能登半島地震で
大きな被害が
出た
石川県輪島市と
珠洲市の
中心部について、
専門家がAIを
使って
建物の
被害を
推定したところ、
少なくとも3
割が
全壊したとみられることがわかりました。
専門家は、
被害の
実態を
早期に
把握する
際の
参考にしてほしいとしています。
能登半島地震で大きな被害が出た輪島市と珠洲市では、地震から1か月がたった今も、建物の被害の全容が明らかになっていません。
防災計画が専門の金沢大学の藤生慎准教授は、現地調査の結果と国土地理院が撮影した航空写真をAIに学習させ、2つの市の中心部で、建物がどれだけ全壊したか推定しました。
その結果、それぞれ少なくとも、30%が全壊したとみられることがわかりました。
このうち輪島市では、火災で大きな被害を受けた「朝市通り」だけでなく、被害が集中する場所が各地に点在していたことも明らかになったということです。
建物の全壊など、被害の程度を把握することは、被災者が支援を受けるために必要な「り災証明書」の発行にも欠かせず、この手法を自治体に活用してもらえば、速やかな手続きにつながるとしています。
藤生准教授は「全壊した場所がわかるだけでも、ほかの建物の調査に人を割くことができ、効率化につながる。かぎられた要員で、多くの建物を調査する時などに活用してほしい」と話しています。