日本新聞: 2024年「新語・流行語大賞」30の候補発表【一覧で詳しく】

2024年ねんの「新語しんご・流行りゅうこう語ご大賞たいしょう」の候補こうほとなる30のことばが5日にち、発表はっぴょうされました。大谷おおや翔しょう平ひら選手せんしゅが達成たっせいした大リーグだいり-ぐの新しん記録きろく「50-50」など話題わだいとなった30のことばがノミネートされています。

「新語しんご・流行りゅうこう語ご大賞たいしょう」は、この1年間ねんかんに話題わだいとなった出来事できごとや発言はつげん、流行りゅうこうからその年としを代表だいひょうすることばを選えらぶもので、5日にち、ことしの候補こうほとなる30のことばが発表はっぴょうされました。

このうち、スポーツに関にかんするものとして、大リーグだいり-ぐ、ドジャースの大谷おおや翔しょう平ひら選手せんしゅが1シーズンでホームラン50本ほん、50盗塁とうるいを達成たっせいした新しん記録きろく、「50-50」がノミネートされています。

また、ことし夏なつに開ひらかれたパリオリンピック・パラリンピックに関にかんすることばも多おおく、

▽車くるまいすテニス・男子だんしシングルスで金メダルきんめだるに輝かがやいた小田おだ凱人じん選手せんしゅの発言はつげん、「やばい、かっこよすぎる俺おれ」、

▽馬術ばじゅつの総合そうごう馬術ばじゅつ団体だんたいで銅メダルどうめだるを獲得かくとくしたチーム4人にんの平均へいきん年齢ねんれいが41歳さいだったことが話題わだいになった「初老しょろうジャパン」などがノミネートされました。

そして、音楽おんがくやドラマからは、

▽ヒップホップユニット「Creepy Nuts」の楽曲がっきょくでサビのフレーズがダンス動画どうがでも話題わだいになった「Bling-Bang-Bang-Born」、

▽NHKの連続れんぞくテレビ小説しょうせつ「虎とらに翼つばさ」で伊藤いとう沙いさご莉さん演えんじる主人公しゅじんこうの寅とら子こが納得なっとくできない場面ばめんで発はっするセリフ「はて？」、

▽Netflixが配信はいしんするドラマ「地面じめん師したち」でのピエール瀧たきさんのセリフ「もうええでしょう」などがノミネートされています。

さらに、時事じじ問題もんだいに関にかんすることばも多おおく選えらばれ、

▽日向ひなた灘なだを震源しんげんとする8月つきの地震じしんを受うけて次つぎの巨大きょだい地震じしんへの注意ちゅういを呼よびかけるために気象庁きしょうちょうが発表はっぴょうした「南海なんかいトラフ地震じしん臨時りんじ情報じょうほう」、

▽被爆ひばく者しゃの立場たちばから核兵器かくへいきの廃絶はいぜつを訴うったえ、ことしのノーベル平和へいわ賞しょうに選えらばれた日本にっぽん原水爆げんすいばく被害ひがい者しゃ団体だんたい協議きょうぎ会かいを示しめす「被団協ひだんきょう」もノミネートされています。

このほか、

▽政治せいじとカネをめぐる「裏金うらがね問題もんだい」、

▽SNSを通つうじた求人きゅうじんで闇やみバイトではないことをアピールする際さいに用もちいられる「ホワイト案件あんけん」

▽全国ぜんこくでコメの品薄しなうすが広ひろがった「令りょう和わの米べい騒動そうどう」といったことばも選えらばれています。

2024年ねんの傾向けいこうについて選考せんこう委員いいん会かいは「1月つきに能登のと半島はんとう地震じしんが発生はっせいし暗くらいニュースからのスタートとなったが、オリンピック、大谷おおや選手せんしゅの活躍かつやくなど話題わだいは数多かずおおくみられた。責任せきにんをもたない風潮ふうちょうの世の中よのなか、光ひかりと闇やみが混在こんざいした年としであり、嵐あらしの前まえの静しずけさを感かんじさせる」などとコメントしています。

「新語しんご・流行りゅうこう語ご大賞たいしょう」は12月つき2日にちに年間ねんかん大賞たいしょうやトップテンが発表はっぴょうされる予定よていです。

ノミネートされた30の「新語しんご・流行りゅうこう語ご」一覧いちらん

「ユーキャン新語しんご・流行りゅうこう語ご大賞たいしょう」事務じむ局きょくのまとめより

アサイーボウル

果物くだもののアサイーのスムージーを、シリアルなどとともにボウルに盛もりつけるもの。ブラジル発祥はっしょうでハワイで人気にんきが拡大かくだい。日本にっぽんでは2000年代ねんだい中期ちゅうきに流行りゅうこうし、現在げんざい再さい流行りゅうこう中ちゅう。

