7～8月つきの山岳さんがく遭難そうなん 統計とうけい開始かいし後ご最多さいた738件けん 死者ししゃ 行方ゆくえ不明ふめい者しゃ61人にんに

今年ことし7月つきと8月つきの山岳さんがく遭難そうなんは統計とうけいを取とり始はじめてから最もっとも多おおくなり、9月つきに入はいっても死亡しぼう事故じこなどが相次あいついでいて、警察けいさつが注意ちゅういを呼よびかけています。

「これは死しぬかもしれないと…」滑落かっらくし救助きゅうじょの女性じょせい

「斜面しゃめんを転ころがり落おちている間ま、『これは死しぬかもしれない』と思おもいました」

今年ことし7月つき、北アルプスきたあるぷすで登山とざん道どうから滑落かっらくして救助きゅうじょされた東京とうきょうの50代だいの女性じょせいのことばです。

女性じょせいは1泊はく2日にちの登山とざんツアーに参加さんかしてガイドらと10人にん余あまりで白馬はくば岳だけなどを縦走じゅうそうし、2日にち目め、山頂さんちょうから下山げざんするため「白馬しろうま大だい雪渓せっけい」に向むかう途中とちゅうに、崩くずれやすい岩いわが多おおい登山とざん道どうでよろけて転倒てんとうし、10メートルほど滑落かっらくしました。

全身ぜんしんを強つよく打うったうえ頭あたまから出血しゅっけつしていたため自力じりきで下山げざんできなくなり、要請ようせいを受うけて出動しゅつどうした救助きゅうじょ隊員たいいんなどに背負せおってもらって下山げざんしたということです。

救助きゅうじょされた女性じょせい

「コロナ禍かの間まは登山とざんに行いくのを控ひかえていて、外出がいしゅつ自粛じしゅく期間きかんが終おわり、行いきたかった山やまにようやく行いったものの、体力たいりょくがかなり落おちていると感かんじました。行動こうどう時間じかんが長ながく疲つかれが出でて、集中しゅうちゅう力りょくが落おちていたのだと思おもいます。自分じぶんの体力たいりょくに見みあったツアーを選択せんたくすべきでした。幸さいわい命いのちに関かかわる事故じこにならず軽かるいけがですみましたが、多おおくの方ほうのお世話おせわになりご迷惑めいわくをかける結果けっかとなり、自分じぶん自身じしんの一瞬いっしゅんのミスの重おもさを感かんじています」

7～8月つきは統計とうけい開始かいし後ご最多さいた738件けん 死者ししゃ・行方ゆくえ不明ふめい者しゃは61人にんに

警察庁けいさつちょうのまとめによりますと、今年ことし7月つきと8月つきに全国ぜんこくで発生はっせいした山岳さんがく遭難そうなんは、あわせて738件けん、809人にんと、件数けんすう、人数にんずうともに1968年ねんに統計とうけいを取とり始はじめてから最もっとも多おおくなりました。

都道とどう府県ふけん別べつの遭難そうなん者しゃは、

▽長野ながの県けんが101人にんと最もっとも多おおく、

次ついで

▽静岡しずおか県けんが85人にん、

▽富山とやま県けんが59人にん、

▽山梨やまなし県けんが45人にん、

▽岐阜ぎふ県けんが40人にんなどとなっています。

年代ねんだい別べつでは、

▽60代だいが22％と最もっとも多おおく、

次ついで

▽70代だいが20％、

▽50代だいが19％、

▽40代だいが14％などとなっています。

山岳さんがく遭難そうなんによる死者ししゃ・行方ゆくえ不明ふめい者しゃは、7月つきと8月つきだけであわせて61人にんにのぼっています。

7月つきと8月つきの山岳さんがく遭難そうなんの件数けんすうが都道とどう府県ふけん別べつで最もっとも多おおかった長野ながの県けんでは、今月こんげつ18日にちまでの1週間しゅうかんだけで20件けんの遭難そうなんがあり、1人にんが死亡しぼうしたほか12人にんがけがをしました。

態様たいよう別べつでは「滑落かっらく」が6件けんと最もっとも多おおく3割わりを占しめていて、

次ついで、

▽バランスを崩くずして転ころぶなどの「転倒てんとう」が3件けん、

▽「落石らくせき」とロッククライミング中ちゅうなどの「転落てんらく」がぞれぞれ2件けんでした。

長野ながの県警けんけい山岳さんがく安全あんぜん対策たいさく課か

「新型しんがたコロナの制限せいげん緩和かんわを受うけてひさしぶりに登山とざんを再開さいかいする人ひとが増ふえる中なか、難易なんい度どが高たかくない一般いっぱん登山とざん道どうでも遭難そうなんが相次あいついでいる。特とくに加か齢よわいや体力たいりょく不足ふそくに伴ともなう疲労ひろうで下山げざん中ちゅうに足下あしもとがふらつき、滑落かっらくしたり転倒てんとうしたりする事故じこが多おおいので、日頃ひごろからトレーニングを行おこない、自分じぶんの体力たいりょくにあった山やまを選えらんで登山とざんを楽たのしんでほしい」

9月つきも事故じこ相次あいつぐ 警察けいさつ「紅葉こうようシーズンで今後こんごも増ふえるおそれ」

9月つきに入はいってからも山やまの事故じこが相次あいついでいて、登山とざん者しゃに人気にんきの北アルプスきたあるぷすだけでも、五竜ごりゅう岳だけ（10日にち）、鹿島槍ヶ岳かしまやりがだけ（11日にち）、赤岩あかいわ岳たけし（14日にち）で登山とざん者しゃが滑落かっらくして死亡しぼうする事故じこが起おきています。

また20日にちには北海道ほっかいどうの山やまでも沢さわ登のぼりをしていた男性だんせいが滑落かっらくし、その後そのご死亡しぼうが確認かくにんされました。

警察庁けいさつちょうは「これから紅葉こうようシーズンを迎むかえ登山とざん者しゃが増ふえるので、今後こんごも遭難そうなん者しゃが増ふえるおそれがある。自分じぶんの実力じつりょくに見合みあった無理むりのない登山とざん計画けいかくを立たて、装備そうび品ひんなどをしっかり準備じゅんびしてほしい」と呼よびかけています。

登山とざん指導しどう者しゃ「体調たいちょう変化へんか感かんじたら早はやめに下山げざんなど対策たいさくを」

また登山とざん指導しどうなどを行おこなっている公益社こうえきしゃ団だん法人ほうじん日本にっぽん山岳さんがく・スポーツクライミング協会きょうかいの小野寺おのでら斉ひとし専務せんむ理事りじは、「今年ことしは滑落かっらく事故じこが多おおく発生はっせいしていて、特とくに40代だい、50代だいなど中年ちゅうねんの登山とざん者しゃの事故じこが目立めだつ。新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうが落ち着おちついてきて山やまに登のぼる人ひとが増ふえているが、コロナ禍か前まえの体力たいりょくに戻もどっていないことに気きづかないまま登のぼってしまい、事故じこに遭あうケースがみられる。さらに、暑あつさの影響えいきょうで体調たいちょう管理かんりができていないなど、さまざまな要因よういんが重かさなって事故じこが相次あいついでいるのだろう」と指摘してきしています。

その上うえで「いつも行いっている山やまより少すこしレベルを下さげて登のぼり、体調たいちょうの変化へんかを感かんじたら早はやめに下山げざんするなど、対策たいさくをとったうえで体調たいちょう管理かんりに気きをつけながら登山とざんを楽たのしんでほしい」と話はなしていました。

※タイトルを修正しゅうせいしました。