日本新聞: 盗撮児童ポルノ画像検察が押収データ消去可能に制度始まる

盗と撮と児童じどうポルノ画像がぞう検察けんさつが押収おうしゅうデータ消去しょうきょ可能かのうに制度せいど始はじまる

Jun 20, 2024 05:06 1

Furigana

盗と撮となどの被害ひがい者しゃが抱かかえる不安ふあんに対応たいおうする新あらたな制度せいどが、20日にちから始はじまります。盗と撮とや児童じどうポルノの画像がぞうデータなどを、事件じけん化かされるかどうかにかかわらず、検察けんさつが行政ぎょうせい処分しょぶんとして消去しょうきょできるようになりました。

法務省ほうむしょうによりますと、これまでは捜査そうさで押収おうしゅうされた盗と撮とや児童じどうポルノの画像がぞうデータを記録きろくした媒体ばいたいは、所有しょゆう者しゃが有罪ゆうざいにならないかぎり没収ぼっしゅうできず、事件じけん化かされなかった場合ばあいは、捜査そうさ機関きかんが所有しょゆう者しゃに任意にんいのデータ消去しょうきょを求もとめていました。

しかし、所有しょゆう者しゃが消去しょうきょに応おうじず違法いほう性せいのある画像がぞうデータがそのまま返還へんかんされるケースもあり、被害ひがい者しゃなどから拡散かくさんや2次じ被害ひがいを懸念けねんする声こえがあがっていました。

20日にちに始はじまった新あらたな制度せいどは去年きょねん成立せいりつした盗と撮とを取り締とりしまる法律ほうりつに基もとづくもので、盗と撮とや児童じどうポルノ、リベンジポルノにあたる違法いほう性せいのあるデータなどを押収おうしゅうした際さいには、事件じけん化かされていなくても検察官けんさつかんが行政ぎょうせい処分しょぶんとして消去しょうきょしたり廃棄はいきしたりできるようになります。

また、クラウドなど外部がいぶのサーバーにあるデータも所有しょゆう者しゃに消去しょうきょを命めいじることができます。

一緒いっしょに保存ほぞんされていた関係かんけいないデータについては、所有しょゆう者しゃが求もとめればコピーを交付こうふします。

元もと検事けんじ「盗と撮と画像がぞうの拡散かくさん防止ぼうしで大おおきな意義いぎ」

元もと検事けんじで、盗と撮と事件じけんなどの捜査そうさ経験けいけんがある高橋たかはし麻理まり弁護士べんごしは、これまでの制度せいどの課題かだいについて「起訴きそされない場合ばあいなどでは、持ち主もちぬしが所有しょゆう権けんを放棄ほうきしないかぎり問題もんだいのある画像がぞうを返かえさなくてはならなかった。SNSなどで広ひろく拡散かくさんされるリスクが身近みぢかにある中なか、盗と撮となどの被害ひがい者しゃが抱かかえる不安ふあんにきちんと対応たいおうできる制度せいど設計せっけいになっていなかった」と述のべました。

そのうえで、新あらたな制度せいどについて「所有しょゆう者しゃを起訴きそしない場合ばあいでも検察官けんさつかんの行政ぎょうせい処分しょぶんとして消去しょうきょできるようになったのが大おおきい。これまで返却へんきゃくせざるを得えなかったものも消去しょうきょできるようになるため、盗と撮と画像がぞうなどの拡散かくさんを防止ぼうしでき、大おおきな意義いぎがある」と期待きたいを示しめしました。

また、一緒いっしょに保存ほぞんされていた関係かんけいないデータのコピーを所有しょゆう者しゃに交付こうふする手続てつづきについて「膨大ぼうだいなデータを選り分えりわけるのは、現実げんじつ問題もんだいとして難むずかしいところがあるが、こうした手続てつづきがきちんと保障ほしょうされるか注視ちゅうしする必要ひつようがある」と指摘してきしました。