卓球女子シングルスは2日、準決勝が行われ、日本のエースで、世界5位の早田選手は世界1位の中国の孫穎莎選手と対戦しました。
早田選手は、序盤から孫選手の巧みなサービスやドライブの前にリズムをつかめず第1ゲームを6対11、第2ゲームを8対11と連続で落としました。
続く、第3ゲームも追う展開となりましたがコースを変えたサービスに加え、相手の強打にも冷静に対応して4連続ポイントを奪うなど競り合いに持ち込みました。
しかし、勝負どころでポイントを奪われ、このゲームも8対11で落とした早田選手は、第4ゲームも失いゲームカウント0対4のストレートで敗れ、決勝進出はなりませんでした。
早田選手は3日に行われる3位決定戦で、世界8位の韓国のシン・ユビン選手と銅メダルをかけて対戦します。
早田「自分のプレーが発揮できず申し訳ない気持ち」
早田選手は「自分のコンディションが100%ではなく限界を感じましたが、最後までプレーすることができてよかったと思います。きょうのために3年間頑張ってきました。技術や通用する部分もありましたが、自分のプレーが発揮できず今まで関わってくださった皆さんに申し訳ない気持ちです」と目に涙を浮かべながら話しました。
そして、3日に行われる3位決定戦に向けては「どれだけのプレーができるかわからないが、しっかり休んで、後悔しないように頑張りたいです」と話していました。
「打倒・孫選手」を掲げ対策練る
出場を逃した東京オリンピック後、日本女子のエースに成長した早田ひな選手。
準決勝で目標としてきた世界ランキング1位の中国の孫頴莎選手に挑みました。
早田選手はことし2月の団体の世界選手権で中国に惜敗し、準優勝に終わってからの半年間、改めてこれまで15戦全敗の孫選手について「ほかの中国選手とは比べものにならない。勝つためには、孫選手にフォーカスした練習をしないと超えられない」と話し、「打倒・孫選手」を掲げてきました。
フィジカル面の向上とともに、技術面ではサーブの種類を増やしたほか、ミリ単位でコースを考えて打ち込む練習をするなど、細部にまで徹底的にこだわってきました。
また、過去の対戦映像を何度も見返し、失点につなかった場面を中国人の練習パートナーに再現してもらって対策を練るなど、と言います。
試合後 早田「後悔なくプレーして銅メダルを目指す」
準々決勝の試合後には「体力面、技術面、精神面すべてがそろってようやく勝てるかどうか」と話し、メダルがかかる準決勝の大一番を迎えました。
しかし、試合会場に姿を現した早田選手の利き腕の左腕には、黒いテーピングが張られていました。
試合では、強化してきた多彩なサーブや絶妙なコースをつくショットで得点を奪う場面もありましたが、レシーブで簡単にミスをしたり、ラリーに打ち負けたりと精彩を欠きました。
ゲームが終わるごとにトレーナーに左腕を確認してもらうなど、万全の状態でないことは明らかで、ストレート負けを喫しました。
試合後、早田選手は、左腕を痛めていることを明かしと涙ながらに語りました。 また、3位決定戦に向けてはと語りました。 石田コーチ「どこまでやれるかを探しながら」 石田大輔コーチは「腕に違和感があり、筋肉疲労とのバランスで痛みが出ている。3位決定戦は勝ち負けと言うより、早田選手自身がどこまでやれるかを探しながらプレーできたら良いと思う」と話しました。 「打倒・孫選手」はならなかったものの、日本のエースとして目指す銅メダル。 多くの支えが後押しします。