トランプ次期じき大統領だいとうりょうの就任しゅうにん式しき前まえにワシントンで大だい規模きぼなデモ

アメリカの首都しゅとワシントンでは18日にち、トランプ氏しの大統領だいとうりょう就任しゅうにん式しきが2日にち後ごに迫せまる中なか、トランプ氏しのこれまでの過激かげきな発言はつげんや政策せいさくに反発はんぱつする人ひとたちが集あつまり、大だい規模きぼなデモを行おこないました。

共和党きょうわとうのトランプ氏しは、大統領だいとうりょう就任しゅうにん後ご、バイデン政権せいけんが進すすめてきた政策せいさくを大おおきく転換てんかんするとしていて、民主みんしゅ党とうを支持しじするリベラル層そうなどからは懸念けねんの声こえが上あがっています。

参加さんか者しゃたちは気候きこう変動へんどう対策たいさくの推進すいしんや、女性じょせいの人工じんこう妊娠にんしん中絶ちゅうぜつの権利けんり、そして、移民いみんや性的せいてきマイノリティーの人ひとなどの権利けんりを尊重そんちょうするよう訴うったえながら、街まちの中心ちゅうしん部ぶを行進こうしんしました。

デモに参加さんかした女性じょせいは「トランプ氏しや彼かれの政策せいさくは私わたしや、私わたしが大切たいせつに思おもっている人々ひとびとにとって脅威きょういであり、とても心配しんぱいしている」と話はなしていたほか、別べつの男性だんせいは「トランスジェンダーの権利けんりや男女だんじょ平等びょうどうを気きにしていて、私わたしたち全員ぜんいんが、安全あんぜんで平等びょうどうな生活せいかつを送おくれることを願ねがう」と話はなしていました。

ニューヨークでも抗議こうぎデモ

トランプ次期じき大統領だいとうりょうの就任しゅうにん式しきを控ひかえ、ニューヨークの各地かくちでも18日にち、抗議こうぎデモが行おこなわれました。このうちニューヨークのハーレムで開ひらかれた集会しゅうかいには、中南米ちゅうなんべいやアフリカ、アジアなど世界せかい各地かくちからの移民いみんや支援しえん者しゃが集あつまりました。

参加さんか者しゃは「移民いみん追放ついほうに反対はんたいする」「われわれはここに残のこり続つづける」などと声こえを上あげながらデモ行進こうしんし、移民いみんはニューヨークやアメリカ社会しゃかいの重要じゅうような一部いちぶだと訴うったえていました。

参加さんか者しゃのうちフィリピンからの移民いみん2世せいの男性だんせいは「多おおくの移民いみんがこの国くにを作つくり、支ささえることに大おおきく貢献こうけんしてきた。それを無視むしして移民いみんを脅威きょういだとか暴力ぼうりょくだとか単純たんじゅん化かするメッセージには非常ひじょうに心配しんぱいしている」と話はなし、トランプ次期じき政権せいけんが進すすめようとしている移民いみん政策せいさくに懸念けねんを示しめしていました。

また別べつの場所ばしょで人権じんけん団体だんたいなどが開ひらいた集会しゅうかいにはおよそ1500人にんが集あつまり、女性じょせいや性的せいてきマイノリティーの権利けんりを訴うったえていました。

参加さんか者しゃのうちトランプ次期じき大統領だいとうりょうとイーロン・マスク氏しらの写真しゃしんを並ならべたプラカードを掲かかげた男性だんせいは「トランプ氏しが就任しゅうにん式しきに億おく万まん長者ちょうじゃを集あつめたやり方やりかたが心配しんぱいだ。彼かれと仲良なかよくしなければならないというメッセージを送おくっているようなものだ。人々ひとびとは反発はんぱつを恐おそれずに意見いけんを表明ひょうめいすることができなくなるだろう」と話はなしていました。

【解説かいせつ】ワシントン支局しきょく 根本ねもと幸太郎こうたろう記者きしゃ

Q.就任しゅうにん式しき直前ちょくぜんの大だい規模きぼデモということですが、アメリカではトランプ氏しの就任しゅうにんはどう受け止うけとめられているのでしょうか。

A.市民しみんの間まではトランプ氏しへの期待きたいと不安ふあんが交錯こうさくしています。

今回こんかいのデモは、私わたしが、この数すう年ねん、取材しゅざいしてきた中なかでも特とくに規模きぼが大おおきく、トランプ氏しへの反発はんぱつ、そして、トランプ政権せいけん発足ほっそく後ごも「自分じぶんたちの声こえをかき消かきけされたくない」という参加さんか者しゃの強つよい思おもいを感かんじました。

民主党みんしゅとう支持しじ層そうなどで強つよまっているのはバイデン政権せいけんが重視じゅうしした気候きこう変動へんどう対策たいさくや多様たよう性せいの推進すいしんなどの流ながれが、トランプ氏しのもとで後退こうたいするのではないか、という懸念けねんです。

一方いっぽう、就任しゅうにん式しきに向むけ、ワシントンには、トランプ氏しを支持しじする人ひとたちも続々ぞくぞくと集あつまってきていて、トランプ氏しが変化へんかをもたらすことへの期待きたい感かんも高たかまっています。

こうした中なか、トランプ氏しにとっての課題かだいは、やはり、アメリカの分断ぶんだんをいかに癒やすか、ということだと思おもいます。

最近さいきんは、党派とうは間かんの激はげしい対立たいりつで、議会ぎかいで法案ほうあんや予算よさん案あんの調整ちょうせいに時間じかんがかかり、たびたび政治せいじが停滞ていたいするほか、トランプ氏しへの暗殺あんさつ未遂みすい事件じけんが起おきるなど、政治せいじ的てき暴力ぼうりょくへの懸念けねんも高たかまっています。

トランプ氏しが就任しゅうにん式しきの演説えんぜつで、アメリカの団結だんけつに向むけて国民こくみんにどのようなメッセージを打うちだすのか、全米ぜんべいの目めが注そそがれることになります。