりはない。過去かこに結むすばれた中国ちゅうごくとの合意ごういは、内容ないようが明確めいかくでなかったため、中国ちゅうごくが従したがわなかった」と話はなし、交渉こうしょうで合意ごういした約束やくそくを中国ちゅうごくに確実かくじつに実行じっこうさせるために、アメリカは法律ほうりつの改正かいせいなどで強制きょうせい力りょくを持もたせるよう求もとめてきたことを明あきらかにしました。

また米べい中ちゅうの交渉こうしょうが暗礁あんしょうに乗り上のりあげたことについてウィレムズ氏しは「中国ちゅうごくは法律ほうりつを変かえることに反発はんぱつし、押し返おしかえし始はじめている。中国ちゅうごくの一部いちぶの強硬きょうこう派はが快こころよく思おもっていないからだ」と話はなし、中国ちゅうごく側がわが態度たいどを硬化こうかさせたことが原因げんいんだと指摘してきしています。

一方いっぽう、米べい中ちゅうが高たかい関税かんぜいをかけあい、対立たいりつが長期ちょうき化かするおそれが高たかまっていることについて、ウィレムズ氏しは「アメリカ政府せいふは、自分じぶんたちが強つよい立場たちばにあると認識にんしきしている。アメリカ経済けいざいは堅調けんちょうであり、強硬きょうこうな姿勢しせいを長期間ちょうきかん、貫つらぬけると考かんがえている」と述のべ、高たかい関税かんぜいがかかり続つづけてもアメリカ経済けいざいは持もちこたえることができると強気つよきの姿勢しせいを示しめしました。