都道とどう府県ふけんの4割わりが公立こうりつ高校こうこうの校則こうそくの見直みなおしを進すすめる

▼校則こうそくを「見直みなおした」と回答かいとうしたのは岐阜ぎふ県けんや佐賀さが県けんなど14、

▼「見直みなおす予定よてい」が5と、

都道とどう府県ふけんの4割わりを占しめました。

このほかにも、

▼「学校がっこう単位たんいで見直みなおしの動うごきがある」と答こたえたところが26と半数はんすうを超こえ、

全国ぜんこく的てきに見直みなおしに向むけた動うごきが広ひろがっていることがわかりました。

見直みなおしのきっかけを複数ふくすう回答かいとうで聞きいたところ、最もっとも多おおかったのが、▼「世論せろんの高たかまり」で18、

▼「文部もんぶ科学かがく省しょうの通知つうち」が13、

▼「生徒せいとや保護ほご者しゃなど現場げんばからの要望ようぼう」が11、

▼「大阪おおさかの府立ふりつ高校こうこうの頭髪とうはつ指導しどうをめぐる裁判さいばん」が7、

などとなりました。

これらの校則こうそくについて、人権じんけん上じょうの問題もんだいがあるなどとして多おおくの教育きょういく委員いいん会かいが見直みなおす方針ほうしんだと回答かいとうしていて、今後こんご、校則こうそくの見直みなおしはさらに進すすむとみられます。

このうち熊本くまもと市しでは、教育きょういく委員いいん会かいの呼よびかけで児童じどうや生徒せいとが主体しゅたいとなり、校則こうそくを見直みなおす取り組とりくみが、今年度こんねんどからすべての学校がっこうで始はじまっています。

熊本くまもと市し教育きょういく委員いいん会かいでは去年きょねん、学校がっこう改革かいかくの一環いっかんで、全ぜん学校がっこうの児童じどう・生徒せいとと教職きょうしょく員いん、それに保護ほご者しゃにアンケート調査ちょうさを行おこなった結果けっか、児童じどうや生徒せいとの3人にんに1人にんが「校則こうそくの見直みなおしが必要ひつようだ」と回答かいとうしたということです。

これを受うけ、教育きょういく委員いいん会かいはオンラインで生徒せいとや教員きょういん、保護ほご者しゃを集あつめた座談ざだん会かいを開ひらくなど、意見いけん集約しゅうやくを進すすめたうえで、校則こうそく見直みなおしのガイドラインを各かく学校がっこうに示しめしました。

この中なかでは「校則こうそくは必要ひつようかつ合理ごうり的てきな範囲はんいで制定せいていする」として、生うまれ持もった性質せいしつや性せいの多様たよう性せいを尊重そんちょうできない校則こうそくは必かならず改定かいていすることや、子こどもたちの主体しゅたい性せいを育はぐくむため、児童じどう・生徒せいとが校則こうそくについて考かんがえる場ばを設もうけて、少すくなくとも年とし1回かい、見直みなおしを行おこなうよう求もとめています。

これにより児童じどう・生徒せいと主体しゅたいの校則こうそく見直みなおしに向むけた議論ぎろんは、今年度こんねんどから熊本くまもと市立しりつのすべての小中しょうちゅう学校がっこうと高校こうこう137校こうで一斉いっせいに始はじまっています。

このうち熊本くまもと市し中心ちゅうしん部ぶにある白川しらかわ中学校ちゅうがっこうでは、生徒せいと会かいの役員やくいんや各かくクラスの学級がっきゅう委員いいんら生徒せいとの代表だいひょう20人にん余あまりをメンバーに、教員きょういんや保護ほご者しゃも加くわわって、校則こうそくを見直みなおす委員いいん会かいが設置せっちされました。

7月つきに開ひらかれた初はじめての会議かいぎでは、ふだんの学校がっこう生活せいかつで抱だいてきた“違和感いわかん”について、意見いけんを出し合だしあいました。

この中なかでは1人にんの男子だんし生徒せいとから「体育たいいくの授業じゅぎょうなどで男子だんしには着替きがえる更衣こうい室しつがないのはおかしいのではないか」と指摘してきが出だされたのに対にたいし、女子じょし生徒せいとからも「ジェンダーレスが叫さけばれる中なか、女子じょしだけ特別とくべつ扱あつかいするような状況じょうきょうは変かえるべきだ」と賛同さんどう意見いけんが出だされました。

