このあと、記者団に対し「菅総理大臣が総裁選挙に立候補しないと表明したことを、商店街に向かう途中で聞いた。状況をよく確認したうえで改めて考え方を申し上げたい」と述べました。
その上で「総裁選挙への思いは変わらない。これからも国民や党員の皆さん1人ひとりに向けてしっかりと発信する努力を続けていきたい」と述べました。
その上で、総裁選挙への対応について「私の立候補の意思は変わらない。国会議員から激励の電話がたくさん来ていて幅広く、いろいろな議員に支援をお願いしたい」と述べました。 また記者団が、政治信条が近いとされる安倍前総理大臣に支援を求めるのか質問したのに対し、高市氏は「これまでいろいろ指導も頂き、同じ内閣で一緒に仕事もさせてもらったので、お願いしたいと思っている」と述べました。
そのうえで、総裁選挙の対応について「白紙ということに変わりはない。ただ、新しい状況となり選択肢が狭まったことは事実だ。何が国民のため、自民党のためにとるべき道かということを、同志の皆さんと相談しながら、しかるべき時に決断したい」と述べました。
武田大臣は面会後、記者団に対し「菅総理大臣からは『今までいろいろと本当にありがとう』と言われた。精いっぱいやったうえでの総理の判断なので、私がどうこう言うことではない」と述べました。
その上で、上川大臣が自民党岸田派に所属していることを踏まえて、記者団が総裁選挙への立候補を表明している岸田前政務調査会長を支持するかどうか尋ねたのに対し、「総裁選は自民党内の事柄であり、法務大臣としてコメントする立場にないことはご理解いただきたい」と述べました。
また、臨時役員会の前に菅総理大臣から立候補を見送ることをあらかじめ伝えられたことを明らかにしたうえで、「菅総理大臣に対し、どんな言葉をかけたのか」と質問されたのに対し、「在任中の活躍に敬意を表するとともに、これからも発展のために高い立場からご指導をいただくようにお願いしたいと伝えた」と述べました。
1年間、新型コロナと戦ってきたと思うが、感染拡大が続く中でぎりぎりの判断をしたと思う。トップとしての厳しさの中での決断で、敬意を申し上げたい」と述べました。 その上で、総裁選挙への対応について下村氏は「状況が変わったので、これから改めて同志や仲間と相談したい」と述べ、改めて検討する考えを示しました。
また衆議院選挙への影響については「これから新たな総裁が選ばれて、首班指名を経て、衆議院選挙に臨むことになる。政権選択の選挙であり、国民に政権を任せていただけるアピールができるよう力を合わせていく」と述べました。
また、記者団に対し「求心力を持たない内閣が今後およそ1か月続くことになった。これではもうまともな政策決定はできず、政治空白を作ることにもなり、大変遺憾だ。衆議院選挙の日程も決まらず、予算も枯渇しつつあるこの時点で、政権を投げ出すというのは無責任ではないか」と述べました。
また、その後の記者会見で「菅総理大臣は政権の延命のためにいろいろな細工をしようとしたが、『こんな政治は我慢できない』という国民世論と運動に追い詰められ政権を投げ出した。破綻した自民党政治のコップの中で、どういう顔に入れ替えても現状を打開する展望は見えてこない。求められているのは政権交代で、野党連携による新しい政権をつくることが必要だ」と述べました。
また、別の幹部は「不妊治療の保険適用に道筋をつけたことなどは大きな実績で、菅総理大臣でなければ実現しなかった政策だと思う。これまでは官邸主導の色合いが濃かったが、次期政権には科学的知見や専門家の意見を踏まえて焦らず中長期的な視点を持った判断をしてほしい」と話していました。 別の幹部は「よくも悪くも官邸のリーダーシップが強い政権で、ワクチン接種の加速化を打ち出したことでたくさんの命が救われた一方で、霞が関の官僚が萎縮して現場の声が届きにくい面もあった。次は現場の声が政策に反映される政権になってほしい」と話していました。 また、別の幹部は「政局的に手詰まりになっていたとは思っていたが驚いた。コロナ禍で雇用の維持や失業対策は重要な課題なので、新しい総理大臣には引き続き重視して対策を進めてほしい」と話していました。