アザラシ幼稚園ようちえん

オランダ・フローニンゲン州しゅうにある負傷ふしょう・衰弱すいじゃくしたアザラシを一時いちじ保護ほごする施設しせつで、プールで過すごすアザラシの赤あかちゃんを常時じょうじ確認かくにんできるライブ配信はいしんを2019年ねんから実施じっししていた。当初とうしょは小規模しょうきぼな配信はいしんだったが、今年ことしの8月つき、X（旧きゅうツイッター）ユーザーによる投稿とうこうで突如とつじょ流行りゅうこうし話題わだいに。

インバウン丼どんぶり

訪日ほうにち外国がいこく人じん観光かんこう客きゃく（インバウンド客きゃく）向むけと思おもわれる高級こうきゅう海鮮かいせん丼どんぶり（数すう千せん円えん～1万まん円えん超ちょう）の俗称ぞくしょう。ネットで「外国がいこく人じん向むけのぼったくり」に近ちかいニュアンスで広ひろまった語かたりだが、実際じっさいは日本人にっぽんじん客きゃくの利用りようが多おおい、など実態じったいとの乖離かいりも。

裏金うらがね問題もんだい

自民党じみんとうの各かく派閥はばつが毎年まいとし政治せいじ資金しきんパーティーを開催かいさいし、20万まん円えんを超こえる対価たいかの支払しはらいを受うけたにもかかわらず、その収入しゅうにゅう明細めいさいを各かく政治せいじ資金しきん収支しゅうし報告ほうこく書しょに記載きさいしていなかった。この政治せいじ資金しきん規正きせい法ほう違反いはん事件じけんを『しんぶん赤旗あかはた日曜にちよう版ばん』がスクープ報道ほうどう。パーティー券けんの販売はんばいノルマを課かしノルマ超過ちょうか分ぶんをキックバックしたり、派閥はばつに納入のうにゅうしない中なか抜ぬきを認みとめるなど、議員ぎいん側がわも寄付きふ金きんを自身じしんの政治せいじ団体だんたいの収支しゅうし報告ほうこく書しょに記載きさいせず裏金うらがねにするなど、規正きせい法ほう違反いはんが横行おうこうし、しかもいまだに解明かいめいされていない。

界隈かいわい

従来じゅうらいは「その辺あたり」などの地理ちり的てきな範囲はんいをあらわしていたが、近年きんねんでは「共通きょうつうの人ひとびと」を指さすようになった。仲間なかま、近ちかい存在そんざいなどの、そのあたりの人ひとたちという意味合いみあいで使つかわれる。

カスハラ

カスタマー・ハラスメントの略りゃく。消費しょうひ者しゃ・顧客こきゃくによる理不尽りふじんなクレームや悪質あくしつな嫌いやがらせ、暴言ぼうげんなどのこと。また○○ハラの関連かんれんでは、年長ねんちょう者しゃからのLINEなどSNSの文章ぶんしょうで、文末ぶんまつに「。」（句点くてん）が付つくと若者わかものが感かんじるという「圧迫あっぱく感かん」でそれをマルハラ（マルハラスメント）という。フキハラは、不ふ機嫌きげんハラスメントのこと。

コンビニ富士ふじ山さん

2024年ねんの訪日ほうにち観光かんこう客数きゃくすうは3月つきから5カ月かげつ連続れんぞくで300万まん人にんを超こえたが、オーバーツーリズム（観光かんこう公害こうがい）の問題もんだいも増ふえた。背景はいけいに富士山ふじさんがそびえるコンビニの写真しゃしんを撮とれると人気にんきの撮影さつえいスポットになっていたが、観光かんこう客きゃくによるマナー違反いはんや危険きけん行為こういが多発たはつし、町まちが目隠めかくし用ようの幕まくや柵しがらみを設置せっちせざるを得えなくなるなど、議論ぎろんをよんだ。

侍さむらいタイムスリッパー

単たん館かん上映じょうえいから全国ぜんこく上映じょうえいへのヒットを果はたした、自主じしゅ制作せいさくの時代じだい劇げき『侍さむらいタイムスリッパー』が話題わだいに。

初老しょろうジャパン

パリオリンピック総合そうごう馬術ばじゅつ団体だんたいで92年ねんぶりに銅メダルどうめだる獲得かくとく。チーム4人にんの平均へいきん年齢ねんれいは41.5歳さいで、スポーツの世界せかいでは「シニア」の部類ぶるい。そこで自みずからでよび名よびなをつけたのが話題わだいに。そもそも「初老しょろう」は何なん歳さいを指さすかというと、古ふるくは40歳さいの異称いしょうだったが、現在げんざいでは60歳さい前後ぜんごの人ひとに使つかうとのこと。

