Japanese News: 体操全日本選手権女子決勝 19歳宮田笙子が初優勝

パリオリンピックの代表だいひょう選考せんこうをかねた体操たいそうの全ぜん日本にっぽん選手権せんしゅけんは女子じょしの決勝けっしょうが行おこなわれ、19歳さいのエース、宮田みやた笙子しょうこ選手せんしゅが初はじめての優勝ゆうしょうを果はたしました。

個人こじん総合そうごうで争あらそわれる体操たいそうの全ぜん日本にっぽん選手権せんしゅけんは大会たいかい3日にち目めの13日にち、群馬ぐんま県けん高崎たかさき市しで女子じょしの決勝けっしょうが行おこなわれました。

パリ大会たいかいの女子じょしの日本にっぽん代表だいひょうは5人にんで、全日本ぜんにほん選手権せんしゅけんの予選よせんと決勝けっしょうの合計ごうけい得点とくてんを持もち点てんに争あらそう、5月つきのNHK杯はいで選えらばれます。

11日にちの予選よせんでトップだった宮田みやた選手せんしゅは、1種目しゅもく目めの跳馬ちょうばで高こう難なん度どの「ユルチェンコ2回かいひねり」を高たかさのある跳躍ちょうやくで着地ちゃくちまでほぼ完璧かんぺきに決きめ、14.333とこの種目しゅもく首位しゅいに立たち、好こうスタートを切きりました。

力ちからを入いれてきたという2種目しゅもく目めの段違だんちがい平行棒へいこうぼうは安定あんてい感かんのある演技えんぎを見みせ、予選よせんよりも高たかい13.700をマークしました。

そして、最後さいごの種目しゅもくのゆかでも持ち味もちあじの表現ひょうげん力りょくを生いかした演技えんぎで13.166と4種目しゅもくを大おおきなミスなく終おえ、宮田みやた選手せんしゅは、予選よせんと決勝けっしょうの合計ごうけいで109.798をマークし、2位いに2点てん以上いじょうの大差たいさをつけて初はつ優勝ゆうしょうを果はたしました。

2位いは16歳さいの岸きし里奈りな選手せんしゅで、去年きょねんの世界せかい選手権せんしゅけんの個人こじん総合そうごうで日本にっぽん勢ぜいトップの11位いに入はいり、13日にちは得意とくいのゆかでH難なん度どの大技おおわざ「シリバス」を決きめるなど、得点とくてんを伸のばして合計ごうけい107.463でした。

3位いは去年きょねんの世界せかいジュニア選手権せんしゅけんで個人こじん総合そうごうを制せいした15歳さいの中村なかむら遥香はるか選手せんしゅで、得意とくいの平均へいきん台だいで難なん度どの高たかい技わざを次々つぎつぎと決きめて14.100の高こう得点とくてんをマークし合計ごうけい107.131でした。

宮田みやた笙子しょうこ「自分じぶんらしくできたと思おもう」

宮田みやた笙子しょうこ選手せんしゅは「今回こんかいは予選よせんから調子ちょうしがよかったからこそ、決勝けっしょうで失敗しっぱいできないといつもより緊張きんちょうしていた。それでも他たの選手せんしゅたちが失敗しっぱいなくつないでくれたので、楽たのしんで試合しあいができて演技えんぎ中ちゅうの表情ひょうじょう含ふくめて自分じぶんらしくできたと思おもう」と振り返ふりかえりました。

来月らいげつのNHK杯はいに向むけては「この1か月かげつの練習れんしゅうを大事だいじにしてよりいい状態じょうたいで試合しあいを迎むかえ、この大会たいかいよりもいい演技えんぎを見みせたいし、パリに向むけて応援おうえんしてもらえるような演技えんぎを見みせられるようにしたい」と意気込いきごみを示しめしました。

岸きし里奈りな「悔くやしい気持きもちがいちばん」

予選よせん4位いから決勝けっしょうで2位いに順位じゅんいを上あげた岸きし里奈りな選手せんしゅは「予選よせんではすごく緊張きんちょうがあったので、できるだけふだんどおりにやるように心こころがけた。それでも目指めざしていたのは優勝ゆうしょうだったので、悔くやしい気持きもちがいちばん。きょうの演技えんぎは少すこしミスがあったがまとめられたことはよかった。予選よせんのミスが本当ほんとうに悔くやしいと思おもう」と話はなし、笑顔えがおはありませんでした。

来月らいげつのNHK杯はいに向むけては「今回こんかい見みつかった課題かだいを修正しゅうせいしてもっと余裕よゆうを持もって演技えんぎをすることができればいいと思おもう」と話はなしていました。