また幹部の1人は「突然のことで、省内では職員が食い入るようにニュースを見ていた。これまで教育現場で課題となっていた教員免許更新制の見直しや少人数学級の導入も進んだので、これらの政策が覆ることがないように今後も進めてほしい。次の総理大臣には教育や科学技術、文化やスポーツは長い期間で成果が出るものだと理解してくれる人にお願いしたい」と話しています。
また地球温暖化対策を担当する職員の1人は「『脱炭素』は国際社会の共通の課題で、来月末からは国連の会議『COP26』も開催されるので、これまでの動きが止まることはないと思う。しかし、再生可能エネルギーの推進など『脱炭素』実現の道筋にはさまざまな意見があるので、総理大臣が交代してどうなるか今後の動きを注視していきたい」と話していました。
また、別の防衛省幹部は「新型コロナウイルスのワクチン接種にかける菅総理大臣の強い思いから、自衛隊が運営する大規模接種センターが設置されることになったと受け止めている。ワクチン接種を進めることの重要性は理解しているが、自衛隊は国の安全保障を担うのが本分であり、センターの運営は自衛隊でなければできない業務だったのかという点はやや疑問を感じる」と話していました。
また別の幹部は「東京オリンピック・パラリンピックの開催については国民の中でも賛否があったが、菅総理からはなんとしても成功させたいという強い思いを感じた。次の政権でも新型コロナの感染対策はもちろん、経済安全保障への対応や自然災害対策など危機管理に重点を置いた政策に期待したい」と話していました。
また、記者団から「次の総裁にはどういう人物がふさわしいか」と聞かれたのに対し、「わたしには投票権がないので、それは自民党の中でお決めになることだ」と述べました。
自民 高市前総務相「立候補の意思変わらない」
自民 石破元幹事長「白紙に変わりないが同志と相談し決断」
【菅内閣の閣僚は】
麻生副総理・財務相「決断されたと聞いた」
武田総務相「『ありがとう』と言われた」
上川法相「大変重い決断」
田村厚生労働相「コロナ対策は何があっても継続」
梶山経済産業相「大変残念」
河野規制改革相「本人に確認したい」
坂本一億総活躍相「継続していける方が総裁に」
平井デジタル相「菅首相のバックアップで役所ができた」
【与党の反応は】
自民 二階幹事長「誠に残念 熟慮のうえ決断」
自民 佐藤総務会長「驚き そのひと言に尽きる」
自民 下村政調会長「改めて同志や仲間と相談したい」
自民 山口選対委員長「引く勇気は出る勇気の3倍」
自民 森山国対委員長「コロナ対応 命賭けて取り組んだ」
自民 世耕参院幹事長「大変重い決断」
自民 林幹事長代理“総裁選挙は予定通り実施”
自民 柴山幹事長代理「誰が後継になっても思い受け止めて」
公明 山口代表「責任貫こうとする姿勢を評価」
【野党の反応は】
立民 枝野代表「無責任 自民党も政権運営する資格ない」
立民 福山幹事長「無責任極まりない」
立民 安住国対委員長「放り投げ 無責任」
立憲 辻元副代表「最後の責任として国会を」
立民幹部「政治力は弱くなり驚くことではない」
共産 志位委員長「政権を投げ出した」
維新代表 松井大阪市長「必要なこと逃げずに実施」
維新 馬場幹事長「成り行きを静観する」
国民 玉木代表「コロナ対策の失敗の責任を取った形」
【省庁幹部の反応は】
厚労省「政局にとらわれず やるべき対応を」
文科省「“長い期間で成果”に理解を」
環境省「脱炭素目指す基本路線変わらない」
防衛省「安全保障 日米同盟基軸変わらず」
宮内庁「今後も安定的な皇位継承に向けた議論を」
警察庁「次の政権でも危機管理重点の政策期待」
【東京都知事は】