新しん紙幣しへい

2024年ねん7月つきから20年ねんぶりの新しん紙幣しへいへの切り替きりかえが行おこなわれた。目的もくてきとしては、公式こうしきには偽造ぎぞう防止ぼうしとユニバーサルデザインの採用さいようとなっている。自動じどう販売はんばい機きの新しん札さつ対応たいおうで景気けいき対策たいさくの効果こうかが出でるとされるが、その費用ひようは自販じはん機き設置せっち企業きぎょうの負担ふたん。キャッシュレス時代じだいに、新しん札さつがどこまで受け入うけいれられるのか。

新しんNISA

2024年ねん1月つきから個人こじん投資とうしの税制ぜいせい優遇ゆうぐう制度せいどNISAの仕組しくみが変かわり、年間ねんかん投資とうし枠わくや非ひ課税かぜい保有ほゆう限度げんど枠わくの拡大かくだいなどが導入どうにゅうされた。「貯蓄ちょちくから投資とうし」へと不安ふあんをあおられた多おおくの人ひとが新しんNISAに踊おどらされた。

ソフト老害ろうがい

元もと放送ほうそう作家さっかの鈴木すずきおさむが著書ちょしょで自戒じかいとして発信はっしんした言葉ことば。「年上としうえと年下とししたの間まに立たち、年下とししたの意見いけんを汲み取くみとったつもりが、実じつはその行動こうどうが老害ろうがいにみえている」状態じょうたいをいう。

トクリュウ

匿名とくめい・流動りゅうどう型がた犯罪はんざいグループの略称りゃくしょう「トクリュウ」は、犯行はんこうグループによって匿名とくめい性せいの高たかいアプリやSNSなどを通をつうじて犯罪はんざいの実行じっこう役やくが集あつめられ、互たがいの素性すじょうも知しらずに闇やみバイトとして集あつまり指示しじされたとおりに動うごく集団しゅうだん。2023年ねんに警察庁けいさつちょうが命名めいめいした組織そしき犯罪はんざいの類型るいけい。

南海なんかいトラフ地震じしん臨時りんじ情報じょうほう

2024年ねん8月つき8日にちに日向ひなた灘なだでM7.1の地震じしんが発生はっせいした際さいに気象庁きしょうちょうにより発表はっぴょうされた巨大きょだい地震じしん注意ちゅういの臨時りんじ情報じょうほうのこと。地震じしんへの備そなえの再さい確認かくにんをよびかけるもので、地震じしんが必かならず発生はっせいするということを知しらせるものではない。

猫ねこミーム

ミームとは、ネットで流行りゅうこうする画像がぞう・動画どうがなどのことで、猫ねこなどの動画どうが素材そざいを組み合くみあわせて体験たいけん談だんなどを紹介しょうかいする動画どうがが流行りゅうこうした。TikTokに投稿とうこうされた「飛び跳とびはねる猫ねこ」の動画どうがに「マイ・ハッピー・ソング」という曲きょくを組み合くみあわせた作品さくひんが流行りゅうこうのきっかけ。

はいよろこんで

マルチクリエイターこっちのけんとが配信はいしんした楽曲がっきょく。社会しゃかいの生いきづらさを歌うたう内容ないようだが、サビの歌詞かし「ギリギリダンス」を用もちいたダンス動画どうがが流行りゅうこう。MV（ミュージックビデオ）で見みられる昭和しょうわの大人おとな漫画まんが風ふうのレトロな演出えんしゅつも話題わだいになった。

8番ばん出口でぐち

個人こじん開発かいはつのゲーム。ゲームの舞台ぶたいは、架空かくうの地下鉄ちかてつ駅えき構内こうない。プレーヤーは無限むげんに周回しゅうかいする地下ちか通路つうろを歩あるき続つづけ、そこから脱出だっしゅつするために「通路つうろに現あらわれる変化へんか」に気きづいて戻もどる必要ひつようがある。ユーチューバーやブイチューバーが実況じっきょう動画どうがを公開こうかいすることで作品さくひんの流行りゅうこうに火ひがついた。

はて？

NHK連続れんぞくテレビ小説しょうせつ『虎とらに翼つばさ』（とらつば）が注目ちゅうもくされた。日本にっぽん初はつの女性じょせい法曹ほうそうのひとりである三さん淵ふち嘉子よしこをモデルに伊藤いとう沙いさご莉が演えんじた。主人公しゅじんこう・寅とら子こが納得なっとくできない場面ばめんで発はっするのが「はて？」。圧倒的あっとうてきな男性だんせい社会しゃかい、権威けんい主義しゅぎがはびこる時代じだいに疑問ぎもんをまっすぐにぶつけていく。ナレーションなどで登場とうじょうする「スンッ」という言葉ことばも話題わだいに。作中さくちゅうの人物じんぶつ（主おもに女性じょせい）が本音ほんねなどを押おし殺ころす場面ばめんに登場とうじょうした。法ほうの下したの平等びょうどう（憲法けんぽう14条じょう）や生いきづらさなどを切り口きりくちに、戦前せんぜん・戦後せんごの司法しほう史しを描えがいた物語ものがたりだったが、「現代げんだいにも共通きょうつうし続つづいている物語ものがたり」として大おおいに注目ちゅうもくされた。