中村なかむら遥香はるか「オリンピック夢ゆめが目標もくひょうに」

3位いに入はいった15歳さいの中村なかむら遥香はるか選手せんしゅは「目標もくひょうとしていた3位い以内いないに入いれたことはうれしいが攻せめた演技えんぎはできなかったのでそこは今後こんごの課題かだいだと思おもう。平均へいきん台だいはよかったが跳馬ちょうばと段違だんちがい平行棒へいこうぼうは練習れんしゅうしていた、難なん度どを上あげた構成こうせいでできなかったので自信じしんを持もってできるようにしていきたい」と振り返ふりかえりました。

そのうえでオリンピック代表だいひょう内定ないていがかかる来月らいげつのNHK杯はいに向むけては「オリンピックは自分じぶんが出でるものではなく、テレビで見みるものだと思おもっていたが、今いまは夢ゆめが目標もくひょうに変かわっている。そこに一いち歩ほ近ちかづけたと思おもうし、ここまできたら代表だいひょうに入いれるようNHK杯はいも頑張がんばりたい」と話はなしていました。

田中たなか女子じょし強化きょうか本部ほんぶ長ちょう「54点てん超こえる選手せんしゅもう1人にんくらい」

日本にっぽん体操たいそう協会きょうかいの田中たなか光ひかり女子じょし強化きょうか本部ほんぶ長ちょうは、大会たいかいの結果けっかを受うけて「結果けっかを見みれば順当じゅんとうな形かたちかなと思おもう。宮田みやた選手せんしゅは予選よせん決勝けっしょうを通をつうじて安定あんていしていたし、エースとしての自覚じかくが出でてより頼たよれる存在そんざいになったと感かんじている。岸きし選手せんしゅや中村なかむら選手せんしゅなど若わかい選手せんしゅもこの勢いきおいをもってNHK杯はいに向むかっていってもらいたいと思おもう」と話はなしました。

そのうえで「個人こじん総合そうごうの4種目しゅもくの合計ごうけいで54点てんを超こえる選手せんしゅが3人にんは欲ほしいと思おもっている。今いまその力ちからがあるのは宮田みやた選手せんしゅと岸きし選手せんしゅだが、若手わかてでもベテランでも54点てんを超こえる選手せんしゅがもう1人にんくらい出でてきてほしいと思おもうし、NHK杯はいはそこに期待きたいしたい」と話はなしていました。

宮田みやた笙子しょうこ培つちかった自信じしんを胸むねに

「オリンピック代表だいひょうに選えらばれてほしいと思おもわれるような演技えんぎがしたい」という言葉ことばどおり、宮田みやた笙子しょうこ選手せんしゅが初はつ優勝ゆうしょうをつかみ、パリオリンピックへ大おおきく前進ぜんしんしました。

東京とうきょうオリンピックの後のち、代表だいひょうメンバーを引っ張ひっぱってきたベテラン選手せんしゅたちが次々つぎつぎと引退いんたいし、次期じきエースとして大おおきな期待きたいを背負せおった宮田みやた選手せんしゅ。

去年きょねんは全ぜん日本にっぽん選手権せんしゅけんのおよそ1か月かげつ前まえに右足みぎあしの疲労ひろう骨折こっせつが判明はんめいし、「ギリギリの状態じょうたい」で、自信じしんを持もって大会たいかいに臨のぞめる状態じょうたいではありませんでした。

宮田みやた選手せんしゅはこの経験けいけんをきっかけに、競技きょうぎとの向き合むきあい方かたを大おおきく変かえます。

練習れんしゅう以外いがいの時間じかんも「歩あるく1歩ほですら気きをつける」と万全ばんぜんの状態じょうたいで演技えんぎできるか、常つねに意識いしきし生活せいかつしたといいます。

体からだのケアも徹底てっていするようになりました。

足あしの負担ふたんを軽減けいげんさせるために股関節こかんせつの柔軟じゅうなん性せいを高たかめようと努つとめ、演技えんぎでも無理むりなく下半身かはんしんが使つかえるようになりました。

さらに、オリンピック代表だいひょうの座ざをつかむために目指めざしたのが、「失敗しっぱいしないのが当たり前あたりまえの状況じょうきょうを作り上つくりあげる」ことです。

去年きょねんの世界せかい選手権せんしゅけんで「ミスをしないチームになれば、日本にっぽん女子じょしもメダルを獲得かくとくできる」と痛感つうかんしたからでした。

特とくに落下らっかの危険きけんがある段違だんちがい平行棒へいこうぼうと平均へいきん台だいは、本番ほんばんと同おなじように通とおしで演技えんぎする『通とおし練習れんしゅう』を毎日まいにち3本ほん連続れんぞくで行おこなうなど、失敗しっぱいしないようになるまで“作業さぎょう”のように繰り返くりかえしたといいます。