選手せんしゅの安全あんぜんを守まもる 7イニング制せい導入どうにゅうの本格ほんかく議論ぎろん開始かいしへ 高野連こうやれん

高校こうこう野球やきゅうでは、これまで延長えんちょうのイニング数すうの制限せいげんやタイブレークの導入どうにゅうのほか、試合しあい途中とちゅうに体からだを冷ひやして休やすめる「クーリングタイム」の設置せっち、さらにこの夏なつには気温きおんが上あがる時間じかん帯たいを避さけて、試合しあいを午前ごぜんと夕方ゆうがたに分わけて行おこなう2部ぶ制せいを一部いちぶの日程にっていで計画けいかくするなど安全あんぜん対策たいさくが講こうじられてきました。

こうした中なか、高野連こうやれんは2日にち、理事りじ会かいを開ひらいて暑あつさが厳きびしさを増ます中なかでさらなる対策たいさくを図はかろうと、試合しあいをこれまでの9イニング制せいから7イニング制せいに変更へんこうすることを検討けんとうするワーキンググループを設置せっちし、今後こんごの導入どうにゅうに向むけた議論ぎろんを本格ほんかく的てきに始はじめることを決きめました。

高野連こうやれんによりますとこれまで6月つきと7月つきの2回かいにわたって会合かいごうを開ひらき協議きょうぎを始はじめていて、ワーキンググループでは甲子園こうしえん球場きゅうじょうで行おこなわれる春はると夏なつの全国ぜんこく大会たいかいだけでなく、地方ちほう大会たいかいを含ふくめた通年つうねんの高校こうこう野球やきゅうを対象たいしょうに、7イニング制せい導入どうにゅうのメリットとデメリットを議論ぎろんし、広ひろい視点してんで日本にっぽんの高校こうこう野球やきゅうに役立やくだつかどうかを検討けんとうしていくということです。

高野連こうやれんではことし12月つきに開ひらかれる理事りじ会かいでワーキンググループで整理せいりした内容ないようを報告ほうこくするとしています。

7イニング制せいが導入どうにゅうされることになれば、試合しあい時間じかんが短縮たんしゅくされ観客かんきゃくを含ふくめた暑あつさ対策たいさくにつながる一方いっぽう、試合しあいの戦たたかい方かたや選手せんしゅの出場しゅつじょう機会きかいにも影響えいきょうが出でるとみられ、高校こうこう野球やきゅうのあり方ありかたをめぐる議論ぎろんの行方ゆくえに注目ちゅうもくが集あつまりそうです。

海外かいがいの高校生こうこうせい年代ねんだいの試合しあいは7イニング制せいで実施じっし

日本にっぽんの高校こうこう野球やきゅうは9イニング制せいで行おこなわれていますが、国際こくさい大会たいかいや海外かいがいの高校生こうこうせい年代ねんだいの試合しあいではすでに7イニング制せいで実施じっしされているほか、国内こくないでもコロナ禍かに開催かいさいされたことがあります。

高野連こうやれん＝日本にっぽん高校こうこう野球やきゅう連盟れんめいによりますと海外かいがいではアメリカやドミニカ共和国どみにかきょうわこく、台湾たいわん、韓国かんこく、オーストラリアなどで、高校生こうこうせい年代ねんだいの試合しあいは7イニング制せいで実施じっしされています。

日本にっぽんの高校こうこう野球やきゅうでは、2020年ねんに新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで夏なつの全国ぜんこく高校こうこう野球やきゅうが中止ちゅうしになるなかで行おこなわれた地方ちほうの「独自どくじ大会たいかい」で、休校きゅうこう期間きかんで十分じゅうぶんな練習れんしゅうができていない選手せんしゅの負担ふたんを考慮こうりょして、京都きょうとや埼玉さいたまなど一部いちぶの大会たいかいで7イニング制せいが取り入とりいれられました。

高校こうこう以上いじょうのカテゴリーの大会たいかいは原則げんそく、9イニング制せいで行おこなわれていますが、日本にっぽんの社会しゃかい人じん野球やきゅうでは試合しあい時間じかんを短縮たんしゅくして競技きょうぎの普及ふきゅうにつなげようと、去年きょねんから一部いちぶの大会たいかいを7イニング制せいで行おこなう実証じっしょう実験じっけんが始はじまっています。

選手せんしゅの負担ふたんを減へらすため これまでにルールや対策たいさくも

高校こうこう野球やきゅうではこれまでも選手せんしゅの負担ふたんを減へらすためさまざまなルールや対策たいさくが講こうじられてきました。

このうちイニング数すうの制限せいげんは、高校こうこう野球やきゅうではかつて延長えんちょうのイニングに制限せいげんがなく、1933年ねんの夏なつの甲子園こうしえんでは大会たいかい史上しじょう最もっとも長ながい延長えんちょう25回かいまで続つづいた試合しあいもありました。

その後そのご、1人にんのピッチャーが多おおくの球たま数すうを投なげることなどが問題もんだいとなり、延長えんちょうは、1958年ねんの夏なつの甲子園こうしえんから18回かいまで、2000年ねんからは15回かいまでとし、決着けっちゃくがつかない場合ばあいは、引き分ひきわけ再さい試合しあいとしていました。

2018年ねんからは、延長えんちょう戦せんで決着けっちゃくをつけやすくするため延長えんちょう13回かいからノーアウト一塁いちるい・二塁にるいで攻撃こうげきを始はじめるルールで「タイブレーク」が導入どうにゅうされました。

さらに去年きょねんからは、タイブレークを始はじめるイニングを延長えんちょう10回かいからに早はやめて対策たいさくを進すすめています。

試合しあい間隔かんかくを空あける対策たいさくも取とられています。

2013年ねんの夏なつの甲子園こうしえんからは、全国ぜんこく大会たいかいで試合しあいがない休養きゅうよう日びが設もうけられました。

現在げんざいは、センバツで2日にち、夏なつの甲子園こうしえんで3日にちの休養きゅうよう日びが日程にっていに含ふくまれているほか、都道とどう府県ふけんや地区ちくの大会たいかいでも3日間にちかん続つづけての試合しあいにならないよう日程にっていが組くまれています。

また2020年ねんからは、1人にんのピッチャーの投球とうきゅう数すうを1週間しゅうかんで500球きゅう以内いないとする球たま数すう制限せいげんが導入どうにゅうされました。

暑あつさが年々ねんねん厳きびしくなる中なか、近年きんねんは夏なつの全国ぜんこく高校こうこう野球やきゅうで地方ちほう大会たいかいを含ふくめてさまざまな暑あつさ対策たいさくが取とられています。

このうち夏なつの甲子園こうしえんでは、去年きょねんから5回かい終了しゅうりょう後ごに「クーリングタイム」を導入どうにゅうし、選手せんしゅたちが冷房れいぼうの効きいたスペースで10分間ふんかんの休息きゅうそくをとれるようにしたほか、今月こんげつ7日にちに開幕かいまくすることしの大会たいかいでは、試合しあいを午前ごぜんと夕方ゆうがたに分わけて行おこなう「2部ぶ制せい」を一部いちぶの日程にっていで初はじめて導入どうにゅうします。