BeReal

フランスの写真しゃしん共有きょうゆうSNSアプリが若者わかもの世代せだいに普及ふきゅう。正式せいしきにはビリール。毎日まいにちランダムな時刻じこくに写真しゃしんを「2分ふん以内いない」に投稿とうこうするよう促うながされ、インカメラの自じ撮とりとアウトカメラの背景はいけい写真しゃしんを同時どうじ撮影さつえいした無む加工かこうの写真しゃしんが投稿とうこうされる。

被団協ひだんきょう

2024年ねんノーベル平和へいわ賞しょうを受賞じゅしょうした原爆げんばく被害ひがい者しゃ団体だんたい「日本にっぽん原水爆げんすいばく被害ひがい者しゃ団体だんたい協議きょうぎ会かい（日本にっぽん被団協ひだんきょう）」のこと。受賞じゅしょう理由りゆうは「核兵器かくへいきのない世界せかいを実現じつげんするための努力どりょくと、核兵器かくへいきが二度にどと使つかわれてはならないことを証言しょうげんにより示しめした功績こうせき」。核兵器かくへいき廃絶はいぜつ運動うんどうでの受賞じゅしょうはICAN（核兵器かくへいき廃絶はいぜつ国際こくさいキャンペーン）以来いらい7年ねんぶり。

50-50

ロサンゼルス・ドジャース大谷おおや翔しょう平へいが新しん記録きろく達成たっせい。同おなじシーズンにホームラン40本ほん、40盗塁とうるいを達成たっせいすることを「40-40（フォーティ・フォーティ）」とよび、大おおきく称賛しょうさんされる対象たいしょうだったのだが、それを超こえて、ホームラン54本ほん、59盗塁とうるいの「50-50」を達成たっせいした。

ふてほど

TBS系けい「金曜きんようドラマ」枠わくで放送ほうそうされた『不適切ふてきせつにもほどがある！』が話題わだいに。脚本きゃくほん・宮藤くどう官かん九郎くろう、主人公しゅじんこうを阿部あべサダヲ、娘むすめ役やくを河合かわい優ゆう実みが演えんじた。1986年ねんと2024年ねんをタイムスリップしながら、コンプライアンス社会しゃかいをストレートに批判ひはんするのではなく、時代じだいや世代せだい、個人こじん間かんにギャップがあるのは当たり前あたりまえで、どんな時代じだいでも差異さいを否定ひていしあうのではなく、差異さいの存在そんざいを前提ぜんていに話し合はなしあいを重かさね共通きょうつう解かいを探さぐるというテーマだった。

Bling-Bang-Bang-Born

ヒップホップユニットCreepy Nutsの楽曲がっきょくでアニメ『マッシュル』の主題しゅだい曲きょく。サビのフレーズがダンス動画どうがで話題わだいになり、「BBBBダンス」として子こどもたちからも人気にんきに。

ブレイキン

パリオリンピックで採用さいようされた新しん競技きょうぎ。ブレイクダンスのこと。男女だんじょ各かく16人にんが出場しゅつじょう、予選よせんステージを勝ち抜かちぬいた8人にんが決勝けっしょうトーナメントに進出しんしゅつし、メダルを争あらそう。AMI（湯浅ゆあさ亜美あみ）が金メダルきんめだる獲得かくとく。

ホワイト案件あんけん

SNSを通をつうじて募集ぼしゅうされる仕事しごとやバイト情報じょうほうにおいて「ブラック」な仕事しごとではないとアピールする際さいに使つかわれ始はじめた言葉ことば。「闇やみバイト」だと思おもわずに応募おうぼして犯行はんこうに加担かたんすることになる者ものが後ごを絶たたない。ホワイトという名なのもとに行おこなわれる隠かくされた犯罪はんざいが増ふえている。

マイナ保険ほけん証しょう一いち本ほん化か

12月つき2日にちから紙かみの健康けんこう保険ほけん証しょうの新規しんき発行はっこうが停止ていしされる。マイナ保険ほけん証しょうへの一いち本ほん化かを強制きょうせい的てきに実施じっしされるが、資格しかく確認かくにん書しょも発行はっこうされるので厳密げんみつには一いち本ほん化かではない。数々かずかずのデータ漏洩ろうせつや読取よみとり機きの不ふ具合ぐあいなどトラブルが続つづき、マイナ保険ほけん証しょうの利用りよう率りつも上あがらず。そもそも任意にんい取得しゅとくなので強制きょうせいではないはずなのだ。