意見いけんが分わかれる場面ばめんもあり、新型しんがたコロナの影響えいきょうで換気かんきの機会きかいも増ふえる中なか、冬場ふゆば、女子じょしの防寒ぼうかん着ぎは教室きょうしつ内ないでもボックスコートか部活ぶかつのウインドブレーカーしか着用ちゃくようが認みとめられていないことについて「ボックスコートは生地きじが分厚ぶあつくて、腕うでを曲まげにくく字じも書かきづらいので、別べつの上着うわぎも幅広はばひろく認みとめてほしい」という意見いけんが出でた一方いっぽう、別べつの生徒せいとからは「暖房だんぼうも整備せいびされたので、中なかに着込きこむなどの対策たいさくで十分じゅうぶんだ」といった声こえも聞きかれました。

学校がっこうでは、今後こんごも生徒せいとによる話し合はなしあいを続つづけ、今年度こんねんど中ちゅうに校則こうそくの見直みなおし案あんをまとめることにしています。

議論ぎろんに参加さんかした2年生ねんせいの女子じょし生徒せいとは「校則こうそくに疑問ぎもんを持もつこともあり、自分じぶんたちで校則こうそくを決きめるからこそ、守もりがいがあると思おもうので、話し合はなしあう機会きかいがあってよかった」と話はなしていました。

また、3年生ねんせいで生徒せいと会長かいちょうの川添かわぞえ諒りょう平たいらさんは「生徒せいと一人ひとりひとり、校則こうそくに対にたいする考え方かんがえかたが違ちがうこともわかったので、校則こうそくで規制きせいする範囲はんいを有意義ゆういぎなものにしていきたい」と話はなしていました。

議論ぎろんを見守みまもった大橋おおはし英えい材ざい校長こうちょうは「校則こうそくの見直みなおしは、これまでの学校がっこう現場げんばの常識じょうしきを覆くつがえす取り組とりくみで、生徒せいとの主体しゅたい性せいを生いかす、非常ひじょうにいい題材だいざいだ」としたうえで「社会しゃかいに出でて、政治せいじ的てきなことや身の回みのまわりの不ふ都合つごうや差別さべつに気きづき、みずから意見いけんを言いって解決かいけつしていく力ちからを身みにつける機会きかいにしてほしい」と話はなしています。

▼最もっとも多おおかったのは、見直みなおしに向むけて校則こうそくへの意識いしきや実態じったいなどの「アンケート調査ちょうさを実施じっし」で、都道とどう府県ふけんのうち30、

▼各かく学校がっこうで見直みなおしについて「生徒せいと自身じしんの議論ぎろんを促うながすよう要請ようせい」が28、

▼「教育きょういく委員いいん会かいとして通知つうちを発出はっしゅつ」が26、

▼「校則こうそくの公表こうひょうを要請ようせい」が17、

▼「特定とくていの校則こうそくの廃止はいしを要請ようせい」は7でした。

「見直みなおした」と回答かいとうした岐阜ぎふ県けんでは、これらのすべてを実施じっししていて、廃止はいしを要請ようせいした校則こうそくとして「下着したぎの色いろの指定していなどルール順守じゅんしゅの確認かくにん行為こうい自体じたいが新あらたな人権じんけん問題もんだいになりかねないもの」や「生徒せいとの私生活しせいかつの事柄ことがらについて学校がっこうが許可きょかや承認しょうにんを必要ひつようとしているもの」などを挙あげています。

また、制服せいふくについても、男女だんじょどちらの制服せいふくでも選択せんたくできるようにしています。

現在げんざい、校則こうそくの実態じったいを調査ちょうさ中ちゅうで結果けっかを受うけて、今後こんご、見直みなおしていくという自治体じちたいも複数ふくすうありました。

そして、見直みなおした結果けっかを肯定こうてい的てきに捉とらえる回答かいとうが多おおかったことについて「厳きびしい校則こうそくが長ながい間ま維持いじされてきた理由りゆうは、校則こうそくを緩ゆるめたとたんに学校がっこうが荒あれるに違ちがいないという不安ふあん意識いしきが背景はいけいにあったが、校則こうそくを見直みなおしても学校がっこうが荒あれていないという回答かいとうで、主体しゅたい性せいが増ますなど、よい点てんも見みえてきている。今いままでの校則こうそくは教員きょういんが逸脱いつだつした子こどもを管理かんりするという仕組しくみだが、そうではなく、教員きょういんも子こどもも、お互おたがいを信頼しんらいして学校がっこう生活せいかつを送おくる仕組しくみが必要ひつようだ。校則こうそく見直みなおしの機運きうんが高たかまるよう、取り組とりくみが広ひろがっていってほしい」と話はなしています。